2022.12.15 本会議(3日目)~議決・一般質問

 12月15日 10:00より、藤沢市議会12月定例会(3日目)が開催され、各常任委員会の報告後、議案に対する討論・採決が行われ、一般質問に入りました。内容の抜粋は次の通りです。

【建設経済常任委員会(12/6開催)に付託された議案】

議案第47号 市道の認定について(鵠沼955号線ほか3路線) 

議案第66号 藤沢市水洗便所改造等資金貸付条例の廃止について

※上記2議案は、全会一致で可決されました。

議案第65号 藤沢市下水道条例の一部改正について 

※この議案は、共産党とVisionふじさわが反対しましたが、賛成多数で可決されました。

【厚生環境常任委員会(12/7開催)に付託された議案】

議案第67号 藤沢市障がい福祉手当条例の一部改正について 

※この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

議案第68号 藤沢市廃棄物の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例の一部改正について

※この議案は、全会一致で可決されました。

【総務常任委員会(12/9開催)に付託された議案】

議案第58号 藤沢市個人情報の保護に関する法律の施行等に関する条例の制定について 

※この議案は、共産党、アクティブ藤沢が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

議案第60号 地方公務員法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について

議案第62号 藤沢市職員の旅費に関する条例の一部改正について
 
※上記2議案は、全会一致で可決されました。

議案第61号 藤沢市非常勤職員の報酬等に関する条例の一部改正について 

議案第63号 藤沢市常勤の特別職職員の給与に関する条例の一部改正について 

議案第64号 藤沢市一般職員の給与に関する条例及び藤沢市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部改正について 

※上記3議案は、Visionふじさわが反対しましたが、賛成多数で可決されました。

【補正予算常任委員会(12/12開催)に付託された議案】

議案第69号 令和4年度藤沢市一般会計補正予算(第8号)

議案第71号 令和4年度藤沢市下水道事業費特別会計補正予算(第1号)

※上記2議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

議案第70号 令和4年度藤沢市墓園事業費特別会計補正予算(第1号)

議案第72号 令和4年度藤沢市民病院事業会計補正予算(第2号)

※上記2議案は、全会一致で可決されました。

議会議案第3号 藤沢市議会の個人情報の保護に関する条例の制定について

※この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

【ここから一般質問】

※一般質問は、質問者と市側で答弁調整をしているため、質問・答弁のメモをとるのが難しいことから、これまでは、質問の抜粋のみを掲載していました。しかし、議長・副議長は議事運営をする立場なので、質問の要旨、答弁の原稿が手元にあることから、そこから抜粋・要約して掲載します。関心のある質疑については、インターネット中継録画、議事録等をご覧ください。

通告1番 松下議員

1. 都市基盤整備について

(1)藤沢サイクルプランについて

 ふじさわサイクルプランの進行管理について、走行空間における令和2年度から令和4年度までの第1期整備計画の進捗状況は?⇒(北村道路河川部長)ふじさわサイクルプラン実施計画の第1期としては、「将来的なネットワーク路線」として、予定している6路線のうち5路線の整備を完了する予定。路線としては、鵠沼奥田線2工区、藤沢駅町田線1・2工区、藤沢村岡線2工区、藤沢駅鵠沼海岸線2工区。整備形態別としては、自転車専用通行帯が0.7km、車道混在が2.6kmの整備が完了する予定となっている。

 第2期整備計画の目標は、実施計画には自転車専用通行帯を9kmのうち4.1km、車道混在を18.6kmのうち4.6kmと掲げており、ふじさわサイクルプラン実施計画全体的にも大きなウェイトを占めている。そこで、第2期の整備を着実に進捗させるため、市としての考えは?⇒(北村道路河川部長)ふじさわサイクルプラン実施計画における第2期の整備を着実に進捗させるために、交通管理者や道路維持管理部門と協議を行い整備時期や整備形態などを定めるなど、実施計画の見直し作業を行っている。再検討した第2期以降の実施計画は、来年2月に開催予定の「第20回サイクルプラン推進連絡協議会」で、示していきたいと考えている。

 次に、工事完成が遅れている藤沢駅辻堂駅線の整備について、令和元年の一般質問では事業期間や事業費の縮減につなげるよう検討するという答弁や、令和2年12月の一般質問では、道路幅員15m区間について、整備計画の見直しに向け警察や鉄道事業者などと協議を進め、早期の工事着手を目指していく、との答弁があった。しかし路線全体の整備状況は私が見たこの4年間、一向に進捗した形跡が見られない。どのようになっているのか?⇒(北村道路河川部長)現在、学校前踏切付近、日本精工㈱藤沢工場前については、令和5年度の工事完了に向け整備をしているが、埋蔵文化財が出土したことにより、工事着手に少し遅れが出ている状況。また、藤沢駅から県道戸塚茅ヶ崎付近までの道路幅員15mの区間については、国のガイドライン方針及
び藤沢市自転車走行空間のあり方改定に伴い、これまでの歩行者と自転車を柵で分離する道路構造から、車道内に自転車走行空間を整備する方針へ見直しを検討してきた。しかし、交通管理者と協議を進めるなかで、路線として道路構造が変わることへの危険性について指摘があり、最終的に、これまでと同様の道路構造で整備することで、協議が整ったところ。

 前にも言ったが、この路線の整備については、当初5年程度で整備完了すると答弁されていたにも関わらず、既に今年で12年目に入っている。余りにもずさんな計画で見通しの甘さを厳しく指摘されても仕方ないと思う。未だに整備完了が見通せないことについて、理事者としてどう考えているか?⇒(宮治副市長)本路線は、JR東海道線の藤沢駅と辻堂駅とを結ぶ地区幹線道路であり、隣接する大型ショッピングセンターの利用者や通勤通学者など多くの市民が利用しており、歩行者及び自転車ともに交通量が多い路線となっている。しかし、歩道の有効幅員が約2.5m程度の中で、歩行者と自転車が通行していたことから、歩行者と自転車を分離する道路構造に改良し、利用者が安全に通行できるように、平成22年度より整備を進めてきた。
 その中で、上村踏切や一本松踏切など4つの踏切交差点については、既存の道路との交通処理や、歩行者が歩道で待つ空間の確保のため、用地買収が必要となり、買収に想定以上の時間を要しており、当初想定していた期間内で整備を完了することができていない。事業の完了が遅れていることにより、利用者の方には不便をかけている状況を重く受け止めている。現在、用地買収については、これまでの課題を解決するため、様々な手法について検討している。また、藤沢駅から県道戸塚茅ヶ崎付近までの区間については、先ほど道路河川部長より答弁したとおり、交通管理者との交通協議が整ったので、これまでの遅れを取り戻せるよう、確実に事業を進捗させていく。

 次に、鉄道駅周辺の自転車走行空間整備について、まず、第1期整備計画に位置付けられている藤沢駅周辺の整備内容の状況は?⇒(北村道路河川部長)「鉄道駅周辺のネットワーク路線」として、第1期整備計画では、藤沢駅周辺の整備を進めており、自転車ピクトグラムの設置や、車道の左側に矢羽根の設置を行っており、令和4年度末には32路線中30路線の整備が完了し、整備率は94%の予定となっている。

 藤沢駅周辺の自転車走行空間の整備については、32路線中30路線、約94%の整備率で、概ね順調に整備されたと認識する。それでは、第2期整備として位置づけられている、「辻堂駅」周辺の自転車走行空間づくりについて、どの様な整備を進めていくのか?⇒(北村道路河川部長)辻堂駅周辺の自転車走行空間の整備については、藤沢駅周辺と同様に、駅周辺での左側通行を促すピクトグラムや矢羽根を設置し、駅中心部である駅前交通広場周辺の自転車の走行ができない歩道においては、押し歩きを促す案内の設置などを進めていきたいと考えている。

