2022.3.2 本会議(3日目)~議決・代表質問

 3月2日 10:30より、藤沢市議会2月定例会(3日目)が開催され、議長の代わりに議事運営を行いました。内容の抜粋は次の通りです。

【建設経済常任委員会(2/18開催)に付託された議案】

議案第80号 市道の認定について(片瀬421号線ほか3路線)

議案第81号 市道の廃止について(片瀬91号線ほか2路線)

議案第96号 藤沢市地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について
 
※上記3議案は、全会一致で可決されました。

【厚生環境常任委員会(2/21開催)に付託された議案】

議案第100号 藤沢市国民健康保険条例の一部改正について

 国民権豊保険法施行令の一部が改正され、国民健康保険の保険料率において、未就学児に係る均等割り額を軽減することとされたことに伴い、所要の改正をするものです。

※この議案は、全会一致で可決されました。

【子ども文教常任委員会(2/22開催)に付託された議案】

議案第97号 藤沢市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について

※この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

議案第98号 藤沢市保育所条例の一部改正について
 
※この議案は、全会一致で可決されました。

【総務常任委員会(2/24開催)に付託された議案】

議案第88号 藤沢市職員の勤務時間等に関する条例の一部改正について
 
議案第89号 藤沢市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について
 
議案第90号 藤沢市非常勤職員の報酬等に関する条例及び藤沢市一般職員の給与に関する条例の一部改正について 

※上記3議案は、全会一致で可決されました。

【補正予算常任委員会(2/25開催)に付託された議案】

議案第104号 令和3年度藤沢市一般会計補正予算(第12号) 

議案第105号 令和3年度藤沢市北部第二(三地区)土地区画整理事業事業費特別会計補正予算(第1号)

議案第107号 令和3年度藤沢市国民健康保険事業費特別会計補正予算(第1号) 

議案第108号 令和3年度藤沢市介護保険事業費特別会計補正予算(第1号) 

議案第109号 令和3年度藤沢市後期高齢者医療事業費特別会計補正予算(第1号)

議案第110号 令和3年度藤沢市下水道事業費特別会計補正予算(第2号)
 
※上記6議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

議案第106号 令和3年度藤沢市墓園事業費特別会計補正予算(第3号)

議案第111号 令和3年度藤沢市民病院事業会計補正予算(第3号)

※上記2議案は、全会一致で可決されました。

議案第79号 財産の取得について(遠藤笹窪谷(谷戸)用地)

※この議案は、全会一致で可決されました。

ここから、令和4年度一般会計予算ほか12議案に対する代表質問

※なお、代表質問については、私が所属する「民主・無所属クラブ」の質疑は質問~答弁の概要を掲載し、その他の代表質問は、件名・要旨等のみ掲載することとします。なお、有賀議員の質問に対する答弁については、答弁調整をしたデータを基にしていますので、実際の答弁と若干異なる場合があります。

1番 有賀議員 【民主・無所属クラブ 質問時間110分】

1. 市政全般の諸課題について

(1)当初予算について

 予算編成において、SDG’Sの視点に基づいて20年後を見据えた持続可能なまちづくりへの転換を進める「新たなスタートの時」と位置づけて、令和4年度当初予算は「市民が安全・安心で住みやすいまちを実感できる未来投資型予算」と銘打った形で示されました。確かに予算案の一般会計の伸びは3.3%、特別会計を入れると全体で3%の伸びと、過去最大規模となっています。ここでは「未来投資型」の中身には触れませんが、収支の均衡に関連して3点質問します。

 令和4年度の予算編成にあたり、昨年8月の中期財政見通し改定時点での88億円の財源不足が、予算要求の11月時点で約58億円の財源不足であったと聞きます。そこで議案説明資料の中で、参考資料として「令和4年度一般会計当初予算における財源不足の解消について」が示されています。

★先ずは令和4年度予算編成にあたり、財源不足をどのように解消して収支均衡を図ったのか、概要を説明願います。

【財務部長】

 予算要求時点で生じた約58億円の財源不足に対し、市債等の特定財源の活用を図ることで歳入を確保するとともに、事業の先送り及び2月補正への前倒し、要求の精査による歳出縮減に取り組み、なお不足する財源については財政調整基金を活用して収支均衡を図りました。

※引き続き質問

 参考資料では歳出縮減策があげられています。その中で小中学校における各改修工事の先送りで約1億円の縮減など、事業見直し・先送りで約11億円の歳出縮減を図ったとあります。

★事業の先送りに関してはどの様な基準で選定したのか、また先送りをしたことで何らかの影響が生じた場合にはどのように対応していくのか、考えをお聞かせください。

【財務部長】

 事業の先送りにつきましては、市民や児童生徒の安全面を考慮した上で事業の優先順位付けを基準とし、限られた財源で各部局と調整したところでございます。また、議員ご懸念の不測の事態が生じた場合には、これまでと同様に、補正予算等の柔軟な予算措置により対応してまいります。

★歳入についてですが、歳入確保による財源対策のうち、市税収入とコロナ感染症拡大との関係性についてはどの様に見ているのかお聞かせください。

【財務部長】

 令和2年1月以降、様々な行動制限により、市民の生活様式だけでなく、社会活動にも大きな変化が生じております。このことから、個人、法人問わず影響が出ているものと想定されますが、これまでのところ、一部の業種を除いて、リーマンショック時ほどの申告額の減少が見込まれないことから、市税収入への新型コロナウイルス感染症の影響は限定的なものと捉えております。

★更に今回の市税収入見込みは予算要求時点に対し10.3億円の増収見込みとなっていますが、この要因についてお聞かせください。

【財務部長】

 令和4年度市税収入が予算要求時に対し、およそ10億3千万円の増収見込みとなっている要因につきましては、予算要求時以降の法人の申告実績を踏まえた上で上方修正したことによるものです。

(2)市政運営を担う職員体制を始めとした諸課題について

 保健所の執行体制について伺います。昨年1月に、「保健予防課 新型コロナウイルス感染症対策担当」を設置し、コロナ対策担当を集約しました。更に、負担軽減策として、ファーストコンタクトの簡略化、施設調査の分散化などを図っていますが、業務のひっ迫状態は続いていると聞いています。また、全庁応援体制をとっていますが、応援職員を出した職場の職員にとっての大きな負担にならないようにする必要があります。

★応援を出す職場の業務について優先順位をつけて、業務を一時的に停止、見送るなどの業務整理は出来ているのか、状況を伺います。

【総務部長】

 保健所の執行体制につきましては、本年1月に保健予防課に新型コロナウイルス感染症対策担当を設置し、4月には職員の増員を予定するなど、引き続き体制強化を図っているところでございます。また、全庁による応援体制につきましては、昨年の9月から、96人による兼務発令により、感染状況に応じた対応としており、応援元の職場においては、一定の業務縮小及び業務整理、また、管理職を含めたその他職員による業務負担の分散化などにより、特定の職員に負担が偏ることがないよう、極力配慮してまいりました。

 さらに、本年1月には、これまでの応援体制や感染拡大に伴う各種支援業務に関する全庁的な協力体制を構築する上での基準として、コロナ版業務継続計画を策定し、この考え方に沿った運用も開始したところでございます。しかしながら、現在の第6波の感染状況は、第5波を大きく上回る感染スピードと感染者数となっており、県による陽性者へのファーストコンタクトの簡素化の取組な
ど、業務負担の軽減を図ってはいるものの、保健所で対応する職員及び応援元の職場にも負担が増してきているものと捉えております。これまでも感染状況に応じた体制の見直し、強化を実施してまいりましたが、今後もより効果的な体制構築を不断に検討してまいります。

