2022.10.12-14 令和4年度 総務常任委員会行政視察

 10月12日~14日で、私が所属している藤沢市議会総務常任委員会の行政視察が3年ぶりに行われました。視察概要は次の通りです。

【三重県鈴鹿市】10月12日

1. テーマ 男女共同参画推進の取組について

2. 視察先 ジェフリーすずか(鈴鹿市男女共同参画センター)

3. 鈴鹿市の取組概要(抜粋)

(1)鈴鹿市の男女共同参画の動き(抜粋)

 ➀1992年 市民活動課に婦人行政係設置 ※ここから男女共同参画が始まった

 ➁2002年 男女共同参画センター開館
 
 ➂2003年 男女共同参画審議会設置

 ➃2006年 男女共同参画推進条例制定

 ➄2015年 SUZUKA女性活躍推進連携会議設立

 ➅2020年 第2次鈴鹿市男女共同参画基本計画(改定版)策定

(2)市民が直接意見を言える会議(抜粋)

 ➀1995年 鈴鹿市女性問題懇話会設置

 ➁2003年 鈴鹿市男女共同参画審議会設置

 女性問題懇話会を発展的に解消し、審議会を新たに設置。

 ➂2006年 条例で規定

 男女共同参画審議会を鈴鹿市男女共同参画推進条例で規定。

 ➃2007年 鈴鹿市男女共同参画推進本部設立(庁内)

 ➄2015年 SUZUKA女性活躍推進連携会議設立(民・学・官連携)

(3)第2次鈴鹿市男女共同参画基本計画後期実施計画の施策

 誰もが個性と取能を十分に発揮し、夢を持って暮らせるまち「鈴鹿」

【Ⅰ 男女共同参画意識の向上】

 ➀男女共同参画意識の普及と向上 

【Ⅱ あらゆる分野における男女共同参画の推進】

 ➀意思決定の場における男女共同参画

 ➁就労における男女共同参画

 ➂地域における男女共同参画

 ➃家庭における男女共同参画

 ➄教育における男女共同参画

【Ⅲ ジェンダーの視点に立った人権尊重と精査に応じた健康支援】

 ➀自尊感情と人権意識の向上

 ➁生涯にわたる心身の健康に関する啓発

(4)鈴鹿市男女共同参画都市宣言

 2012年、鈴鹿市制施行70周年・鈴鹿市男女共同参画センター開設10周年の年に「男女共同参画都市宣言」を行った。

(5)男女共同参画の拠点

 市長、教育長、商工会議所会頭のすべてが女性の時期あった。拠点があることで、子どもの居場所にもなり、更に活かして、事業を進めていきたいとのことでした。今回は、この拠点である、男女共同参画センター(ジェフリーすずか)の施設を見学させてもらいました。この拠点では、鈴鹿市の男女共同参画の取組に賛同する26団体が登録をしていて、講習会や研修会などを開催するなど、施設を利用しているとのことでした。また、施設内には、DV被害や男女に関する相談窓口があり、職員が相談を聞き、解決に向けた対応や、場合によっては必要な機関につなげているとのことでした。男女に関することは、「ジェフリーすずか」という拠点があることで、市民に明確となり、相談や活動がしやすいのではと感じました。

(6)事前に連絡した総務常任委員会からの質問と回答(要約)

 条例制定の意義と今後の課題は?⇒市民、事業者及び市の責務を明らかにするとともに、施策の基本方針を定めることによって、市民、事業者及び市が協働して男女共同参画社会を実現することを目的としている。努力義務ではなく、責務としたことで、自らが積極的となる意識の向上につながる。市が果たす責務は、市が単独で行うものは義務規定で、意識の普及度を指標として参加者アンケートを実施。課題としては、職場、地域における男女平等の数値が低いこと。また、新たな課題としては、新型コロナによる女性への影響、デジタル社会への対応などがあり、第3次鈴鹿市男女共同参画基本計画の策定に向けて反映させていきたいとのこと。