 実施計画に位置付けられている「とめる~駐輪環境整備~」について、江ノ電高架下の藤沢駅南口路上パーキングスペース改良事業について、令和2年12月の一般質問では、「警察などの関係機関との調整を進めるとともに、沿道商業者など関係者との十分な意見交換を行い、第1期内の事業実施に向け調整を進めていく」と答弁しているが、現在の状況は?⇒(北村道路河川部長)本年度については、交通管理者と複数回の協議を行い、概ね協議が整い、交通管理者にてパーキングメーターの撤去工事を12月に行う予定と聞いている。また、近隣自治会や郷土づくり推進会議、沿道商業者の方に駐輪施設、自転車走行空間整備の説明を行ってきたところ。走行空間や駐輪施設の整備については、一定の理解を得ているが、特に駐輪施設については、歩道が狭くなってしまうことや景観の悪化、ゴミの問題など、様々な意見・要望があり、その要望に応えられる整備について検討しているところ。この様なことから「ふじさわサイクルプラン実施計画」の第1期内である令和4年度までの事業実施は困難であると考えている。しかし、藤沢駅南口周辺では、依然として駐輪施設が不足していることから、引き続き調整を進めるとともに、新たな駐輪用地の確保や既存駐輪施設の増設についても現在、検討を進めているところ。

 藤沢駅南口江ノ電高架下の走行空間や駐輪施設の整備については、一定の理解を得ているとの答弁だったが、駐輪施設については、様々な意見や要望もありそれらについて検討しているとのこと。そこで、自転車走行空間整備については今後どのように取り組んでいくのか?⇒(北村道路河川部長)走行空間整備については、現在、整備を行っている鵠沼29.31号線道路改良工事の進捗や、今後予定している藤沢駅鵠沼海岸線の舗装打換工事と合わせて第2期内での整備を予定している。

 10月4日に開催された「第19回ふじさわサイクルプラン推進連絡協議会」では、計画に位置付けられた自転車施策の進捗状況が示されているが、その中で「自転車の交通事故件数」が目標値200件に対して、令和2年が266件、令和3年は311件となっている。目標未達の現状をどう捉えているか?⇒(三上計画建築部長)自転車関連の交通事故については、計画策定時に現状値とした平成24年の年間478件から、概ね10年が経過する中で、令和3年では年間311件であり、減少傾向ではあるが、年間200件の目標は達成できていない状況。こうしたことから、ふじさわサイクルプランの見直しにおいては、ふじさわサイクルプラン推進連絡協議会での「自転車の交通事故」の視点をもった議論を進める中で、自転車走行空間整備などのハード整備に加え、交通ルールの遵守を目的としたソフト施策など、より充実させる必要があると考えている。

 推進連絡協議会では、各委員からも様々な意見があったと聞いているが、自賠責保険の加入促進など、自転車交通事故を減らす具体的な取組について、今後の考えは?⇒(斎藤防災安全部長)年間を通じ、小・中学校や高等学校等においては、警察と共同で自転車の安全運転講習会を実施するとともに、自転車安全利用五則やルール違反の危険行為を記載したリーフレット等を配布するなど、注意喚起を行っていく。また、自転車損害賠償責任保険については、その重要性や損害賠償事故の事例等をホームページや地区回覧等に掲載し、普及啓発に努めていく。なお、市内各地区における自転車街頭点検においては、定期点検の重要性をPRするとともに、日本交通管理技術協会に登録された自転車安全整備士による点検整備を受けた自転車には、傷害保険や賠償責任保険等が付帯されたTSマークを付与されることを積極的に紹介していく。

 ふじさわサイクルプラン推進連絡協議会における報告の中で、上位計画を踏まえた新たな視点や取組として、「県内の連続したサイクリング環境の整備」が取り上げられているが、今後、どのように進めていくのか?⇒(三上計画建築部長)神奈川県の自転車活用推進計画では、県内の連続したサイクリング環境の整備として、本市の国道134号に重なる「太平洋岸自転車道」と、そこから引地川及び境川沿いを経由し大和市境へ至る「藤沢大和自転車道」が示されている。「太平洋岸自転車道」については、矢羽根による走行空間整備が進められているが、藤沢大和自転車道については、一部の区間が未整備であるため、引き続き、神奈川県へ自転車走行空間の整備を要望していく。

 「シェアサイクルの普及」も位置づけられ、今後はアフターコロナとして観光客の増加や外国人観光客などインバウンドの効果も見込まれるが、シェアサイクルをどのように活用していく考えか?⇒(饗庭経済部長)シェアサイクルについては、市内の効率の良い移動や車が停めにくい市街地における移動手段とすることで、市内の回遊性が図られるものと考えており、周遊観光を促進する一環として、「湘南地域自転車観光推進協議会」で、その普及に向けた実証実験に取り組んでいる。また、現在MaaSによる観光客の利便性向上と周遊
促進に向けて、シェアサイクルとの連携も含めたアプリ機能を追加した実証実験に取り組んでいる。このMaaSのベースとなるアプリは、既に多言語対応となっているが、インバウンドの方々に、いかにこの仕組みを利用いただくかが課題であると捉えており、本市の多言語観光ウェブサイトやSNSなどを通じ、積極的な情報発信に取り組んでいく。

 新たな視点として「災害時の自転車活用」が明記されているが、本市として、今後どのように考えているか?⇒(三上計画建築部長)自転車は、災害時においても有効な移動手段であり、本市では公共交通の代替手段として、職員の参集訓練時にも活用している。また、国及び神奈川県の自転車活用推進計画では、災害時における被災状況の把握や情報伝達などの移動手段として、自転車活用に関する考えが示されており、ふじさわサイクルプランの見直しにおいても同様に検討を進めていく。

(2)交通課題への対応について

 藤沢駅辻堂駅線の整備の課題となっている、上村踏切交差点湘南モールフィル側の歩道拡幅について、これまで何度も議会で取り上げてきた。昨年度の状況としては、事業用地が商業施設で様々な関係者がおり合意形成に時間を要している状況にある、と聞いているが、現状と今後の見通しは?⇒(北村道路河川部長)湘南モールフィル側の歩道拡幅については、用地取得に伴う権利関係が複雑であり、また主要な権利者に変更があったことから、用地取得に時間を要している状況。今後は、用地取得に向け様々な手法を検討するとともに、引き続き新たな権利者に、事業の重要性を丁寧に説明し、協議を進めていけるように取り組んでいるところ。

 上村踏切交差点が、ソニー側は安全で湘南モールフィル側は危険な状況が何年も続いている。市や権利者は、この危険性や緊急性について、どのように考えているのか?⇒(北村道路河川部長)歩行者及び自転車の安全な通行を確保する上で、湘南モールフィル前の歩道拡幅については、重要な課題と捉えている。湘南モールフィルの建物を管理している会社には、本事業の重要性に関し、理解を頂いており、現在は移転補償や大店立地法の協議を進めている。一方、新たな権利者については、現在は事業に対して、理解が得られていないが、先ほど弁したとおり、様々な手法を検討し、用地の協力を得られるよう、取り組んでいきたいと考えている。

 藤沢本町1号踏切道については、踏切道の安全対策として、既存の踏切道を廃止し東西自由通路を設置するとともに、西口改札を新設する計画案がまとまったと聞いている。そこでまず、踏切道の安全対策として、既存の踏切道を廃止に向けた取組状況は?⇒(北村道路河川部長)藤沢本町1号踏切道改良は、踏切道を廃止し、東西自由通路及びエレベーターの設置や、西口改札の新設、また障がい者用停車施設を設置する計画について、交通管理者及び鉄道事業者と協議を進めているところ。また、地域の方々で構成されている道路計画検討会議等でも、地域住民や商店街の方々と意見交換を行い、丁寧に整備計画を説明してきた。今後は、藤沢652号線道路改良事業の進捗に合わせ、踏切道の廃止に向けて取り組んでいく。

 藤沢本町1号踏切道の改良として廃止に向けて取り組んでいるとのことだが、今後の具体的なスケジュールは?⇒(北村道路河川部長)踏切道の廃止については、地域から賛成、反対の両方の意見をいただいている。従って、廃止に理解を得るには、ある程度の時間を要すると考えており、今後、道路計画検討会議等で説明を重ねるなかで、具体的なスケジュールについて、示していく。

 先ほどの答弁で、駅周辺については、踏切道の改良によりバリアフリー化が図られるものと理解した。次に、藤沢本町駅周辺の一面的な環境整備として、現在進行中の善行駅周辺地区のバリアフリー事業の見通しが立ったら、藤沢本町駅周辺地区のバリアフリー化に取り組むべきと考えるが?⇒(鈴木市長)本市の道路のバリアフリー化事業については、高齢者、障がい者等の移動の利便性、また安全性の向上を促進するため制定されました「バリアフリー法」及び、「藤沢市市政運営の総合指針」等を踏まえ策定した、「藤沢市バリアフリー化基本方針」に基づき、重点整備地区を定め整備を進めてきた。これまでに藤沢駅周辺地区、湘南台駅周辺地区、六会日大前駅周辺地区の事業が完了し、現在進めている善行駅周辺地区の整備が完了すれば、重点整備地区である主要な鉄道駅周辺のバリアフリー化事業は、完了することになる。今後については、藤沢本町駅を含めた各鉄道駅の乗降者数の状況と、各鉄道駅から病院などの公共施設、また高齢者や障がい者等が日常生活で利用する、道路の利用実態等を踏まえ、特定道路の指定や、新たな重点整備地区の設定などについて、検討していく。