※引き続き質問

 また、保健所職員の精神的、身体的負担に対しては、労働安全衛生の観点からも、一人ひとりの状況把握と対応が必要です。2月18日に神奈川新聞にも記事が掲載されましたが、自治労が新型コロナウイルス対応にあたる保健所職員に、昨年1年間の労働実態のアンケート調査をしたところ、23%が過労死ラインに当たる月80時間以上の時間外労働を経験、また、この1年間で、うつ的症状があったと答えたのは約36%でした。

 藤沢市保健所でも時間外勤務については同様で、第5波が急速に収まった11月、12月は、80時間越えの時間外勤務はありませんでしたが、その他は毎月80時間越えの時間外勤務をしている職員がいました。ということは、先ほどのアンケート結果からうつ症状があった職員も一定数いたと推察されます。

★精神科医やカウンセラーといった専門の方から、どのような対応が必要なのか指摘をしてもらい、その対応を図るなど、職員の心身の健康を守ることに重点を置く必要があると考えますが、見解を伺います。

【総務部長】

 保健所職員の精神的、身体的負担に対する労働安全衛生についてでございますが、まず、職員の過重労働に対する相談等の状況といたしましては、毎月、疲労蓄積度調査を実施し、疲労の蓄積が認められた職員について、産業医による個別面談を行っております。

 また、新型コロナウイルス感染症対応に従事する職員については、昨年7月に健康相談を実施し、その結果を受けて、産業医から業務の調整や上司のサポート、休業や時間外勤務の削減に向けた指導を行うとともに、その後も、適宜、医務室の保健師による体調確認等のフォローをいたしました。

 職員のメンタルヘルスケアといたしましては、ストレスチェック事業を実施し、高ストレスと評価した者に対して面接指導をするとともに、所属ごとの組織分析結果をもとに、産業カウンセラーから所属長に対して職場改善に向けたアドバイスを行い、業務改善に繋げています。

 今後につきましては、メンタルヘルス研修等の充実のほか、特に新型コロナウイルス感染症対応等の業務が集中する所属の職員には、第6波の状況を踏まえ、精神科医による健康相談の実施などにより、過重労働による健康被害の軽減に努めてまいりたいと考えております。

★会計年度任用職員の欠員については以前から指摘をし、欠員の解消を求めてきました。会計年度任用職員の欠員について、保育職場における現状と新年度に向けた欠員解消の見通しを伺います。

【総務部長】

 「保育職場における現状」といたしましては、公立保育園における、保育士資格を必要とする会計年度任用職員について、園児の受入数に大きな支障は生じておりませんが、現時点において、主に短時間勤務の保育士など、40名程度の欠員が生じる見通しでございます。

 次に、「新年度に向けた欠員解消の見通し」といたしましては、民間求人サイトを活用した周知を図ることのほか、勤務時間帯や勤務地を選択制とするなど、求職者のニーズに沿った勤務条件等を設けることなどにより、前年度と比較し若干欠員数が減ってきておりますが、引き続き欠員解消に努めてまいりたいと考えております。

★また、募集しても集まらない状況であるなら、国の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」において創設された補助金を活用して、賃金の引き上げをするべきだと思いますが、見解を伺います。

【総務部長】

 近隣自治体と比較し、当該会計年度任用職員の給与面を含めた処遇については、一定の水準を確保できていること、また当該国庫補助金は時限的措置であり、一般財源の負担増につながることから、当面の間は、現状の水準を維持してまいりたいと考えております。

★保育職場の他に、保育調理職場、学校給食調理職場、病院調理職場でも、欠員が生じていると聞いています。欠員が生じる原因と対策、新年度の見通しについて伺います。

【総務部長】

 「保育調理職場や、学校給食調理職場及び、病院調理職場における欠員状況」といたしましては、それぞれ調理業務を補助する役割を担う会計年度任用職員につきまして、数名程度の欠員が生じているところでございます。「その要因と対策,新年度の見通し」といたしましては、勤務条件が画一的となっていることが主たる要因と捉えているところでございます。

 このことを踏まえまして、「今後の対策及び、見通し」といたしましては、それぞれの職場を管理運営する所管課と協議のうえ、勤務条件の一部緩和などについて検討することなどにより、引き続き欠員解消に努めてまいります。

★更に、会計年度任用職員に欠員が生じるということは、その職場で働く正規職員への負担が大きく、職場が回らない状況になります。年度当初に必要な人員が確保できないことは、あってはならないことと思いますが、どのように受け止めているのか、見解を伺います。

【総務部長】

 いかなる理由であったとしても、欠員が生じていること、またそのことを起因として正規職員へ過度な負担がかかることにつきましては、誠に遺憾な状況と認識しているところでございます。

 このことから、様々な媒体を活用した周知活動を行う、また求職者のニーズを的確に捉えた勤務条件や、近隣自治体との給与水準を比較検討するなど、引き続きあらゆる方策を取り入れることにより、1日も早い欠員解消に努めてまいります。

★サービス残業についてですが、今回、看護専門学校において、サービス残業が判明し、補正予算での対応となりました。今後は、風通しの良い職場にして、サービス残業が起きないようにしていくとのことでしたが、サービス残業により、本来必要のない遅延損害金が発生したこと、また、普通退職者が複数出たことは大変大きな問題だと思っています。重く受け止めて、対応していくべきと考えますが、見解を伺います。

【総務部長】

 時間外勤務手当未払い残業、いわゆるサービス残業につきましては、使用者責任として、決してあってはならないものであり、今回、看護専門学校教務課においてサービス残業の事案が発生してしまったこと、また、職員が退職の意思を示したことは、大変重く受け止めております。

 教務課におきましては、職場内におけるコミュニケーションを大事にし、時間外勤務命令申請のしづらい環境をなくすなど、職場風土の改善を図るとともに、昨年12月以降は、時間外勤務につきまして事前命令、事後確認の徹底を図っております。

★また、例えば各種申請を受ける窓口職場では、職員の勤務時間は8時30分からですが、8時30分から各種申請を受付けるため、そのためのシステムの立上げや準備に時間が必要となります。保育職場でもその時間がサービス残業になりやすく、同様な状況があると聞いています。サービス残業にならないような改善が必要と考えますが、見解を伺います。

【総務部長】

 業務のための準備時間についてでございますが、職場によっては、時差勤務を活用するなど対応を図っている部署もございますので、職場状況に応じて時差勤務の可否を確認してもらうとともに、事前準備を含め、業務として勤務した場合は、時間外勤務となることを周知し、今後も、引き続き適正な労務管理に努めてまいりたいと考えております。

★更に、今回、看護学校でのサービス残業が明らかになったことを踏まえて、全庁的に退勤時間と時間外手当を支給している時間について、突合(とつごう)をして確認する必要があると思いますが、見解を伺います。

【総務部長】

 時間外勤務の確認についてでございますが、これまでも職員課から適宜、所属長が所属職員の出退勤時間を確認し、前日の時間外勤務の状況と突き合わせることなど、勤務時間管理の徹底につきまして通知を発出してまいりましたので、改めて周知徹底し、適切な労務管理を行ってまいります。

(3)人権課題について

 明日3月3日で、水平社宣言の採択からちょうど100年を迎えます。情報化の進展に伴い、部落差別をはじめとする人権課題は、むしろ深刻さを増しています。

★藤沢市民の人権を守るためには抽象的な「人権一般」ではなく、具体的な個別課題についての啓発や実態把握、差別書き込みに対するモニタリングと迅速な削除要請などが必要です。こうした人権課題に、どのように取り組んで行くのか、見解を伺います。