 SUZUKA女性活躍推進連携会議の目的と取組、民・学・官各々の課題や事業効果は?⇒男女共同参画社会の実現、女性の活躍促進を目的として設置されたもので、市長を代表として、商工会議所、農業協同組合、工業高等専門学校、子育てボランティア団体、職業安定所などが幹事となっています。取組としては、会議の開催、リコチャレというイベントを開催している。民間企業各々の課題把握は難しいので啓発イベントにとどまっている。どう対応していくかが課題。

 鈴鹿市の女性参画の課題解消に向けた取組の具体策は?⇒審議会委員に占める女性の割合は、令和3年度で、494人中、215人(43.5%)で全国8位。また、防災会議委員では41.8%で全国4位となっている。鈴鹿市の女性管理職登用率は、目標20%に対して、20.2%となっているが、職員アンケートでは、昇任を希望する女性職員は7%であり、女性の活躍推進への意識を高める取組が必要。昨年度の具体的取組としては、テレワークの推進、公共施設での生理用品無料配布など。

(7)視察時の質疑(抜粋・要約)

 男性の育休取得について、取得しやすい環境づくりのための対策は?⇒具体時な取組はないが、幹部会議の中では、普段のコミュニケーションの中で、妊娠などの情報をキャッチして、対応できるような組織づくりが出来るよう地盤をつくっている状況。

 組織の名称について、地域振興部となった理由は?⇒組織改正によるもの。

 防災会議の定数を増やして女性の登用率を上げたと思うが、その他の事例は?⇒審議会で男女比率が進んでいる。各審議会の所管課へ基本的に充て職での女性登用の検討をしてもらい、メンバーが変わる場合は、市長までの決裁で決めるので、女性の登用が検討される。

 条例をつくるきっかけは?⇒鈴鹿市の男女共同参画施策に対して、市民が直接意見を言える会議として設置された「鈴鹿市女性問題懇話会」から発展した『鈴鹿市男女共同参画審議会』において、「鈴鹿市男女共同参画プラン改定の基本的な考え方について(提言)」がまとめられ、男女共同参画施策を継続的に、かつ効果的に展開するために推進条例の制定を行うことと提言を受けた。検討段階からの市民参画を求めるために、識見者や市民で構成する『鈴鹿市の男女共同参画を推進する条例検討委員会』を設置し、「鈴鹿市の男女共同参画を推進する条例のあり方について」諮問を行った。(「条文形式での条例案」の提言を依頼)平成18年1月、約1年間にわたる、鈴鹿市と検討委員会の共催によるパブリックコメントなどを経て、「条例のあり方について」の提言書を受理した以降、庁内例規審査(条規審査会)及び2回の市議会全員協議会を経て、平成18年6市議会定例会に上程するに至っている。

 ジェンダー平等について、リコチャレ以降の取組状況は?⇒第二期基本計画の中で、教育委員会が子どもに向けて提案をしている。

 条例は市長提案か?⇒その通り。

 条例制定にあたり、検討委員会はこの条例案より、踏み込んでいるが、どう整理したのか?⇒当時の職員が条文を整理して制定された。

 市議会議員が32人中、女性は2人と少ないと思う。女性候補者が少ないのか?⇒女性候補者は少ない。行政側からのアプローチは難しいので、審議会での女性登用の増員や、女性の政治への関りについてセミナーをした。

 公共施設での生理用品の無償配布について、背景と学校での配布状況は?⇒条例制定は議会からの要望。機械は無料で広告収入で実施しているので、学校での取組には課題があるので、学校ではトイレや保健室においてある。

【大阪府大東市】10月13日

1. テーマ 大東市の公民連携について

2. 大東市の取組概要(抜粋)

(1)公民連携との出会い

 ➀平成10年度以降、人口減少が顕在化

 ➁住民が自治体に依存する状況の打破

  自治体が作ったまちではなく、自分が作ったまちに住みたい。大東市と市民や民間企業が手を取り合う公民連携手法。

(2)北条まちづくりプロジェクト(morinekiプロジェクト)
 
 昭和40年代に建設した市営住宅の再整備について、プロジェクトを組んで、(株)コーミンと連携して、パートナーシップを築いた。全国初のPPPのプロジェクトとして、商業施設と市営住宅が連携した地域の交流場所となり、成功した事例として、有意義な視察となりました。