2. 誰にも優しいまちづくりについて

(1)災害時の対応について

 災害時要援護者支援に向けて、GISを活用した避難支援システムの導入については、「実用性の課題があることから、システム開発事業者等の技術向上の進展等を注視しながら先進事例等を調査、研究していく。」と答弁されているが、その後の検討状況は?⇒(斎藤防災安全部長)避難行動要支援者への対応として、GISを活用し名簿を管理することは、個別避難計画の策定に非常に有効なものと捉えている。一方、現在のGISにおける対象者位置情報等の精度が70%程度という実用上の課題等もある。また、避難行動要支援者に関する課題については、デジタル推進に係る庁内研修の枠組の中でテーマの一つに位置付けて、地図連携などDXの手法の活用による解決に向けた検討を進めている。今後も、GISを活用したシステムの導入については、先進事例等を参考にしながら、継続して検討を進めていく。

 防災士の資格取得への支援についての取組状況と今後の考えは?⇒(斎藤防災安全部長)防災士に関しては、地域の防災リーダーとして期待されることから、本年9月の防災フェアにおいて、防災士キックオフミーティングを開催し、24名の参加者と共に、地域防災力の向上の手法などの意見交換を実施した。このことを踏まえて、各種の防災訓練等への参加の可能性の検討をはじめ、防災士の知見を活かした活躍の場面と効果の検証を、現在進めているところ。今後は、自主防災組織や避難所開設運営委員会など、地域における活躍の場を想
定し、自主防災組織等との連携を視野に入れて、資格取得に対する支援策等を検討していく。

 災害時における地域包括支援センターの役割等について、「検討していく」と、以前、答弁があったが、現状どのようになっているのか?⇒(池田福祉部長)地域包括支援センターの災害時の役割については、地域包括支援センターの職員や運営法人、また市民センター・公民館の防災担当者等との意見交換を踏まえ、「藤沢市地域包括支援センター災害対応ガイドライン」としてまとめたところ。このガイドラインにおいては、地域包括支援センターの役割を、平時、災害発生時、災害発生後の3つに分けて整理した。まず、平時には利用者の防災力を高めるため、地域の防災活動や防災訓練への参加等、地域における取組への協力を行うこと。一方、災害発生時及び災害発生後には、地域包括支援センターが把握している安否情報について市と共有するとともに、生活が困難な方には、必要に応じて福祉サービスの提供などについて、介護支援専門員と協力して支援を行うこととした。特に災害発生後には、地域包括支援センターは多種多様な相談に対応する必要があることから、まずは、平時から、市民センター・公民館をはじめ、地域の様々な主体との連携強化に取り組んでいく。

 介護事業者との安否確認の協定締結については、どのような状況になっているか?⇒(池田福祉部長)本年6月に、藤沢市居宅介護支援事業所連絡協議会と、要介護認定者の安否等の情報共有を目的として、「災害時における介護保険サービス利用者に対する安否確認に関する協定」を締結したところ。協定を締結した背景は、要介護認定を受けている方が、災害発生後に、身体的な事情などから孤立することも想定され、安全な状態を確保するために、早期に安否を確認することが求められることによるもの。協定の主な内容は、大規模な災害発生時、在宅における要介護認定者を対象として、発生後にケアマネジャーが確認できた情報を、随時、市側に提供いただくもの。この協定書の実効性を高めるために、事業所との想定訓練をこのたび実施したが、今後は、地域や関係機関との連携も視野に入れた訓練などを検討していきい。

 訪日外国人観光客に向けた災害対策情報の発信について、外国人旅行者などへの情報ツールとして、災害発生時における初動対応のための各種情報等が提供でき、即効性のある情報発信としてウエブサイトを準備するべきと考える。現状は?⇒(斎藤防災安全部長)外国人観光客に向けた災害対策情報の発信については、各自治体において、ホームページに多言
語の翻訳機能を用意している事例を確認している。本市ホームページにおいても、防災コンテンツ等を6カ国語に自動翻訳する機能があるので、国の「訪日外国人旅行者の安全確保のための手引き」に照らしても、情報提供として有効なツールと考えている。また、災害時の初動対応としては、本市ホームページから外国人旅行者向けプッシュ型情報発信アプリ「Safety tips」にアクセスできるよう対応している。このほか、即応性のある情報発信ツールである防災行政無線及びツイッターにおいては、津波警報等に英語による案内も加えているので、引き続き拡充を図っていく。今後は、外国人旅行者等が、目的とする情報にスムーズにアクセスできるよう工夫改善するとともに、LINE等による災害情報の英語翻訳の可能性を検討していく。

(2)低出生体重児の成長について

 今年の6月、低出生体重児を育てている保護者より相談を受けた。一般に配布されている母子手帳の成長曲線グラフが1000g以上から記載欄になっており、1000g未満の低出生体重児のお子さんが記録できない状況がある。本市において配布している母子手帳について記録欄を工夫するなど、改善の余地はないのか?⇒(齋藤健康医療部長)現在、本市における低体重で生まれた子どものうち、1000g未満の子どもは、直近2年間では8人、全体の0.25%となっている。本市で配っている母子健康手帳のグラフについては、1000g以上からの記載様式となっており、1000g未満の子どもの情報について、1000gを超えるまでは、グラフに表せないものになっている。このようなことから、保護者には母子健康手帳の余白等を利用し、退院後の発育・発達の状況や気づいたことなどの記載をいただいている。低体重で生まれた乳児には、より細やかで、かつ丁寧に見守る必要があるため、余白等の記録なども併せて、家庭訪問や医師・栄養士による相談の場を提供するなど、一人ひとりに合わせた対応を行っている。

 母子手帳に代わって、小さく生まれた赤ちゃんの成長を記録する「リトルベビーハンドブック」というものがあり、県や市が独自に作成し配布する市町村が少しずつ増えてきているが、本市においても「リトルベビーハンドブック」を作成する考えはないのか?⇒(齋藤健康医療部長)リトルベビーハンドブックは、小さく生まれた子どもと保護者のためにつくられた手帳で、子どもの成長に合わせた記録が残せるとともに、低体重の子どもの発達に関する情報や相談先などが記載され、子どもの成長と不安を抱える保護者を支えるものと聞いている。本市におけるリトルベビーハンドブックの導入については、現在、国においても母子健康手帳の見直しの検討がされており、その中間報告では、低出生体重児等を含む、多様性に配慮した対応について示されていることから、国の動向等も踏まえ、研究していきたい。

 神奈川県が、「リトルベビーハンドブック」を、今年度中に作成、配布できるよう、現在準備を進めていると聞いているが、本市としてはどのように活用する考えか?⇒(齋藤健康医療部長)神奈川県が、現在、準備を進めている「リトルベビーハンドブック」は、小さく生まれた子どもの発育状況の記録や、保護者の記録、医療的ケアが必要な子どもの医療機関との情報共有も可能な記録として、母子健康手帳のサブブックの位置づけで、配布を予定しているものと聞いている。このため、県から提供された際には、本市としても、周産期病院などの医療機関とも連携しながら、積極的に活用していきたいと考えている。

(3)障がい者スポーツの振興について

 令和2年3月に一般社団法人神奈川県障がい者スポーツ協会が設立され、善行の県立スポーツセンターを神奈川県下のパラスポーツの拠点として活動している。藤沢市障がい者スポーツ連絡協議会が活動するうえで、神奈川県障がい者スポーツ協会と連携することにより、より活性化が図られると考えるが、現在の活動状況は?⇒(板垣生涯学習部長)藤沢市障がい者スポーツ連絡協議会は、障がいのある方が安心してスポーツに親しめる環境づくりや、市民の障がい者スポーツに対する理解を深め、障がい者の健康増進、社会参画の促進を目的として平成30年8月に設立された。神奈川県障がい者スポーツ協会との連携については、これまで、「ふじさわパラスポーツフェスタ」等のパラスポーツ関連事業への講師派遣や、事業への後援などを通じて良好な関係性を築いてきた。さらに、今年度、神奈川県障がい者スポーツ協会への加入も承認され、情報共有もスムーズとなることから、これまでの関係性がより密接となり、さらなる連携強化に繋がるものと考えている。