【企画政策部長】

 本市におきましては、「人権を大切にし、“人権文化”を育むまちづくり」を基本理念とする、「藤沢市人権施策推進指針」に基づき、さまざまな人権課題について、「藤沢の課題」として認識し、各種施策に反映させるとともに、啓発事業などに取り組んでおります。

 また、インターネット上における、部落差別をはじめとする差別的情報の拡大・悪質化につきましては、重要な問題であると認識しており、市では、県によるモニタリングを通じた状況の把握、横浜地方法務局への相談・削除依頼などの対応を図っているところでございます。

 令和4年度におきましては、こうした新たな人権課題に対応するため、「藤沢市人権施策推進指針」の改定を行うこととしており、改定に際しましては、市民の人権意識やニーズ、実態を的確に把握するためのアンケート調査を実施する予定でございます。
 引き続き、「共生社会の実現をめざす誰一人取り残さないまち インクルーシブ藤沢」の実現に向け、市民一人ひとりの人権が尊重されるよう、取組を推進してまいります。

※引き続き質問

 ジェンダー平等についてです。先ほども少し触れましたが、SDGsの17の目標の中で日本が先進国に対して後れを取っているのはジェンダー平等ともう一つは環境問題です。これは日本の社会基盤の不安定さを表しているのではないでしょうか。社会学者の上野千鶴子氏の研究では、女性が正規雇用である場合と、非正規雇用の場合とでは、正規雇用者のほうが出産する割合は多いという結果が報告されています。それだけ、安定した生活の見通しへの安心感が重要だと言えます。 また、家事育児介護などを分担し、ワークライフバランスを推進し、支え合う家庭環境も必要です。 真の女性活躍を目指すことは、多様性を持った柔軟な発想を生むことにつながり、社会経済の好循環につながるものと考えます。

★以上を鑑みたうえで、ジェンダー平等に対する本市の見解をお聞かせください。

【企画政策部長】

 SDGs(持続可能な開発目標)における17のゴールの一つに「ジェンダー平等の実現」が掲げられ、すべての女性及び女児のエンパワーメントを達成することをめざすとされております。本市におきましては、こうした点を踏まえ、令和2年度に、「共に生き、共に創ろう、未来につなぐ、ジェンダー平等のまち“ふじさわ”」を基本理念とする「ふじさわジェンダー平等プラン2030~藤沢市男女共同参画計画~」を策定しております。

 6つの重点目標として、「あらゆる分野でのジェンダー平等の促進」や「ワーク・ライフ・バランスの推進」などを掲げ、多様な視点や価値観に基づく社会づくりに向けて、家庭、地域、職場など、さまざまな分野での女性の参画を促進するとともに、働きたい誰もが、その個性と能力を十分に発揮できるよう、固定的性別役割分担意識の解消をはじめ、各種施策を通じた取組を推進してまいります。

(4)ケアシステムについて

★これからの藤沢型地域包括ケアシステムの推進にあたっては従来の「家族介護者支援」ではなく、家族介護者が介護によって自分らしい人生を奪われることのないような「ケアラー支援」の視点が重要だと思います。あらためてこの点についての考え方をお聞かせください。

【福祉部長】

 市では、過度なケアが負担となり、進学をあきらめたり、離職に追い込まれたりすることがないよう介護者の方へも光を当て、その人らしい生活や働き方に向けた「ケアラー支援」の視点が重要だと認識しております。
 今年度もヤングケアラーやダブルケアラー、介護離職などをテーマとする様々な対象者に向けたケアラー関連の普及啓発を続けており、引き続きこの課題に取り組んでまいりたいと考えております。

 「ケアラー支援」につきましては、様々な分野にわたる課題を包含していることから、地域共生社会の実現に向けた重層的支援体制の中で、支援関係機関や関係部局とも連携し、課題を共有しながら、取組を充実させてまいります。

★「ケアラー支援」のひとつの課題として、「ヤングケアラー」に対する支援も重要な課題です。これには福祉・医療・教育など多部門の連携による取り組みが必要ですが、ヤングケアラー支援の多部門連携体制はどのように構築して行なわれるか、本市の考え方をお聞かせください。

【福祉部長】

 本市ではこれまでに、日本ケアラー連盟が実施する調査研究への協力や、様々な分野の支援者に向けた研修会へ当事者を招き、ヤングケアラーが置かれる現状を認識する機会を持つなど、現状把握と啓発を行ってまいりました。

 また、ヤングケアラーへの支援につきましては、ケアを担う若者だけの問題ではなく、その家族などにも支援が必要であるとともに、ご意見や心情に寄り添ったうえで、本人が求める支援を検討する必要がございます。そのためには、福祉関係機関や医療機関、教育機関などが、連携・協働して対応することが重要であることから、社会的孤立をテーマとする検討会議の中で、ヤングケアラー支援に関し、意見交換を行っているところでございます。

 このことからも、これまで以上に福祉・医療・教育をはじめとする庁内関係部局や関係機関が、実態の把握や適切な支援が可能となるよう、横断的な連携に努めてまいります。

※引き続き質問

 次に予算の主な施策の中のひとつの子育て支援の充実では、子どもたちの成長を切れ目なくサポートし安心して産み育てられる環境をつくるとあり、産後ケア事業の充実があげられています。産後ケア事業について、産後ケアとは、育児の不安が最も大きい、産後間もない母子への心身のケアであり、また産後うつや子ども虐待予防など社会的課題も捉えた重要な事業です。こうした事業の主旨からすれば、母子の健康とその家族が健やかな育児ができるよう、産後ケアを必要とする人が利用しやすい体制づくりが欠かせません。それにはサービス提供体制の整備に加え、利用料金に対する自己負担額の軽減も必要ではないかと考えています。

★例えば、神奈川県下においては利用料金に対する自己負担額を1割負担とする自治体もあります。本市においても利用者の意見も踏まえながら、自己負担額の軽減に取り組む必要があると考えますが、本市の考えをお聞かせください。

【健康医療部長】

 本市では令和3年度から育児不安への相談・指導を中心とした3時間のデイサービスを開始し、モデル的に実施してまいりました。令和4年度に向けては、サービス提供体制のさらなる充実を図るため、実施施設を増加すると共に、サービス内容を見直し、新たにショートステイを開始するほか、デイサービスについては休息も含む3時間と6時間の2つのコースを準備しております。

 利用料につきましては、国がモデルとして示している負担割合でもある3割を自己負担していただいております。
 今後につきましては、サービス内容の充実を図る中、利用者や施設などの意見も参考に、研究を進めてまいりたいと考えております。

(5)地球温暖化対策について

★本市では昨年2月に気候非常事態宣言を行い2030年における温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減目標を掲げ、地球温暖化対策の事業等による再生可能エネルギーの導入を推進するなど、緩和策を講じるとありますが、どのような対応をするのかお聞かせ下さい。

【環境部長】

 2050年脱炭素社会の実現に向けては、再生可能エネルギーの最大限の導入や省エネルギー対策など、温室効果ガス排出量の削減に向けた取組を強く推進することが求められています。

 本市の気候条件や自然環境に適した再生可能エネルギーは太陽光発電システムであるため、既存の補助事業を継続し、PPA事業や脱炭素に向けた取組を重点的に実施する地域の設定を検討するとともに、事業者向け太陽光発電システムの補助制度を創設してまいります。

 また、クールチョイスをはじめ、環境イベントやエコライフハンドブックなど、市民、事業者の脱炭素に向けた省エネ行動を促す啓発事業に努め、「藤沢市地球温暖化対策実行計画」に示す、緩和策としての様々な環境施策を実施してまいります。