 都市公園も都市計画変更をして再配置、市営住宅、商業施設、公園を一体整備することで、エリア全体の価値を上げていて、その公園には、都市公園名も注意事項の看板もありませんでした。その理由は、このエリアの世界観に合わないとのこと。この事業の担い手は、(株)コーミンで、元大東市職員が独立し、現在では社長となっている大東市のまちづくり会社で、地域の活性化や新たなまちづくりには、従来の常識から脱却することも必要だと思いました。

(3)現地の様子

(4)事前に連絡した総務常任委員会からの質問と回答(要約)

 公民連携に関する条例制定の意義と今後の課題は?⇒厳しい都市経営を迫られる中で、市民がより暮らしやすく、次世代まで続くまちを創っていくためには、従来の手法にとらわれず、新しい手法が必要。そこで、大東市まち・ひと・しごと創生総合戦略(第1期)において、「自分でつくったまちに住む」という開発理念を掲げ、行政だけではなく、市民や民間企業も能動的にまちづくりに関われるよう、公民連携事業の条件や進めていくプロセスを明確にした「大東市公民連携に関する条例」を制定した。これまでの事業化は2件で、今後は、事業化される案件の増加につながる仕組みづくりを進めていきたい。

 民間からの提案に対する決定プロセスの透明化と評価基準の明確化に関する仕組みは?⇒決定のプロセスは、条例を基に作成している「大東市民間提案制度ガイドライン」で示している。外部有識者からなる、「特定公民連携事業審査会(提案内容が条例に合致した公民連携事業を審査する)」「特定公民連携事業プロポーザル審査会(提案事業者の選定をする)」「特定公民連携事業評価委員会(公民連携事業の評価をする)」で、審査や評価を行い、透明化するようにしている。

 「morinekiプロジェクト」が、国土交通大臣賞を受賞されるなど高い評価を得ている。このプロジェクトの意義は?⇒「morinekiプロジェクト」は、借景の生駒の山並みや周辺の街並みとも調和した住宅棟群、商業・オフィス棟群、都市公園は、それぞれ敷地が分かれていながら、計画値全体が公園のように連続して境界をかんじさせない景観を実現したものとなり、歴史的で有名や京都先斗町地区や大規模な再開発である東京都港区の竹芝地区を抑えての受賞は、景観行政の転換点であると感じている。

(5)視察時の質疑(抜粋・要約)

 市の財政負担は?⇒市営住宅を20年間借り上げしている負担と公園整備などのインフラ整備費用。また、当初の出資は6億円。市がSPCに貸し出している土地に対しては、年間1,140万円の借地料が入ってくる。

 市営住宅114戸が74戸となったが、入居者の年齢層は?⇒高齢者が多い。風呂がないので空きが出て80世帯となっていた。仮移転中に親族との同居などで、戻ったのは60世帯。新たに子育て世帯を中心に募集した。

 水害対策の取組は?⇒一級河川もあり、水に親しむように転換していくために護岸を整備し親水護岸として、警報装置を付けている。

 市民の行政への依存体質について、どうなったか?⇒大多数の市民は行政依存の一方、このまちづくりにより、一緒にまちづくりをやっていきたいという市民も増えている。その市民をどう把握するかが課題。市が伴奏できる仕組みを作っていければと思っている。

 日常的な取組は?⇒4つのリードプロジェクトを公民連携推進室が調整して事業を進めている。民間からの提案により価値を高めていく取組は、民間提案制度があり、声を聞いて4つのリードプロジェクトの他にも良い提案があれば進めていく。

 市民参加の提案もあるのか?⇒ある。提案数は減ってきているので、提案しやすい仕組みを検討していく必要がある。

 条例制定により、積極的な提案がしやすくなったのか?⇒リードプロジェクトの前からスタートしているが、この条例により、公民連携のプロセスが明確になったことで、民間が提案しやすくなった。

※この後、現地を見学しながら、それぞれ質疑を行いました。

【愛知県豊田市】10月14日

1. テーマ DX推進の取組について

2. 豊田市の取組概要(抜粋)

(1)戦略・体制等

 ➀令和2年度の取組

 ・情報戦略課を設立

 ・NECがアドバイザー派遣(現在も継続)