 藤沢市のパラスポーツの更なる振興のため、藤沢市障がい者スポーツ連絡協議会の協会化は必要であると考える。設立に向けての考えは?⇒(板垣生涯学習部長)藤沢市障がい者スポーツ連絡協議会の協会化に向けた本市の考え方は、協会化に向け、組織力強化とパラスポーツの認知度向上が欠かせないものと捉えている。組織力強化については、加盟団体を増やしていくことや、各種事業を通じて障がい者スポーツ関係団体との連携が必要であると考えており、令和4年度は、藤沢市山岳・スポーツクライミング協会と認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本・神奈川が新規加入した。また、神奈川県障がい者スポーツ協会、市体育協会をはじめとした様々な関係団体と相互に事業協力を行うことにより、横断的連携が図られることで、パラスポーツの認知度向上につながるものと捉えている。本市としても、藤沢市障がい者スポーツ連絡協議会の早期協会化実現に向け、これらの取組をしっかりと支援していく。

通告2番 山口議員

1. 都市基盤整備について

(1)公園行政の取組について

 鵠沼海浜公園については、令和3年12月の建設経済常任委員会にて、事業者の決定や事業概要などについて報告された。現在までの取組状況は?⇒(川﨑都市整備部長)鵠沼海浜公園改修事業における現在までの取組状況は、本年4月から6月にかけて、周辺自治会の方々を対象とした全体説明会や、近隣の方々を対象とした説明会を開催した。その中で、建物の建設に伴う眺望の悪化、神奈川県が管理しているサイクリングロードの取扱い、飲食施設の夜間営業及びアルコール提供による治安の悪化、防災・防犯に関する懸念、イベント開催時の騒音などの意見・要望をいただいた。特に強い意見としていただいた眺望及びサイクリングロードの付替えに伴う安全性の確保などに丁寧に対応するため、本市と事業者とで、建物の配置や規模の見直しを行うとともに、サイクリングロードの付替えに関しては、神奈川県と詳細な構造について協議を進めてきた。その結果、配置計画の見直し及び神奈川県との協議が概ね整った9月の段階において、近隣住民の方々に対し、見直し計画の内容を説明してきた。
 また、これらの対応と並行し、8月には本市と事業者とで実施協定を締結するとともに、10月16日をもって、スケートパーク及び駐車場の運営を全て終了したところ。これらの経過を踏まえて、11月から解体・撤去工事に着手した。

 11月から解体・撤去工事に着手したとのことたが、本工事の今後のスケジュールは?⇒(川﨑都市整備部長)解体・撤去工事は、11月1日から着手し、令和5年3月までに完了する予定。また、本工事と並行するかたちで、事業者が公園施設及び建築物などの設計を進め、その後、新たな施設整備工事に着手していく予定。

 現在、設計を進めているとのことだが、スケートパークは具体的にどのような考え方で、施設整備を行っていくのか、また、利用者ニーズをどう把握したのか?⇒(川﨑都市整備部長)スケートパークの施設整備の考え方は、引き続き、初心者から上級者まで、様々な技術レベルの方々が楽しむことのできる多様なセクションを整備していくことを基本としている。施設の水準としては、スケートボードのトップレベルの競技会も開催できるストリート系の大規模コンクリートセクションをはじめ、既存のコンビプールを活かしつつ、初級者や中級者も楽しめるミニボウルやスネークゾーン、サーフスケートゾーンなど多彩なセクションを新設する計画となっている。これに加え、スケートボードの専用エリアやBMXの優先エリアを設けるとともに、技術レベルに応じたエリア分けを行っていく。
 また、整備にあたっては、世界のスケートパークを熟知したパークデザイナーや、BMXの第一人者が監修にあたるとともに、国内で多数、施工実績のあるスケートパークビルダーが、豊富な経験と実績をもとにスケートパークを整備していく。
 次に、利用者ニーズの把握については、本年5月に、事業者をはじめ、本デザイナーやビルダーとともに、「藤沢市スケートボード協会」及び「藤沢市自転車協会」と意見交換を行い、利用者ニーズの把握や意見の反映に努めたところ。

 いつ頃のオープンになるのか、現時点での想定は?⇒(川﨑都市整備部長)現在、解体・撤去工事と並行しながら、事業者が公園全体の設計を進めているため、現時点では具体的な全体スケジュールまでは示せない状況だが、スケートパークの整備には、概ね6か月程度、飲食店等の建築工事には、10か月程度かかる想定であると聞いている。そのため、スケートパークは、令和5年秋頃に他の公園施設よりも先行してオープンすることを目指しているが、公園全体のオープンは令和6年春頃になるものと想定している。

 スケートパークのリニューアルオープンは、多くの方が待ち望んでいる。私のところにも、早期オープンを期待する声が数多く届いている。このような利用者の思いについて、市長の考えは?⇒(鈴木市長)スケートボードやBMXなどのアーバンスポーツについては、「東京2020オリンピック競技大会」を契機に盛り上がりを見せ、利用者の増加に伴い、各地で
施設整備が進められていると認識している。鵠沼海浜公園スケートパークについては、子どもから大人まで、幅広い層の方々に利用されており、早期リニューアルオープンの要望は、私のところにも数多く届いているため、多くの方々が期待していることは承知している。本公園のリニューアルは、アーバンスポーツの拠点として、また、本公園を含む湘南海岸の活性化やシティプロモーションに資する重要な取組であるため、早期オープンを目指すとともに、魅力ある公園づくりに取組んでいく。

 鵠沼海浜公園が閉鎖している期間の代替施設や北部地域の拠点として、秋葉台公園にスケートボード広場が整備され、先日オープンしたが、具体的にどのような施設を整備したのか?⇒(川﨑都市整備部長)本年11月末に整備工事が完了し、12月4日から利用を開始した。施設の概要は、広場面積461㎡のうち、滑走部は281㎡あり、全面、コンクリート舗装としている。本広場の最大の特徴として、広場斜面部の地形を活かし、特殊工法で整備したコンクリートバンクセクションを2箇所設けるとともに、セクションとしての階段を中央に設置した点が挙げられる。また、平場には大型クォーターランプや、カーブボックスなどのセクションを配置している。これらの整備内容については、「藤沢市スケートボード協会」などから、意見をいただき、設計を行ったもの。なお、コンクリートバンクセクションの施工にあたっては、鵠沼海浜公園コンビプールや「東京2020オリンピック競技大会」のスケートボード会場を手掛けたスケートパークビルダーが施工するなど、限られた規模ではあるものの、様々な方々に協力を得ながら、高い施設水準を確保している。

 鵠沼海浜公園の代替施設などとして、秋葉台公園にスケートボード広場が整備されたが、BMXの代替施設はどのような対応をされたのか?⇒(川﨑都市整備部長)BMXについては、従来から「藤沢市自転車協会」と代替施設の取扱いについて協議を行ってきた。その結果、新産業の森に近接し、現在、自転車協会が運営している「葛原コースタル バイク パーク」に代替機能を設けることとした。現在、施設整備を行っている状況であり、利用開始までにしばらく時間がかかると聞いているが、施設整備後は、BMXの利用者に楽しんでいただけるものと考えている。

 次に、秋葉台公園スケートボード広場の横にあるインクルーシブな遊具広場について、開設後、1年以上経過した。利用者ニーズの把握状況は?⇒(川﨑都市整備部長)インクルーシブな遊具の利用者ニーズの把握については、今年の8月に利用状況や、公園利用者の情報などを得るため「秋葉台公園遊具広場についてのアンケート」を実施した。回答結果から、利用者は、公園近隣の遠藤地区の方が一番多く、次に市外の方の利用が多かったことがわかった。また、新しくなった遊具への意見として、「知らない人と一緒に協力して遊べるのが楽しい。」、「ほかの国の人も一緒に遊べて楽しかった。」と言った、「誰もが遊べて、誰もが楽しめる」インクルーシブな遊具ならではの意見も多数いただいている。