※引き続き質問

 政府が打ち出した2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現するという目標達成はもとより、自動車の未来の大変革を示すCASEや移動サービスの最適化を目指すMaaSなどの潮流の中で、日本が世界をリードし発展を続けるためには標準化・技術開発でグローバル競争を勝ち抜く必要があります。

★今後加速が予想される、電動車普及に向けた諸施策と電動化を進める上で最も時間を要し継続的な対応が求められるインフラ整備の充実について本市の考え方をお聞かせください。

【環境部長】

 電動車普及に向けた諸施策とインフラ整備の充実の考え方についてですが、新たな計画では、基本方針の1つに「環境にやさしい都市システムの構築」を掲げ、環境に優しい移動手段の促進に向けて、公共交通機関の利用や自転車などの利用を促すモビリティマネジメントの推進、電気自動車などの次世代自動車の導入促進に向けた取組を設けております。

 次世代自動車の普及にあたっては、本市も一事業者として、ごみ収集車両など率先して環境負荷が小さい車両の導入に努めてまいります。

 また、引き続き市域の充電スタンドや水素ステーションの設置を行う企業のさらなる財政支援を国に要望するとともに、補助制度の拡大・充実に向け、検討してまいります。

★「藤沢市地球温暖化対策実行計画」の見直しを1年前倒しで行ったことは、藤沢市の積極的な姿勢と認識しますが、一方で温室効果ガス排出量の算定方法等の課題の指摘もあります。せっかくの前倒しなので、より精度を上げるため、細部についてアップデートしていく考えがあるのかお聞かせください。

【環境部長】

 温室効果ガス排出量の算定方法等の課題についてですが、市域の温室効果ガス排出量の算定については、国のマニュアルに基づいて、全国もしくは都道府県別の統計データにより按分し、算定しています。統計データがあるものについては可能な限り業種別に算定し、本市の実態に合った算定をしていますが、より明確な根拠資料が得られた場合には適切に推計手法を更新してまいります。また、これに限らず、国内外の社会情勢の著しい変化などに合わせて、目標や取組などの見直しを行ってまいります。

★自動車のEV化に伴い、産業構造の転換が求められている自動車関連の製造者に対して、専門家などと連携して戦略や計画の策定を伴走型で支援することも必要だと考えますが、考えをお聞かせ下さい。

【環境部長】

 自動車関連の製造者に対する支援につきましては、国が令和4年度から、電気自動車への移行に伴い不要になる部品の製造事業者が、電気自動車などの部品製造への事業転換をサポートするため、専門家の派遣事業を開始する予定でございます。
 本市といたしましては、国の動向とともに、本市の基幹産業である自動車関連事業者への影響などについて注視してまいりたいと考えております。

(6)経済対策について

★施政方針ではコロナ禍における経済対策について、とりわけ規制により打撃を受けている業種に対する経済支援については記載がありませんでした。次年度において、経済の早期回復、地域における消費喚起をどのように進めて行かれるのかお聞かせください。

【経済部長】

 新型コロナウイルス感染拡大の影響は、様々な業種に及んでおりますが、中でも飲食業をはじめ特定の業種がまん延防止等重点措置や緊急事態措置により、深刻な打撃を受けている状況となっております。そのため、休業や時短営業に協力した飲食店等には神奈川県から協力金が給付されているほか、国においては、昨年11月以降、協力金の交付を受けてもなお売上が一定程度以上減少した飲食店も対象とした、事業復活支援金が創設されたところでございます。

 本市といたしましては、売上が減少したにもかかわらず、国・県の支援の対象外となった市内事業者に対し、2度にわたって事業継続支援金事業を実施してきましたが、その第2弾においては、特に影響を受けた飲食・観光・交通の各事業者に対する上乗せ加算を行ったところでございます。
 また、市内での消費拡大を目的に今年度実施した商品券事業においては飲食店専用券を設定することにより、飲食店に対する支援を行ってまいりました。

 今後につきましても、感染症の状況や国、県の支援策の動向に注視しつつ、それらの支援が行き届かない事業者や、特に影響を受けた業種への適時、適切な支援策や効果的な消費喚起策を、経済団体とも協働して現場の声の把握に努め、対策を講じてまいりたいと考えております。

(7)都市の基盤について

 発展する持続可能な都市基盤について、昨年12月に村岡新駅周辺地区まちづくりのパンフレットが発行され、藤沢市にどのような効果があるかという視点から、藤沢駅周辺にもあらたな活力を与えるきっかけになるとの説明がされています。市全体としては継続的な財源確保が期待され、市民サービスの充実につながるとまとめられています。西側では辻堂駅周辺が一定のステータスを得て藤沢市のひとつの顔となっている中、東の村岡新駅周辺のまちづくりの方向によっては藤沢駅周辺の相対的な地盤沈下につながってしまうことが懸念されます。

★そこで藤沢駅周辺の再整備、391街区市街地再開発事業、藤沢市民会館再整備においては、藤沢駅周辺の活性化に資する一体的な再整備と捉えることが重要と考えます。そのためには各課連携のもと、情報共有体制を確立した上で進めていくことが必要と考えますが、見解をお聞かせください。

【都市整備部長】

 議員ご指摘のとおり、藤沢駅周辺地区の再整備と藤沢市民会館再整備における、各課連携による情報共有は大変重要なことと認識しております。藤沢駅周辺地区再整備事業につきましては、情報共有や関係各課との連携を強化するため、平成26年度に「藤
沢駅周辺都心部再活性化庁内連携会議」を設置し、関係各課との情報共有や意見交換等に努めてまいりました。

 また、令和3年度には、商業施策や容積緩和の枠組みの活用など、多様な分野の計画との連携を図るため、「藤沢駅前街区まちづくりガイドライン庁内検討会議」を設置し、事業の進捗を図ってまいりました。今後も、より一層、有機的に連携できるよう取り組んでまいります。

★特に市民会館についてはそのエリアのみならず藤沢駅周辺との回遊性を考えることにより、広いエリアの活性化につながるものと考えますが見解をお聞かせください。

【企画政策部長】

 市民会館等再整備については、生活・文化拠点のエリアを一体的に整備することから、地域の活性化につながるまちづくりの視点は重要なものと考えております。こうしたことから、来年度から市民会館等再整備事業を生活・文化拠点再整備事業として取り組み、事業のマスタープランの策定において、エリアを俯瞰的に捉える中で、回遊性の確保や藤沢エリアにおける多彩な施設の存
在価値が高まるよう、藤沢駅から生活・文化拠点に至る区域の活性化へ繋がる事業として推進してまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 デジタル社会の推進はこれからの都市基盤として大きな課題であり、誰もが心豊かに暮らせる社会の共創に向けたプラットフォームです。今定例会にDX推進計画及びスマートシティー推進計画の案が提示され、来年度から実際の事業が始まるわけですが、先ずはセキュリテー対策含めた通信環境の確保が求められます。

★現在その確保に向かってどのような構想を持っているのか、現状課題も含めてお聞かせください。

【企画政策部長】

 現在、本市におきましては、災害に起因する通信輻輳時の通信手段を確保することを目的として、ふじさわシティ Wi-Fi を整備しており、平時には市民が無料で利用できる Wi-Fi サービスとして提供しているところでございます。

 現状の課題といたしましては、市がサーバ等の機器を直接、管理運用しているため費用がかかることや、平時利用において、地域団体が市民センター等でオンライン会議を実施する際に充分に行える環境が整備されていないなどの点が挙げられます。

 こうしたことから、専用の周波数を使用することで、災害時等において通信が輻輳した状況でも、通信障害を起こしにくい新たな Wi-Fi サービスとして、地域 BWA システムを導入していきたいと考えております