 ・ICT活用ビジョン策定

 ・デジタル強靭化戦略策定

 ・デジタル化推進本部会議設置

 ・デジタル化推進チーム設置

 ➁令和3年度

 ・総務省からデジタル化推進担当専門監を設置、今回は専門監から説明を受けました。

 ・各部局DX将来像策定

 ・若手DXプロジェクト設置

 ➂令和4年度

 ・庁内横断検討部会設置

 ・デジタル強靭化戦略改定

(2)人材育成関連

 ➀令和2年度

 ・トヨタ自動車へ1人派遣(データ関係、2年間)

 ・データ関係、AI関係勉強会開始

 ・ITパスポート、G検定等の取得奨励

 ➁令和3年度

 ・総務省へ職員派遣(通信関係へ配属、2年間)

 ・全職員向けDX関連のEラーニング

 ・各課向けDXツールの活用研修会

 ・副部長級による有識者との意見交換会

 ・自治体DXアワード受賞

 ➂令和4年度

 ・新人職員研修におけるデータ分析研修を設立

(3)DXに関するシステム導入

 ➀令和2年度

 ・ズームを活用したオンライン会議の導入

 ・庁内チャットの導入

 ・AI-OCRの導入

 ・AIチャットボットの導入

 ・AI議事録の導入

 ➁令和3年度

 ・AI相談パートナーの共同研究開始

 ・PC操作を自動化するRPAの導入

 ➂令和4年度

 ・Kintone無償実証開始(1年間)

(4)AI相談パートナーについて

 AIを活用して職員の相談業務をサポートするもの。

【現状】一部の職員の知識・技術、ネットワークに依存

 ・福祉相談など、ベテラン職員のノウハウやネットワークは暗黙知のままで形式化されていない。

 ・新人職員や異動間もない職員等が相談の解決策を見つけ出すには多くの時間がかかる。

 ・相談件数急増で、記録作成時間等も増大し、適切な支援を検討する時間が確保できなくなり、サービスの低下が懸念される。

【目指す姿】職員の知識等をデータベース化・AI化

 ・ベテラン職員のノウハウや過去の記録等をデータベース化し、相談に対する適切な支援策をAIが見つけ出し、新人職員や異動間もない職員等を支えている。

 ・システムが相談記録の作成支援を行うことで事務時間の削減を行う。

【共同研究の概要】

 ・「豊田市つながる社会実証推進協議会」で、豊田市をフィールドとして、(株)三菱総合研究所、(株)アイネスとの共同研究を進める。

 ・「AI相談パートナー」の共同研究を通し、システムの効果検証・業務におけるAI活用の理想像を模索し、相談業務にあたる職員支援を行う。

(5)視察時の質疑(抜粋・要約)

 経験の少ない職員がAIによる結論で市民対応することで、経験が積めなくなるのでは?⇒AI機能はあくまでサポート。

 各課から、デジタル推進員を出すとのことだが、アナログの職員もいる。誘導が難しいのでは?⇒これまでのやり方がベストと思っている職員が多いので、伴走型が必要。やる気のある職員を巻き込んで進めていく。

 保育園での出欠席に対応しているとのことだが、小中学校での出欠席はタブレットの活用は?⇒小学生では学習まではできていない。授業以外では、生徒会の選挙はタブレットで、また、親が子どもの欠席についてオフィス365を活用している。

 デジタル推進までには、業務量が増えると思うが?⇒課題である。改革後はアナログによる業務量が減るので、より市民サービスに注力できる。一時的に業務量の増となるが、将来的には減ってくる。

 自治体のDX化で、業務量を減らす目標は?⇒紙からパソコンの打ち込み、二重三重のチェック、ミスしたらマニュアルつくり、またミスも起きる。それを変える必要がある。DX化に向けた方針を出していきたい。

 全ての課の業務をDX推進課の職員が精査をすれば進むのでは?⇒オタクが業務を変える可能性がある。IT知識と現場知識を持っている職員を増やしていく必要ある。外部人材を入れて精査をしていく考えもある。

※以上、報告とします。
 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

アーカイブ