 今後、秋葉台公園以外の公園にもインクルーシブな遊具広場を開設していくことも考えられると思うが、今後の方向性は?⇒(川﨑都市整備部長)今回実施したアンケートの回答の中で、「遊具周辺がデコボコしていて車椅子やベビーカーが通りにくい。」、「日陰で休憩できる場所が欲しい。」などの意見をいただいた。引き続き、これら課題への検討を行うとともに、今後のインクルーシブな遊具広場の設置の方向性については、公園駐車場の有無や、バリアフリーの整備状況、公園の利用実態を考慮しながら検討していく必要がある。しかし、設置の条件である、駐車場のある大規模な公園も限られており、現時点で、他公園での同規模なインクルーシブな遊具広場の整備は、すぐには難しい状況であると捉えている。
 今後については、公園利用者の意見、要望などを踏まえ、新たに開設する公園や、公園リニューアル工事等の際には、駐車場から設置場所への動線や、バリアフリーの状況、他の遊具との離隔距離が確保できるかなどを考慮し、インクルーシブな遊具の単体での設置の可能性について検討していく。

2. 安全・安心なまちづくりについて

(1)津波対策について

 本年11月5日に、津波避難訓練を実施したが、その結果の概要と参加人数は?⇒(斎藤防災安全部長)今回の津波避難訓練の主な内容は、まず、津波避難行動訓練として、今年度更新する自治会・町内会ごとの津波避難マップの検証も含めて、沿岸地区の居住者が56ヶ所の目標に向けて実際の避難行動を行っている。また、津波避難ビル受入訓練として、辻堂市
民センターやフジスーパー鵠沼店など、スロープのある施設における車イス等の受入の検証も含めて、避難現場の確認をしている。更には、津波フラッグ掲出訓練として、片瀬東浜の鵠生園、片瀬西浜の新江ノ島水族館、鵠沼海岸のサーフビレッジの3施設で、大型の津波フラッグを掲出し、サーファーなど海浜利用者への津波情報の伝達を実施している。なお、当日の訓練参加人数は、沿岸3地区の住民と海浜利用者及び関係機関等を含めて、合計3,282人。

 今回の津波避難訓練における課題について、特に、サーフィンをはじめとしたマリンスポーツなどの海浜利用者は、対応に温度差があったと思うが?⇒(斎藤防災安全部長)海浜利用者の訓練参加は、各ライフセービング団体及び沿岸サーフショップなどの協力のもと、津波フラッグの効果もあり、片瀬及び鵠沼海岸においては、大半の方が避難行動を実施していました。他方、辻堂海岸方面における訓練参加者が少なかったことを確認している。

 海浜利用者の津波避難対策について、サーファーや海浜利用者の津波避難対応が、海岸の地区・場所によって違っていたとのことだが、今後の対策は?⇒(斎藤防災安全部長)海浜利用者の津波避難対策については、まずは避難訓練に参加していただくなど、津波災害への関心を高めていくことが必要であると認識している。今後は、各海岸において、多くの海浜利用者が理解を持って避難訓練に参加していただくため、沿岸店舗等との協力体制の一層の強化をはじめ、周知方法の更なる工夫や拡充など、津波に対する備えの普及啓発に努めていく。また、津波フラッグの掲出場所の増設に向けた取組も検討していく。

 新たな津波避難施設の整備について、先日、片瀬海岸3丁目における整備の報告があったが、この津波避難施設整備事業における方向性や課題は?⇒(斎藤防災安全部長)片瀬海岸3丁目については、片瀬海岸と境川に挟まれた地域であり、近隣に津波避難ビルや津波一時避難場所がなく、著しく津波避難が困難な状況であることから、本年中に策定する基本構想を踏まえた上で、一刻も早い津波避難施設の完成を目指している。また、主な課題としては、この事業の地元説明会を通じて、想定津波の高さや基準水位など、津波に関する知識等の地域への周知が不足していたものと考えている。

 津波災害に関する知識の普及啓発について、津波の基準水位が公表されたと言っているが、住民の理解が進んでいないと感じている。PRも不足している。津波の高さなどの浸水想定や避難計画・備蓄資材を含めた津波知識の周知啓発は重要であり、市民からも説明を求められていると思うが、今後の取組は?⇒(斎藤防災安全部長)令和3年に作成した新たな津波ハザードマップ及びふじさわ防災ナビにおいては、本市の想定津波に係る基準水位を水深ごとに着色するなど、分かり易く掲載し、広く市民に配布しているところ。一方で、地元説明会や自治会からの意見等を踏まえた上で、基準水位を含めた津波の高さの考え方等については、津波防災地域づくりに関する法律に基づき、基準水位を公表した神奈川県の説明や、津波対策における最新の専門的知見を有する学識経験者の意見等を参考に、地元住民に丁寧に説明していく。また、一時的な緊急避難場所から避難所までの移動ルート等に係る避難
計画や、自助・共助・公助のそれぞれに必要とされる備蓄資機材の考え方などについても、市民の不安解消につながるよう、様々な機会を捉えて説明を行いながら、より一層周知啓発に努めていく。

 危険ブロック塀等安全対策工事補助金について、これまでに、市内全体で補助件数が94件、解消された延長約1.1㎞とのことだが、津波避難対象区域内の住民でも、知っている人が少ない。沿岸部の住民に、補助金制度をもっと周知するべきだが?⇒(斎藤防災安全部長)今年度は予算の満額執行予定となっており、市民の関心や需要は大きいものと捉えている。特に、避難行動に猶予のない津波災害への備えとして、藤沢市津波避難計画に定める津波避難路に面しているブロック塀等に対する補助率の割増などにより、危険解消に努めている。今後も、広報ふじさわやホームページをはじめ、各地区の防災訓練や防災フェア等の市民と接する機会を活用して周知を図るとともに、藤沢市耐震改修促進計画と連携したチラシの配布等により、普及・啓発に努めていく。

 避難行動要支援者の津波避難対策について、今回の津波避難訓練では、車いす等を使用する要支援者の避難受け入れを検証したとのことだが、自分ひとりで逃げることができない要支援者の避難には、個別避難計画の作成を早急に進めることが、不安の解消につながる。一方で、支援者にとって、「津波てんでんこ」の考えと整合するのか?⇒(斎藤防災安全部長)津波避難における個別避難計画に係る支援者等の考え方だが、「津波てんでんこ」に包含される自助原則の強調と、インクルーシブの視点との関係性については、難しい課題である。なお、迅速な津波避難の重要性を表す「てんでんこ」には、自助の大切さのみならず、誰もが最善を尽くすという考え方のもと、他者避難の促進、相互信頼の事前醸成、自責の念の軽減などが込められているものと捉えている。本市としては、自治会・町内会、自主防災組織等の想定される支援者に対して、まずは自身の自助力を高め、津波からの率先避難者として、声かけ行動などによる共助促進への理解を深めるよう図っていく。また、要支援者に対しても、自助意識や受援力の向上を促す取組を検討していく。このようなことを通じて、津波避難行動における各自の自助努力が、地域の防災力を高め、共助の実践につながるという「てんでんこ」の伝承意味を踏まえて、支援者及び要支援者ともに理解を深めていただけるよう、丁寧に説明していきたい。

 津波避難計画の改定について、未だに津波災害警戒区域や基準水位の指定・公表など、新たな事項が記載されていない。津波フラッグも古いオレンジフラッグのまま。早急に、津波避難計画を最新の情報にアップデートすべきだが?⇒(斎藤防災安全部長)藤沢市津波避難計画については、平成31年3月を最後に改定してないので、今年度末を目途として、津波災害警戒区域の指定をはじめ、最新の情報への更新も含めて、改定していきたい。

通告3番 塚本議員

1. 地方自治について

(1)市長の議会対応について

 地方自治における市長の権限と責任について、また議会におけるご自身の役割をどのように認識しているか?⇒(鈴木市長)地方自治法においては、執行機関たる私の役割として市の事務を管理し、及びこれを執行するものとされており、市政全般の事務についての包括的執行権を有し、かつ、その責任がある。一方、議会は、自治立法の定立や予算の議決をすることを中核的権能とする市の意思決定機関であるとともに、市長に対する監視機関としての機能を担っており、市長と議会とは、ともに住民を代表するものとして、抑制と均衡による緊張関係を保ちながら、対等の機関として、ともに市政を運営していくべき関係にあるものと認識している。こうしたことから、議会がその意思決定機能や市長への監視機能を果たすため、必要な情報を提供すること、また、議員から市長への質問に対しては、誠心誠意対応することが、議会における市長の役割であり、ひいては市民に対する役割でもあると考えている。