 この地域 BWA を整備する事業者は、無線局免許の申請時に、地域の公共の福祉の増進に寄与するサービスを計画する必要があることから、事業者と市が連携することで、新たな公共サービスの創出が期待できます。

 また、本市のスマートシティを進める上でも,有効な通信インフラとして活用することが期待できることから、ふじさわシティ Wi-Fi の機器更新スケジュール等を踏まえ、できる限り早期の導入をめざし、本市の情報通信環境のさらなる充実に向けて取り組んでまいります。

(8)公立小・中学校におけるコロナ対応について

 第6波の感染拡大の特徴として児童・生徒の感染割合の高さがあり、藤沢市立学校の学級閉鎖・学年閉鎖や児童クラブの臨時休所、保育所の臨時休園等の情報も議会に頻繁に伝えられ、2月のウィークデーが18日ある中でその情報メールが入ってこなかったのはたった1日だけという、ことの重大性が伝わるものでした。

★これらの状況を受けて、藤沢市立学校では「陽性者判明」に対しどのような対応を取っているかお聞かせください。

【教育部長】

 新型コロナウイルス感染症の第6波となる感染拡大については、オミクロン株への置き換わりに伴い10代以下の感染者数が増加していることが、大きな特徴となっておりますが、このことに伴い、文部科学省から2月2日付でオミクロン株に対応した学校における留意事項について示されました。

 また、神奈川県教育委員会から2月7日付で「オミクロン株の感染拡大に伴う市町村立学校における臨時休業等の当面の対応について」が発出され、これを受け、本市においても「新型コロナウイルス感染症に関する対応の変更について」を学校及び保護者へ通知するとともに、あわせて、学級閉鎖の考え方や基準を示しました。

 第6波においては、市内小中学校でも、感染者だけでなく、同居家族の濃厚接触者などが急激に増加したことから、学校での感染予防対策等を強化徹底し、オミクロン株の感染拡大下における児童生徒等の安全安心の確保と学びの保障に、引き続き努めているところでございます。

★また感染拡大に強い不安を持つ保護者の方もおられるでしょうし、高齢者或いは基礎疾患のある家族との同居等、それ
ぞれの家庭で異なる事情に対しての配慮の考え方をお聞かせください。

【教育部長】

 感染の不安を抱えるご家庭に対しては、従前より保護者から申し出があった場合に、欠席扱いとしないことや家庭での学習の取り扱いについて相談し、学びの保障に努めております。加えて、特に高齢者や基礎疾患のある方が同居されているご家庭においては、第6波の感染の広がりを心配されていることから、個人情報に配慮したうえで、自校の感染状況について、保護者専用ホームページでお知らせすることといたしました。

★次に休校や学年・学級閉鎖が拡大することにより、それぞれの環境により学びの格差が拡大することが懸念されますが、学びの格差防止をどのように行って行くのか、その考え方をお聞かせください。

【岩本教育長】

 昨年度の一斉休校明け以降、教育委員会ではコロナ禍であっても、学びを止めないといった考え方のもと、学校行事も含めた学校教育ならではの学びを大事にしながら、教育活動を進めてまいりました。第6波における感染の広がりにおいては、現在も一部
の子どもたちが家庭で待機せざるを得ない状況が続いております。

 このような中でも、学校間や学級間での学びに格差を生じさせないことは、教育委員会としての責務ととらえ、これまで、どの学校においてもオンライン学習に取り組めるよう、ハード面とソフト面での環境整備を進めるとともに、教職員の負担軽減のための人的支援を図ることで、子どもたちの学習保障に努めてまいりました。

 一方コロナ禍においては、各家庭の教育的ニーズが多岐にわたることから、すべてにきめ細かな指導を行うことは現状において、難しい状況がございます。新型コロナウイルス感染症については、予測できない不透明な状況が今しばらくは続くことが考えられるため、これまでの既成概念にとらわれず、新しい視点をもって教職員一人ひとりが、目の前の子どもたちの状況や求め
られるニーズを見極め、主体的に教育活動のあり方を考える必要がございます。

 教育委員会といたしましては、すべての学校において、子どもたちが安心して学びに向かい、生きる力を育むための教育活動を引き続き進めてまいります。

(9)家庭裁判所出張所の設置について

 藤沢市議会は平成27年3月に藤沢簡易裁判所への家庭裁判所出張所併設を求める意見書を国と最高裁判所に提出し、昨年10月にも再度同様な意見書を提出しました。藤沢簡易裁判所の管轄の藤沢市を含む5市1町の人口は118万人を超え、横須賀支部、相模原支部の各管内人口よりも多くなっていて、それに伴って家事事件の数も人口比に拠ると考えられます。

 また市内に神奈川県の中央児童相談所があり、児童の一次保護の司法審査の強化を求める社会の動きも強まっており、藤沢市内の家庭裁判所出張所設置は社会インフラ整備として捉えることができると考えます。昨年12月には、藤沢市民会館で第14回弁護士会支部サミットが開催され、私もオンライン参加しました。

 鈴木市長はそのご挨拶の中で、議会が国等に提出した意見書も引用され、5市1町の首長との関係と藤沢市の立ち位置について自らの言葉で触れられていました。過去の家庭裁判所関係の設置事例を紐解きますと、設置市の首長が必要性を表明し、管轄自治体間で連携して国に要望するという形で推進して来た様子が読み取れます。

★藤沢簡易裁判所への家庭裁判所出張所併設に向けて、藤沢市として管轄自治体間の連携について、どのように考えているのかお聞かせください。

【鈴木市長】

 本市においては、市民が不安なく安心して暮らすことができるよう福祉、子育て、教育、労働その他様々な相談窓口を設置し、また相談内容に応じては庁外の機関とも連携できる体制を整えているところであります。しかし、本市への相談には、相続や離婚などの藤沢簡易裁判所で取り扱わない家事事件も多くあり、流入人口の増化や高齢化と相まって、今後、家事事件は増加傾向にな
るものと想定しております。

 こうした社会情勢を捉え、市民が長期に渡り負担や不安を抱えた生活を余儀なくされることがなく、また、距離的、時間的な要因で司法を均一に受ける権利に格差が生じることがないよう、家庭裁判所出張所の併設を求めるところでございます。

 今後につきましては、地域住民の更なる安全・安心な暮らしの確保に寄与することができるよう、関係する近隣自治体や県市長会、国に併設を求める意見書を提出された市議会の皆様とも協力させていただきながら、スピード感を持って、積極的に家庭裁判所出張所の設置を要望してまいります

2. 安全で安心な暮らしについて

(1)ドローンの活用について

★施政方針ではあらゆる災害から安全で安心な暮らしを確保するため、ドローン等を活用した映像伝送システムを導入し、情報収集力をさらに強化することで効果的な消防体制の構築を図るとありますが、現在の本市の災害対策におけるドローンの活用状況についてお聞かせください。

【防災安全部長】

 災害対策におけるドローンの活用状況でございますが、本市では、令和元年5月に、災害時等における情報収集活動の充実・強化を図ることを目的に、一般社団法人藤沢市建設業協会と「災害時における無人航空機を活用した支援活動に関する協定」を締結しております。実際の災害時におきましては、この協定に基づく活動実績はございませんが、防災訓練では、令和元年度以降の水防
訓練や総合防災訓練、並びに自然災害対応連携訓練で、災害現場を想定した情報収集に、当該協定に基づくドローンを活用しております。

 また、本年1月には、八部公園野球場にて実施いたしました震災対応連携訓練におきまして、建設業協会が運用する新型のドローンを導入し、赤外線カメラによる被災現場の情報収集に加え、機体に積載したスピーカーから要救助者へ呼び掛けを行うなど、実
災害における活動イメージを想定した新しい試みの実践を図っております。