 地方自治における市民から直接選挙で選ばれた者同士が議会で議論を交わす場において、執行機関の長としての議会答弁のあり方についての考えは?⇒(鈴木市長)本市においては、地方自治法の規定により私の権限に属する事務を各部局に分掌させ、補助機関たる部局長以下の職員に執行させており、その執行においては私の指揮・監督下に置きながらも一定の裁量を持たせた市政運営を基本としている。そうしたことから、本市では、私をはじめ、副市長、総務部、企画政策部、財務部を交えた協議・調整の中で、私の責任において答弁者を決定しており、私からは特に政策形成の根幹や政策的な方向性を示す内容について答弁しているところ。

 所管部長が答弁する場合でも、議会での市長の意思表示や配慮が必要である。市長の答弁姿勢を見ていると、答弁頻度の問題ではなく、直接選挙で選ばれた者同士が議論を交わし、市政を発展させる自覚が薄いと思わざるを得ない。市長の見解は?⇒(鈴木市長)市長の答弁回数の状況、また、県内の他市に比べても少ない状況であると承知はしている。一方で、本市の歴代の市政においては、政策形成の根幹や政策的な方向性を示す内容について市長答弁をしてきており、他の自治体もまたそれぞれに状況が異なるものと認識している。このたびの指摘については、真摯に受け止め、市長の私を含めた協議・調整の場において、私自らが責任を負いながら、答弁の内容に応じて、引き続き適切な答弁者を決定していく。

2. 子育て、健康施策について

(1)出産・子育て応援交付金等の活用について

 出産・子育て応援交付金に関し、先般、厚生労働省から自治体向けの説明があったと聞き及んでいるが、どのような内容であったのか?⇒(齋藤健康医療部長)今回の事業は、核家族化が進み、地域の繋がりが希薄になる中で、すべての妊婦、子育て家庭が安心して出産・子育てができる環境整備を行うことが目的となっている。この事業は、妊娠期から子育て期まで、一貫した伴走型相談支援と経済的支援を一体として実施するものとなる。伴走型相談支援については、妊娠期から子育て期までの間に計3回、アンケートや面談を実施し、その際に必要な相談や情報提供を行い、支援につなげることとされている。また、経済的支援については、妊娠届出時と出生届出後に各5万円相当の給付とし、令和4年4月以降に出産されたすべての方が対象となる。国は、令和5年1月1日以降、これらの支援を早期に対象者に届けることを目指すとしているが、その開始時期については、各市区町村が判断をすることとなっている。なお、この出産・子育て応援交付金事業については、今定例会中に補正予算案を追加上程する予定。

 出産・子育て応援交付金事業は、伴走型相談支援と経済的支援の2本柱となっている。本市での面談等の相談支援など、これまでの事業との整合性を図り、3回にわたる面談を行う伴走型相談支援の検討状況と課題は?⇒(齋藤健康医療部長)本市では現在、妊娠期から子育て期にかけ、妊娠届出時やハローベビィ訪問、乳幼児健診などのタイミングに合わせて相談支援を実施している。伴走型相談支援は、国の示す妊娠初期、後期、出生時に3回面談をすることが求められている。妊娠初期については、現在も妊娠届出時に南北保健センター等で実施している面談の活用を予定している。妊娠後期については、新たにメール等によるアンケートを実施し、個別の課題や困りごとの把握に努め、希望者やフォローが必要な方には面談を行っていく予定。出生後については、現在も実施しているハローベビィ訪問を活用した面談を実施し、既存事業と新規事業を組み合わせた支援を行っていく予定。この中で、専門相談員の確保や、オンライン相談の準備に向けた検討を進めていく。また、本市では、子ども青少年部の「子育て支援センター」などのひろばや福祉部の「地域の縁側」など、身近に相談ができる場が提供されているが、こうした既存事業と伴走型相談支援を連携し、支援体制を形づくっていくことが課題と捉えている。

 伴走型相談支援をどのような体制で、いつから実施していくのか?⇒(齋藤健康医療部長)伴走型相談支援については、南北保健センターと子育て給付課での対面による面談に加えて、2月からオンライン面談が実施できるように準備を進めていく。オンライン相談を導入することは、外出困難な方や、心身状況がすぐれない方にも負担の少ない方法で相談ができるほか、業務の効率化にもつながると考えている。なお、若年の妊婦や疾患を抱えている妊婦などのハイリスク妊産婦に対しては、これまでと同様、地区担当保健師が個々の状況に応じた、寄り添った支援を行っていく。

 もう一つの柱である経済的支援の検討状況や課題は?⇒(齋藤健康医療部長)経済的支援について、国は、産後ケア・一時預かりなどのサービスの利用料助成や、出産育児関連用品等のクーポン支給、現金支給も含めた幅広い支給形態を示している。本市としては、クーポン等の活用には一定の準備期間を要するため、事業を早期に開始し、支給する観点から、現時点では現金での支給を予定している。

 経済的支援について、恒久的事業という観点から再考し、極めて短期間での事業実施となるが、より実りある事業としていくべきと考えるが?⇒(齋藤健康医療部長)経済的支援については、まずは、迅速性を優先して、現金支給を予定している。今後は、利用者のニーズを確認しながら、里帰り出産なども想定して、全国で利用でき、ポイントや割引により、額面以上の活用が可能なサービスなど、より子育てに活用しやすい内容を選べる環境が整えば、現金以外の支給方法についても検討していきたい。

 この出産・子育て応援交付金事業を通じて、子育て家庭にどのようなメッセージを送ろうと考えているのか?⇒(鈴木市長)私は、日々、みんなが大好きだと思える藤沢が未来へ
つながっていく姿を思い浮かべ、それを実現するために元気なまちづくりを心掛けてきた。その中でも、待機児童対策をはじめ、子ども・子育て支援策は、最優先の政策の一つとして取り組んできた。今後も、妊娠期から子育て期にわたる、切れ目のない支援の体制を確保し、安全・安心で健やかな妊娠・出産をサポートするとともに、地域で安心して子育てができる環境づくりを更に進めていきたいと考えている。幸い、本市は子育て世帯の転入が多く、藤沢は自然豊かで子育ての環境がよいとの評価をいただいている。この度の出産・子育て応援交付金事業を通じて、妊婦・子育て世代の孤立化を防ぎ、行政や地域が寄り添い、さらに多くの子育て世代の皆様に、「子育てするなら藤沢市」と思っていただけるよう取り組んでいく。そして、子育て世代が将来にわたる展望を描けるよう、総合的な子どもに関する施策を推進し、「笑顔と元気あふれる子供たちを育てる」まちを目指していきたいと考えている。

(2)帯状疱疹ワクチン助成について

 本市としてワクチン公費助成をする意義と、帯状疱疹ワクチンの接種率を上げ、発症を下げる取組状況は?⇒(齋藤健康医療部長)帯状疱疹ワクチンについては、2016年3月、従来の水痘ワクチンに、「50歳以上の方に対する帯状疱疹の予防」についての「効果・効能」が追加承認され、任意接種として使用が開始された。2018年3月には、乾燥組み換え帯状疱疹ワクチンが薬事承認されており、本ワクチンの接種が発症のリスクを軽減すると考えられている。一方で、小児に対する水痘ワクチンが定期接種化され、小児の水痘患者が大きく減少したことにより、自然暴露の機会が減少した結果、帯状疱疹患者が増加すると推測する見解もある。そのような中、現在、国の審議会において、将来的な帯状疱疹患者の増加の推測も含め、定期接種化へ向けた議論が継続されているが、帯状疱疹ワクチンについて、防御期間、費用対効果等の情報が十分に得られておらず、今後さらに検討をしていく必要があるとしている。本市としては、ワクチン接種による帯状疱疹の予防効果はあると考えるが、公費助成をしていく意義という点については、現時点で判断材料が十分ではないため、今後の国の動向を注視していきたいと考えている。
 また、帯状疱疹の発症を抑制する取組については、現在、本市ホームページにおいて、帯状疱疹の症状や予防方法などを掲載している。ワクチン接種が帯状疱疹の発症抑制と重症化予防になることなど、接種を希望する方に、より丁寧で分かりやすい内容となるよう、引き続き、周知啓発に努めていく。