★また、最近の新聞等の報道の中で、他市町で民間事業者等との協定により、災害対策として最新の大型ドローン等を導入している事例を多く見かけます。ドローンによる被災状況の確認や、3Dマップ作製により災害復旧に資するなど、これからの活用方法に対し本市においても官民連携の協定等含め新たな取り組みもあると思いますが、その方向性や考えをお聞かせください。

【防災安全部長】

 ドローンに関する災害対策における新たな取組でございますが、現在、建設業協会と締結しております協定の内容には、ドローンによる被災状況の調査及び情報収集、ドローンにより撮影した映像・画像の提供、取得した情報を基にした地図作成の支援なども含まれておりますので、今後も継続的に連携訓練等を実施し、同協会との協力体制を確立してまいります。

 一方で、報道記事にもございますように、最新のドローンにつきましては、情報収集や救助活動への支援だけではなく、大型機による物資搬送をはじめ、災害の予見や対処等を目的としたデータ収集とその分析や、3Dマップの作成など、近年の急速な
技術革新により高性能・多機能化されたものが開発されております。

 このことから、引き続き、他市等における協定締結など先進事例の検証をはじめ、民間事業者や市内大学等研究機関との産学官連携による取組等も注視しながら、事前の備えから復興対策まで、幅広い分野における最先端のドローン活用の在り方につきまして、消防局など庁内関係部局と連携して研究を進めてまいります。

(2)災害対策の充実に関連して

 東日本大震災を教訓に制定された「津波防災地域づくり法」に基づき、都道府県が避難体制を整備すべき地域として指定する「津波災害警戒区域」、いわゆるイエローゾーンが、県内では沿岸部15市町の内6市町が指定に同意しています。6市町の内訳ですが、平塚市以外の西湘地区の5市町、それ以外では藤沢市のみと、近隣他市に先駆けて積極的な取り組み姿勢を示しているものと理解しています。但し指定受け入れについては現実的な課題があるとともに、指定後には市としての対応が求められます。

★その課題と指定後の対応について、今後の津波避難対策の進め方も含めてお聞かせください。

【防災安全部長】

 津波災害警戒区域につきましては、神奈川県から、令和3年3月に、本市の片瀬・鵠沼・辻堂地区の沿岸部約4.7平方キロメートルの区域が指定されたところでございます。この区域内には、約2万8千世帯、住民約6万5千人、約50の自治会・町内会をはじめ、100か所を超える要配慮者利用施設が所在しており、これら多数の住民や事業者等を対象とした津波避難場所等の確保、津波情報の伝達手段の確立、避難方法や避難経路の周知等が課題であると認識しております。

 本市におきましては、今回の指定に伴い、これまでに、波ハザードマップの改定や、新たな津波ハザードマップを収録した小冊子版ふじさわ防災ナビの全戸配布、更には、区域内3地区における住民説明会を実施するなど、津波災害のリスク等の周知・啓発に努めているところでございます。

 また、今後につきましては、海岸や河川沿いに設置しております津波避難に関する標識看板の内容更新や、地域住民との協働による自治会・町内会ごとの津波避難マップの見直し、津波避難ビル協定の拡充、加えまして、津波避難が著しく困難な地区における新たな津波避難施設の設置など、引き続き、津波避難対策の強化を図ってまいります。

(3)地域医療の充実について

 新型コロナワクチン接種については医師会等関係団体との連携が市民の安心感や信頼感につながっていると捉えています。市が健康寿命の延伸という大きな課題に取り組む中、検診情報の活用や一次救急体制確保、安定的な看護師の確保など藤沢市医師会とのコミュニケーションの中で様々な課題が出ていると認識しています。

★それらの課題の対応について市の見解をお聞かせください。

【健康医療部長】

 藤沢市医師会は、日頃から、市民の健康を守るために健康診査事業や、予防接種事業、在宅医療支援センターの運営など本市事業に幅広くご協力をいただいています。また、現在のコロナ禍においては、ワクチン接種事業を始め、夜間発熱外来、PCR検査センターの運用などについても多大なるご協力をいただいています。

 本市と藤沢市医師会においては、これまでも定期的に意見交換の場を設けるなどして、双方の抱える課題などについて解決を図りながら、各種取り組みを進めてまいりました。今後においても、継続的に意見交換の場を持ちながら、本市の医療をより充実させるために、緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。

3. 健康で豊かな長寿社会について

(1)介護人材の確保等について

 いわゆる2025年が目前に迫り、介護現場における人材不足がより一層深刻になると考えられます。人材不足を補う方法として注目を集めている、ロボットや ICTの活用している事業者はまだ限定的という状況です。

★今後市として大規模事業者や中小規模事業者、それぞれに対してどのような人材確保等の取り組みを行って行くのかお聞かせください。

【福祉部長】

 超高齢社会の進展により、生産年齢人口の減少に伴う働き手の確保が一層難しくなることが想定されており、介護業界につきましては、既に、有効求人倍率が、全産業平均の約3.5倍という高い数値となっており、大変厳しい状況が続いております。

 こうした中、本市におきましては、プロジェクトを立ち上げ、介護現場へのロボット等の普及や生産性向上の促進を目的として、先進的施設の視察や、開発メーカーと介護事業者との意見交換等を重ねております。このような取組により、介護現場におけるロボット・ICTの導入等は少しずつ広がってきておりますが、事業者の理解、職員の意識及び習熟度の不足などから、十分な
活用にまでは至っていない現状にあると認識しております。

 そのため、事業者の理解等を深めていく一歩といたしまして、専門的なコンサルティング事業者とともに、大規模施設である特別養護老人ホーム等の事業者に協力をいただきながら、効果的なロボット・ICTの活用について、業務分析を含め、可視化する実証事業を実施してまいります。

 また、この事業は、特に、中小規模の事業者が運営する認知症のグループホームなどの宿泊を伴うサービスにも、有効であると捉えており、検証結果等について事業者と情報共有を図りながら、ICTの活用等による職員の働きやすい職場環境づくりに向けた支援に努め、人材の確保、定着につなげてまいります

(2)健康寿命日本一に向けた健康増進・介護予防等の促進

 フレイルの予防として高齢者はり・きゅう・マッサージ利用助成事業やふれあい入浴事業での外出機会の確保ありますが、これらについては一部の高齢者の特定事業となっているとの指摘があります。高齢者の外出機会を確保するのであれば、外出の経済的負担の軽減を考えることが重要です。特に高齢者の免許返納が進めば経済負担が重くなり、それに伴って外出機会が減る傾向になることを懸念しています。

★そこでバス助成事業などの検討するなど、先ずは高齢者のニーズを把握したうえで外出機会確保の補助事業を考えて行くことが必要だと考えますが、見解をお聞きします。

【福祉部長】

 高齢者の外出機会を確保することは、日々の健康を維持するためにも、また介護・フレイル予防につながることからも、重要な施策であると考えており、外出する機会を増やし、人と交流することの大切さについて、様々な機会をとらえて、普及啓発に力を入れているところでございます。

 外出に伴う経済的な負担軽減についてでございますが、バス等助成制度の創設は、ICカードの適正な利用など、多くの課題があることから導入することは難しいものと考えております。

 こうした中、本市においては、高齢者の外出支援策といたしまして、老人福祉センターを利用する方のために「湘南すまいるバス」を運行しており、利用を促進するため、乗降場所などについては、可能な限り利用者のご意見を伺いながら設定しております。

 一方、今後の外出支援策として、交通手段の利用検討にとどまらず、自宅近くでの活動など、外出しやすい環境について、広くニーズを把握し、検討していく必要性を認識しております。ニーズの把握につきましては、令和4年度に藤沢市高齢者保健福祉計画の次期計画策定に向けてのアンケート調査を実施する予定でございますので、その中で現在の施策の評価を行うとともに、コロナ禍における外出の状況やニーズなどを分析し、今後の効果的な外出支援にいて協議、検討を継続してまいりたいと考えております。

4. 笑顔と元気あふれる子どもたちについて

(1)小児医療費の助成について

 施政方針では令和5年4月からの中学生分所得制限撤廃に向けた準備を進めるとのことですが、当然ながら医療費はタダではありません。こうした所得制限の撤廃が結果的に「保険料の引き上げ」や「増税」というかたちで家計の負担が増えることになる懸念があります。また、昨今の医療現場の逼迫状況や、増加し続けている市の負担、国保料の負担状況を鑑みますと、年齢に準じての一律無料診療ではなく、例えば百円でもいいので受診者が負担することによって過度の医療費を抑えるという方向を取るべきと考えます。

★あらためて所得制限を撤廃する理由についてご説明をお願いします。

【子ども青少年部長】

 小児医療費助成制度は、未来を担う子どもたちの健やかな成長を支援することにより、福祉の増進を図ることを目的とし、安心して子育てができる環境づくりに寄与する重要な施策として、本市が独自の基準を設けて実施しているところでございます。

 このたび、国の子育て支援制度として実施している児童手当制度においては、令和4年6月分から所得が一定の額以上の方は特例給付の支給対象外となることから、子育て支援を受けることのできない子育て世帯が一定数生じることとなります。

 そこで、本市が実施する小児医療費助成制度につきましては、令和5年度から中学生に設けている所得制限を撤廃し、保護者の所得に関係なく、すべての子どもの医療費を等しく助成してまいりたいと考えております。

 今後、少子超高齢化の進展による人口構造の変化の波が押し寄せる中、2040年に向けた持続可能な行政運営を見据え、子育て世代の若い力により、さらに、活気あふれる「まち」をめざしてまいります。

5. 都市の機能と活力について

(1)農業について

★国の「みどりの食料システム戦略」で示した、有機農業の取組み面積を 25%にするためには、本市は 今の11倍に増やさなければなりません。大きな目標に対しての進捗がはっきりしない中、種から流通・消費・教育・研修・研究まで一貫した取り組みが必要と考えますが、見解をお聞きします。

【経済部長】

 本市におきましては、国が示す「みどりの食料システム戦略」に基づき、第2次藤沢市都市農業振興基本計画において、有機農業の取組面積を令和2年度末現在の19.7ヘクタールから計画の最終年度となる令和8年度には、現在の約2.8倍の54.2ヘクタールを目標として設定しているところでございます。

 この目標の達成に向けましては、担い手の育成や消費者の理解促進が重要と考えております。このため本市では有機農業を希望する方も多い新規就農者を農地の斡旋を含めて積極的に受け入れるとともに、来年度から新たに、農業技術習得のための研修支援を実施することで、担い手の育成に努めてまいりたいと考えております。

 また、消費者への理解促進といたしましては、イベント等における有機農産物の販売に加え、有機農業を対象とした講座等の充実を図るとともに、学校給食におきましても、モデル校での藤沢産有機農産物の供給について検討してまいります。今後ともこのような取組を継続し、藤沢産有機農産物の安定的な供給体制の構築と消費拡大を図り,本市の有機農業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 1992年に市街地の緑地の急速な宅地化を防ぐために生産緑地制度が制定され、30年間は農地や緑地として維持することが義務付けられる代わりに、税金面などで大幅な優遇を受けられるようになりました。

★2022年にその多くが30年を経過し、買い取り申し出が可能となる期日を10年延長する特定生産緑地への移行が始まる中、市としては都市農業を守る立場として、何らかのインセンティブを持って農地や緑地を守る対応をしているのか、現状をお聞かせ願います。

【経済部長】

 国におきましては、特定生産緑地についても、引き続き、相続税の納税猶予や固定資産税の減税措置を行うこととしており、本市では今年30年目を迎える生産緑地面積の約8割が、すでに特定生産緑地に指定済みとなっております。

 また、平成30年に制定された「都市農地の貸借の円滑化に関する法律」により、自ら営農することが困難となり、生産緑地及び特定生産緑地を第三者に貸した場合も、生産緑地の指定解除とはならず、相続税や固定資産税の税制優遇を受けられることになっております。

 このため、本市といたしましては、さがみ農業協同組合や農業委員会などの関係機関と連携し、特定生産緑地の制度の周知を行うとともに、市街地にある特定生産緑地を含めた都市農地を保全することにより、市内全域で営まれる都市農業の振興を図ってまいります。

(2)スケートパークの整備に関連して

 今定例会でスポーツ推進計画の策定が示され、その中のスポーツ活動の充実施策があり、スポーツ環境の整備・充実への取り組みがあります。昨年10月にはスポーツ都市宣言を制定して、本市は増々スポーツの盛んなまちとして、そのプレゼンスはシティープロモーションにも直結していくものと理解していますが、各種スポーツ団体の練習場所の不足の声は大きいものがあります。スポーツ都市であるならば、抜本的な改善が求められると考えます。

 その中で東京オリンピックでの好成績を機に注目を集めているスケートボードやBMXなどのいわゆるアーバンスポーツですが、鵠沼海浜公園の改修計画が進み出し、まちの活性化にもつながることが期待がされています。来年度は鵠沼海浜公園の工事に伴う形で秋葉台公園におけるスケートパーク機能の広場整備が上がっています。

 西北部におけるスケートボード愛好者の受け皿となりえる施設としては初の整備となり期待する一方で、まだまだスケートボード愛好者のプイレイグランドが少ない状況があります。

★一部のエキスパートだけでなく多くの人が遊べてすそ野を広げられるよう、公園で普通にスケートボードができる環境の構築など、今後のさらなるプレイグランド確保の必要性を認識していますが、市の考えをお聞かせください。

【都市整備部長】

 スケートボードやBMXをはじめとしたアーバンスポーツについては、「東京2020オリンピック競技大会」を契機に盛り上がりを見せ、競技者や愛好者の受け皿となる施設のニーズが高まっていると認識しております。

 このため、本市では現在、Park-PFI制度を活用し、鵠沼海浜公園の改修事業を推進しており、事業者と連携を図るなかで、令和5年秋頃のオープンを目指し、スケートパークをはじめとした公園施設の全面改修を行ってまいります。
 また、令和4年度には、秋葉台公園内にスケートボード広場の整備を予定しており、北部地域の愛好者を中心に受け皿となることを期待しております。

 一方で、公園でのスケートボードの利用は、騒音や施設の破損、他の利用者への危険性、愛好者のマナーなど、課題が多い状況にあります。このため、プレイグラウンドの確保については、これらの課題や鵠沼海浜公園、秋葉台公園の利用状況等を踏まえ、関係部門や関係団体と連携を図るなかで適地となり得る公園の選定などを検討してまいりたいと考えております。

★競技としてのスケートボードやBMXを考えた場合、オリンピック等で成果を上げている裏には雨の日でも練習できる屋内型の練習場の整備があります。近隣自治体でも整備が進んでいる状況がありますが、市の認識をお聞かせください。

【生涯学習部長】

 公設・公営の屋内型練習場につきましては、全国的に見ても事例はなく、自治体が参画した取組として岡山県岡山市が市有地を提供してBMXの全日本選手権を誘致した事例を確認しております。
 一方、民設・民営の施設につきましては、全国的にも多くあり、近隣では、寒川町において「THE PARKSAMUKAWA」が令和2年にオープンし、行政は教室やPRなどソフト面で支援していることなどを把握しております。