3. 安心・安全で快適な学校教育環境の整備について

(1)てんかん発作時の口腔用液ブラコムの投与について

 口腔用液ブコラムが薬事承認され、本年7月19日付けで文部科学省等から事務連絡が通知されている。児童生徒がてんかんで発作を起こした場合、教職員らが迅速に鎮静させるための治療薬「ブコラム口腔用液」を投与できるとの事務連絡について、各学校にどのように伝達されているのか?⇒(峯教育部長)国からの7月19日付「学校等におけるてんかん発作時の口腔用液(ブコラム )の投与」の事務連絡については、同月中に、本市立学校全校に周知している。事務連絡の中では、てんかん発作時の対応について、事前に主治医の指示を受けた保護者から依頼があった場合、具体的な使用のタイミングや注意点等を、学校と保護者の間で情報共有するとともに、緊急時の体制を具体的に整えるよう示されている。

 教職員らによるブコラム投与が可能となっても、医師法に違反していないか、緊急やむを得ない措置としての位置付けや使用条件など、一定の整理と周知、保護者との理解の共有や教職員らへの研修など、学校側がブコラム投与を適切に対応できる体制整備について、やらなければならないことが多くあるが、どのように対応されているのか?⇒(峯教育部長)各学校における児童生徒のてんかん発作時の対応については、これまでも、当該保護者と十分連携し、教職員間で情報共有するとともに、対応の流れを確認してきた。現在、本市立学校においては1件、保護者からブコラムの使用依頼があり、対応をしているとの報告を受けている。当該の学校では、今回の事務連絡をもとに、ブコラムの使用方法や注意点の確認ができる動画を使用し、教職員間で理解を深めるとともに、支援会議等でブコラム投与を適切に行えるよう情報共有している。
 今後も、すべての学校において、学校長を始め教職員全員が理解しておく必要があるものと認識していることから、教職員への周知と併せ緊急時に適切に対応できる体制づくりに引き続き努めていく。

(2)安全で快適なトイレの整備について

 藤ヶ岡中学校のトイレがすごく汚れていて、清掃してもらったが、委託費や契約内容、掃除の頻度、報告や管理体制はどのようになっているのか、また、何故あそこ迄汚れてしまっていたのか、その要因は?⇒(峯教育部長)学校施設におけるトイレの清掃業務については、専門業者に委託して実施しており、令和4年度の委託料は、小学校、中学校、特別支援学校全55校で、合計4,255万9千円。次に、契約内容及び清掃の頻度については、日常清掃、定期清掃、尿石除去清掃、排水管洗浄清掃の4種類の作業を実施し、日常清掃では、便器や便器廻りの清掃、汚物処理、トイレットペーパーの補充などを行っており、夏期休業期間中を除き、小学校で月7回以上、中学校で月6回以上、特別支援学校で週2回以上実施している。定期清掃は、扉や窓、床、天井などの清掃を夏期休業期間中に1回実施しており、尿石除去清掃は、年2回、排水管洗浄清掃は、隔年で実施している。業務報告については、委託業者は、作業終了後、学校職員の点検を受け、学校施設課へ報告書を提出する。学校及び学校施設課は、点検の際や報告内容から、必要に応じて、手直しや追加清掃の指示を行う。委託業者の管理体制については、清掃責任者が、月1回以上各学校を見回り、清掃作業員の監督、指導を行うことになっている。
 指摘のあった藤ヶ岡中学校の便器の汚れの原因については、雨水及び井戸水をろ過及び滅菌処理をしたうえで、トイレ洗浄水に利用しているため、井戸水に含まれる鉄分等の値が若干高いことが汚れの一因ではないかと考えている。しかし、今回の件については、委託業務の履行確認が十分ではなかったことと認識しており、今後は、委託業者に対し、清掃責任者の現場確認作業を徹底させるとともに、教育委員会が定期的に現場を確認するなど、学校トイレの衛生環境の維持向上に努めていく。

 トイレ清掃用のブラシ及びトイレットペーパーが不潔な状態でおかれていたり、汚物入れが破損しているなど劣悪なトイレの衛生環境だが?⇒(峯教育部長)指摘のような状況は、直ちに改善すべきものと認識している。学校は児童生徒が1日の大半を過ごす場所であり、児童生徒が健康で快適な学校生活を送るためには、トイレ清掃用のブラシ及びトイレットペーパーの配置並びに汚物入れにいては、適切な衛生管理を行っていくことが重要である。今後は、学校現場と連携しながら、トイレ内の物品や用具についても、衛生管理に努めていきたいと考えている。

 これは藤ヶ岡中学校だけの問題か。他の学校は大丈夫か。今一度トイレを含む学校の衛生管理を見直し、改善すべきは改善し、良好な学校衛生環境を再構築し、未来に大きく可能性を秘めた子ども達の教育とそだちを育んでいくという、市教委の決意を聞きたいが?⇒(峯教育部長)児童生徒の健康と安全を守り、学習への意欲向上を図る観点からも、学校の良好な衛生環境を確保していくことは、学校運営における重要な業務の一つであると捉えている。他の学校においても、不衛生な状況が発生することがないよう、教育委員会・学校・委託業者の3者による確認・点検・改善が円滑に進むよう管理体制の見直しを図るとともに、教育委員会と学校が共通理解のもと、良好な衛生環境の確保に向け、取組を強化していく。

 本市の学校トイレの洋式化の現状と、洗浄機能付きトイレの整備推進は?⇒(峯教育部長)本市立学校におけるトイレの洋式化については、年次計画によりトイレ改修工事と合わせて実施しているが、全体の便器数における洋式便器の割合は、現段階で約6割にとどまっている。洗浄機能付きトイレについては、一部の多目的トイレ等に設置しているが、児童生徒用トイレには、1校あたりの便器の数が多く、設置にかかる費用や電気容量の確保、設置後の維持管理等に課題があることから、現在のところ設置していない。洗浄機能付きトイレを児童生徒用トイレに設置することについては、国の学校施設整備指針において、生活様式の変化等を踏まえ、障がいのある児童生徒、避難所開設時の要配慮者が利用しやすいトイレとして計画することが重要である、と示されていることから、限られた財源の中で、適切な場所を選択したうえで、まずは試行的な設置を検討していきたいと考えている。

 避難所としての多目的トイレの整備状況と今後の整備方針について、また防災減災事業債を活用した洗浄機能付きトイレの整備推進は?⇒(峯教育部長)多目的トイレの整備状況としては、小学校が35校中27校に、中学校及び特別支援学校には全校に設置している。現在進めているトイレ改修工事については、学校における衛生環境の向上を図ることはもとより、洋式化、多目的トイレの設置、オストメイトの配備等、だれもが利用しやすいトイレを目指して整備を進めており、災害時における防災機能の強化にもつながるものと考えている。今後の多目的トイレの整備については、従来どおり、国の補助金を活用しながら、年次計画におけるトイレ改修工事及び再整備事業に含めて進めていく。提案いただいた防災減災事業債については、指定避難所における防災機能強化に資する事業が対象とされていることから、避難所としての多目的トイレや洗浄機能付きトイレを整備する際は、他の補助金や起債等との優位性を精査したうえで、活用を検討していく。

通告4番 杉原議員

1. 若者などのドロップアウト支援について

(1)生きづらさへのソーシャルサポートについて

 「ドロップアウト」という言葉からは脱落・中退といったことが想像されてしまうが、私は自分がこうあるべきと思う道から外れてしまうことだと考えている。また、このような生きづらさを感じている若者は、中学生のころから不登校傾向にあるように思う。そこで、現在、藤沢市立中学校には、不登校生徒がどのくらいいるのか?(峯教育部長)本市立中学校における不登校の生徒数は、毎年実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」において、年間30日以上欠席し、何らかの心理的・情緒的要因などにより、生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況にあることを不登校としており、本市におけるその生徒数は、令和3年度、544人。

 オーストラリアでは、学校や就業の困難を抱える若者を地域関係機関の連携によって早期に発見し、サポートを開始する「ユースパスウェイ・プログラム」という事業を行っている。生きづらさを感じている若者には、早期支援が必要と考える。藤沢の中学校ではそのような子どもたちに対して、どのようなアプローチを行っているのか?⇒(峯教育部長)学校においては、生徒の欠席が数日続いたころから、まずは学級担任等が家庭訪問を行い、直接子どもや保護者の不安・困りごとを聞くほか、支援担当教員やスクールカウンセラー等とも連携して長期欠席の兆候が見られた初期段階から組織的な支援が行えるよう努めている。また、不登校生徒の対応としては、その要因や背景を的確に把握し、一人ひとりにあった適切な支援を行うことができるよう、校内支援会議を開き、子どもの実態に応じて関係機関とも連携しながら、早期支援や継続的なサポートに取り組んでいる。