 今後につきましては、国や県、他自治体の動向を注視するとともに、新たなスポーツ推進計画の中で「多様化するスポーツ活動の推進」に関する取組において、競技者や愛好者、藤沢市体育協会などの活動状況を把握しながら、情報収集と研究に努めてまいります。

(3)西北部のまちづくりに関して

★新産業の森の開発計画は綾瀬スマートICにも近く、企業誘致は今後の藤沢市の発展のための大きな財源確保につながります。迅速なる事業展開が必要だと考えますが、現状についてお聞かせ下さい。

【経済部長】

 新産業の森第二地区につきましては、進出の意向を示している企業に対し、本市が当該地区の整備方針やスケジュール等を説明し、現在、地元地権者組織が選定した業務代行予定者により、本市の意向も踏まえて進出希望企業との調整が進められている状況でございます。

★また現在の誘致条件を見ると、物流関連会社は不可となっていますが、今後の発展を考えると緩和策も必要になるかと考えますが、見解をお聞きします。

【経済部長】

 現在、誘致対象といたしましては、物流関連会社に比べ製造業の工場や研究施設の方が正社員を含めた雇用が多く、建物や生産設備等に多くの投資が見込まれ、将来的な関連産業の集積が期待できることから、同業種を対象としているものでございます。ご指摘の誘致対象業種の追加につきましては、デジタル化やカーボンニュートラルの実現に向けた産業構造の変化、立地特性など今後の社会・経済情勢を踏まえて検討すべきとものと考えております。

★来年3月に西谷日吉間で開業予定の相鉄新横浜線・東急新横浜線に関するプレス発表が今年1月にありました。健康の森周辺に関しては「新たな活力創造の場を創出する都市拠点にふさわしいまちづくりの実現」とありますが、相鉄新横浜線で湘南台と新横浜が約23分で結ばれ、更に渋谷まで約30分でというネットワークが整備されることにより、湘南台以西への相鉄いずみ野線延伸への期待が高まりますが、その状況についてお聞かせ下さい。

【計画建築部長】

 相鉄いずみ野線の延伸につきましては、鉄道利用者を増やす方策や、鉄道事業のコスト縮減や国の補助金を活用した事業スキームなど、事業採算性の確保に向け、引き続き、神奈川県や鉄道事業者など、関係者で組織した「いずみ野線延伸検討協議会」での検討を進めております。

 令和5年3月には、相鉄いずみ野線が東急東横線に接続され、目黒や渋谷といった都心、さらには埼玉方面へとネットワークが広がるとの発表がされました。湘南台以西への延伸につきましても、都心部から神奈川県央部へネットワークが形成されるため、さらなる交通利便性・速達性の向上に寄与するものと捉えております。

 今後につきましても、本市の北部地域の基幹となる交通軸を形成する鉄道延伸につきましては、沿線地域におけるまちづくりの進捗を踏まえ、先行区間の早期実現に向けて神奈川県等と連携して取り組んでまいります。

6. 未来を見据えての取り組みについて

(1)バイオマスプラスチックについて

 プラスチックをバイオマスプラスチックに変えていくことは、化石燃然料を減らすうえで一定程度の効果はあると考えます。しかし多くの製品を代替品のバイオマスプラスチックに変えただけでは海洋プラスチック問題の解決にはならないと考えます。

★バイオプラスチックを含めたプラスチック全体の削減が重要と考えますが、見解をお聞かせください。

【環境部長】

 令和元年度に国が策定した「プラスチック資源循環戦略」において、リデュース等の徹底、効果的・効率的で持続可能なリサイクル、再生材・バイオプラスチックの利用促進が掲げられております。

 本市としても、指定収集袋等について、バイオマスプラスチックを導入するとともに、海洋プラスチックの流出対策として、境川における除塵機での河川ごみの回収や地域清掃の活動支援を行い、ごみが陸から海へ流出しないよう取り組んでおります。

 海洋プラスチック問題解決のためには、プラスチック製品の使用量を削減していく事が重要と考えており、事業者自体が発生抑制や再使用、資源化を円滑に行うためのシステムを構築するよう、国に対して要望しております。また、周知啓発として、海岸清掃イベントや環境フェア等でのパネル展示、「ごみNEWS」の発行、出張講座を行うとともに、マイバッグやマイボトルの普及啓発などの取組を継続することにより、プラスチックごみの削減に努めてまいります。

(2)自然生態系保全について

 藤沢が各種調査でいわゆる「住みやすいまち」の上位に入ることは喜ばしいくまた誇りに感じる所ですが、その理由の中に必ずや「自然が豊か」とか「適度な自然」が入っていて、都会とは違った価値が認識されていることがわかります。まちの財産として守っていかなければいけないという意識になるわけですが、今回特徴的な事業が示されています。

★ナラ枯れは7月~9月頃コナラやミズナラ、マテバシイなどのブナ科の広葉樹が突然枯れてしまう現象ですが、以前は神奈川県での被害はなかったと聞きます。市有山林におけるナラ枯れの被害の原因とその状況、及び対応についてお聞かせください。

【都市整備部長】

 ナラ枯れにつきましては、その原因としてカシノナガキクイムシという体長5㎜程度の昆虫が、コナラやクヌギ等、ブナ科の広葉樹の内部に侵入し、ナラ菌を持込むことにより、樹木を枯らしてしまう病気です。

 次に、本市におけるナラ枯れの現状になりますが、平成29年度に神奈川県内で初めて被害木が確認されたのち、その翌年の平成30年度に本市が所有し管理している市有山林におきましても、ナラ枯れ被害が確認されました。その後、令和2年度には、市有山林37緑地のうち10緑地において合計45本、今年度につきましては13緑地において約60本の枯死木を確認しております。

 その被害木への対応状況といたしましては、倒木による民地や公道等への被害を未然に防ぐため、平成30年度から危険度が高い箇所の伐倒駆除や燻蒸処理による対策を行っております。また、ナラ枯れは、一般的に一定地域における被害は3年から5年程度でピークを迎えると言われておりますが、今後もパトロール等による被害状況の確認を日常的に実施し対策を図るとともに、国や県に対し森林病害虫の防除に関する補助制度の拡充について要望するなど、市民等の安心・安全の確保に向けた適切な対応を実施してまいりたいと考えております。

★磯焼けは沿岸生物の生態系全体に波及し、沿岸の漁獲量にも影響すると言われています。本市にとって海は大切な資源であり、生態系が保全されてこそ価値があるものだと考えます。礒焼け対策は急務と認識していますが、現状をどのように把握しているか、その状況と今後の対応についてお聞かせください。

【経済部長】

 磯焼けとはウニなどの食害生物が海藻を食べることなどにより水産生物の産卵・生息場所として重要な海藻の群落である藻場が消失することで、国はもとより、本市沿岸においても発生しており、磯焼け対策が早急に必要となっております。

 本市において藻場の保全活動を行っている「江ノ島・フィッシャーマンズ・プロジェクト」の活動範囲は、平成27年の2ヘクタールでの開始以降、藻場の著しい減少により、現在は12ヘクタールに拡大して取り組んでおります。

 この現状を踏まえ、本市では神奈川県立水産技術センターに相談し、磯焼けの進行抑制策として食害生物の駆除が有効とのアドバイスを頂きましたので、漁業協同組合のご協力をいただき、来年度からウニの駆除を産卵期前の夏までに試行的に実施してまいりたいと考えております。

2番 山口政哉議員 【市民クラブ藤沢 質問時間100分】

1. 市長の政治姿勢について

(1)未来に向けた市政運営について

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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