 義務教育課程終了後の若者への支援状況は?⇒(三ツ橋子ども青少年部長)義務教育課程修了後の若者への支援については、ユースサポートで、社会生活を円滑に営む上で困難を有する、概ね15歳以上40歳未満の方を対象に支援を行っている。義務教育課程を修了する中学3年生の中には、毎年、数名程度は進路が決まらずに卒業する生徒がいることから、学校、学校教育相談センター、スクールカウンセラーと連携し、切れ目なく支援を継続できる体制をとっているほか、毎年、中学3年生を対象にユースサポートのチラシを配布し、周知を図っている。支援に当たって、それぞれの方の状況や意向に沿った個別支援計画を立て、中には長期間ひきこもり状態の方もいるので、相談方法にZOOMなどのオンラインを利用して個別の相談を重ねて、まずは定期的に外出をしたり人と接したりすることができるようにすることから始めている。相談の中で一緒に課題を整理し、ひとりひとりを必要な支援につなげていくほか、福祉・保健・医療などの支援機関での手続きが必要な方には同行支援なども行っている。

 ドロップアウトをした若者などへのオーダーメイドの情報提供や、何度つまずいても社会に参加できる仕組み、リカレント教育の充実など、民間と連携して非営利的なマッチングプラットフォームの構築が必要と考えるが?また、市内企業へ就職することを条件とした奨学金制度を導入すべきだが?⇒(饗庭経済部長)働くことに不安や困難を抱える若者を対象とした支援として、本市では「ユースワークふじさわ」において、専門スタッフによるきめ細かな相談や、社会参加・就労体験等の各種プログラムを通じた若年者就労支援事業を実施している。また、求職者には就職の機会を、求人企業には人材発掘の場を広く提供するため、近隣の市町や神奈川県、公共職業安定所、商工会議所等と連携し、合同就職面接会を開催している。経済部としては、これらの事業を有機的に連携させていくとともに、地元企業に就労を希望する若者の思いがより多く叶うよう、関係機関とも連携し、就労支援事業の更なる充実に努めていく。また、奨学金制度を導入し、市内企業への就職に結びつけていくとの提案については、国の制度や、他の自治体の取組状況の把握に努めるなど、今後、検討していきたいと考えている。

 こども家庭庁が来年度からスタートするが、困難な状況にあるこどもへの支援という中で、生きづらさを感じている子どもやドロップアウトした子どもたちへの支援も含まれるものと考える。機会の平等(公正)が保証されている社会、ドロップアウトを生まない社会の実現に向けて、市は、どのような体制、意気込みで取り組んでいくのか?⇒(三ツ橋子ども青少年部長)情報化、国際化、少子高齢化に拍車がかかる現代社会では、社会生活を営む上で困難を有する子ども・若者の問題が深刻な状況にあり、さらには、コロナ禍による閉塞感は、子ども・若者の不安を高め、孤独・孤立の問題が顕在化することとなった。こうした状況をふまえ、国においては、制度や組織による縦割りの壁、年齢の壁を克服した切れ目ない包括的な支援を掲げ、こども家庭庁を創設する。本市では、この間、だれひとり取り残さない あたたかい地域共生社会の実現に向けて、次代を担う子どもや若者が、健やかに成長する「まち」を掲げ、平等と公正の視点から、施策を展開しているところ。議員の提案の機会の平等が保証される社会、ドロップアウトを生まない社会の実現に向けては、成育部門と支援部門をつなぐ役割を備えた子ども家庭センターを組織し、福祉・子育て支援、保健、教育の有機的連携を深化させ、幼少期からポスト青年期に至るまでの入口から出口までのトータルサポートの充実に努めていく。中でも、自分が目標とした人生のレールと、築いた轍が異なる若者には、「あきらめない」気持ちを醸成することができるように、多様性と包摂性ある社会をポリシーとして、子ども・若者のWell-beingの向上と、「ふじさわ」が好きと言える、子ども・若者が溢れる「まち」をめざしていく。

通告5番 竹村議員

1. 公的事業のあり方について

(1)「疑似科学」と科学的リテラシーの教育について

 学習指導要領では理科の目標をどのように定めているのか?⇒(峯教育部長)小・中学校の学習指導要領では理科の目標について、自然に親しむことや自然の事物・現象に進んでかかわること、見通しや目的意識をもって観察・実験などを行うこと、問題解決の能力や科学的に探究する能力の基礎と態度を育てること、自然の事物・現象についての理解を深めること、科学的な見方や考え方を養うことなどの内容が示されている。

 教育委員会は「疑似科学」について、どのように取り扱うべきものと認識しているか?⇒(峯教育部長)「疑似科学」について、学校教育においては、長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、学習内容を精査し、科学的根拠に基づく事柄を取り扱うべきであると考えている。しかし、世の中には科学で解明できていない事柄も数多くあり、今後の科学技術の進歩による新たな研究成果によって、正しさや誤りが確定するものもあることから、科学的根拠が不十分なものについて取り扱う場合は、現時点では科学的合理性が確定されていないことを、きちんと伝えた上で取り扱うべきと認識している。

 「疑似科学を取り扱わない」というだけでなく、いわゆる「科学的リテラシー」を育てることが重要ではないか。この「科学的リテラシー」の教育、ということについて、どのように考えているか?⇒(峯教育部長)「科学的リテラシー」の教育については、科学的知識を使用し、課題を明確にして、証拠に基づく結論を導き出すという「科学的リテラシー」の視点は、自ら考え、判断し、行動できる力を育むことにつながるものであり、予測困難な未来社会を切り拓くために重要な力として、子どもたちに身につける必要があるものと捉えている。

 研修を実施したり、ガイドラインを作成するなど、学校関係者が講演者の招聘や教材選定に対して「疑似科学」を無批判に取り入れないようにする必要があるのではないか?⇒(峯教育部長)議員指摘のとおり、学校関係者が講演の企画や教材選定をする際、その内容や講演者等について、何ら疑問を抱かずに無批判に決定することは、あってはならない
と認識している。教育委員会における事業企画の際には、その内容や講師選定について、十分議論・調査した上で決定するとともに、各学校に対しては、講演者の招聘や教材選定につ
いて、慎重な検討が必要であることを、校長等に発信していく。

 「男性脳」「女性脳」について、いわゆる「ニューロセクシズム」とも批判されるが、男女共同参画の立場からどのように考えているか?⇒(宮原企画政策部長)「ニューロセクシズム」については、議員指摘のとおり、結果として、性別役割分担意識を肯定、助長するという意見があることを認識している。本市では、誰もが多様な分野に参画し、互いを認め育
て合うジェンダー平等社会の実現に向け、あらゆる場面において、性別役割分担意識の解消を図り、一人一人の多様な視点を尊重し、社会の多様性による活力と新たな価値を創造していくことが重要と考えている。

 公民館などの講座などを開催するに際しては、科学的根拠を持ったものかどうか、どのようにチェックしているのか?⇒(板垣生涯学習部長)公民館における事業企画については、各公民館において各地区の実情や課題を踏まえ、行っているところ。疑似科学や偽史(ぎし)、~学(なになにがく)など、根拠が明確でないものに関しては、公民館の職員が業務を行う際に参考としている事務マニュアルに、事業を企画する際の注意点として記載している。また、毎年度、4月に行っている公民館担当職員を対象とした会議において、改めて説明を行っており、事業を実施する前に今一度確認するよう、注意喚起に努めている。今後も、疑似科学を始めとした根拠が明確でないものに対し、職員が適切な対応ができるよう取組を行い、市民に誤解を与えることがないよう、公民館事業を実施していく。

 生涯学習部の取組を、教育委員会を含む市役所全体に広げていただけないか?⇒(中山総務部長)疑似科学を始めとした根拠が明確でないものについては、市として事業を実施する際には、生涯学習部での取組を参考に、庁内で情報共有を図り、市民に誤解を与えないよう努めていきたい考えている。

※以上、報告とします。


おおや徹

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