2018.12.7 厚生環境常任委員会

 12月7日 9:30より、厚生環境常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

議案第55号 藤沢市福寿医療費助成条例の廃止について

 福寿医療費助成制度を平成30年度をもって廃止するものです。

味村委員

 廃止理由と見込み額は?⇒100歳以上の方の医療費について自己負担助成しているが、財政負担の増加が課題となっており、本市と同様な制度は県内にないため。見込み額は約338万円。

 経過措置の考えは?⇒平成30年度末までは対象者は利用できる。

 関係医療機関に周知していくべきだが?⇒条例可決後連絡する。

※この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

陳情30第15号 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交替制労働の改善を求める意見書提出についての陳情

 この陳情は、次の事項について国・県に対して意見書の提出を求めるものです。

1. 医師・看護師・医療技術職・介護職などの夜間交替勤務労働における労働環境を改善すること。

(1)1日且つ1勤務の労働時間8時間以内を基本に、労働時間の上限規制や勤務間のインターバル確保、夜勤回数の制限など、労働環境改善のための規制を設けること。

(2)夜勤交代制労働者の労働時間を短縮すること。

(3)介護施設や有床診療所などで行われている「1人夜勤体制」をなくし、複数夜勤体制とすること。

2. 安全・安心の医療・介護を実現するため、医師・看護師・医療技術職・介護職を増員すること。

3. 患者・利用者の負担軽減を図ること。

4. 費用削減を目的とした病床削減は行わず、地域医療に必要な病床機能を確保すること。

味村委員

 市民病院看護師の勤務実態は?⇒12/1時点で、2交替勤務希望が99.1%、3交替勤務希望が0.9%。夜勤は、2交替で月4回、3交替で月8回を限度としている。2交替勤務の勤務時間は、16:30~休憩・休息を挟んで、翌9:30までで、翌日は休務日。

 ほとんどが2交替勤務。看護師の慢性疲労の状況は?⇒翌日が休務日なので、24時間以上の間隔がある。看護師の健康、労働環境に配慮した勤務体制をとっている。

 病棟看護師の平均勤続年数は?⇒8年4か月。

※この陳情は、味村委員が賛同しましたが、採決の結果、主旨不了承となりました。

陳情30第16号 「介護労働者の労働環境改善及び処遇改善の実現」を求める意見書提出についての陳情

 この陳情は、次の事項について、国・県に意見書の提出を求めるものです。

1. 介護職場で働くすべての労働者の処遇改善策を講じること。その際、賃金水準の引き上げの実効性を確保するために「ベースアップ」を要件とすること。処遇改善の費用は国費で賄うこと。

2. 介護保険施設の介護職員及び看護職員の人員配置に関する基準省令について、現行の「利用者3人に対して1人以上」を実態に合わせて「利用者2人に対して1人以上」に引き上げること。夜間の人員配置の要件を改善し、1人夜勤は解消すること。

3. 上記の2項目を保障するため、介護報酬の引き上げを行うこと。同時に保険料負担・自治体負担を軽減するために、介護保険財政における国の負担割合を大幅に引き上げること。

武藤委員

(陳述者へ質問)陳情理由の中に、給与表の改定は2割と書いてあるが、定期昇給66%、手当の増や新設44%、賞与の増19%と聞いているがどう思うか?⇒基本給が低いので、加算されても実感できないのが現実。

味村委員

 市内介護事業所の状況は?⇒基本給が増加したのは34.9%。

 市内介護事業所の介護報酬改定による影響は?⇒時期を見て経営状況の把握に努めていく。

※この陳情は、味村委員が賛同しましたが、採決の結果、主旨不了承となりました。

陳情30第20号 臓器移植の環境整備に関する意見書の提出を求める陳情

 この陳情は、ドナーを増やすため、国民が命の大切さを考える中で臓器移植に係る意思表示について具体的に考え、家族などと話し合う機会を増やすことができるよう、臓器移植に係る更なる啓発に努めることほか、4つの事項について、国に提出を求めるものです。っっさつ

味村委員

 脳死下での臓器提供の状況は?⇒平成28年1~10月末で58件で、心停止の23件を上回っている。

 陳情項目の中に、医師に対する患者への渡航移植の危険性の告知義務とあるが、医師の説明義務とは?⇒一般的に病名、病状、治療方法、危険性、予後など。

 説明しなかった場合の罰則は?⇒ない。

※この陳情は、全会一致で主旨不了承となりました。

報告(1) 「(仮称)藤沢おれんじプラン」について

 本市においては、「いきいき長寿プラン2020」で、認知症対策の推進を基本目標の1つに掲げ、予防をはじめ、早期の発見・対応等の取組を進めています。また、今年度は、認知症本人の声に寄りそった施策のさらなる充実に向け、国の研究事業である「認知症の人の意見に基づく認知症施策の改善に向けた方法論等に関する調査研究事業」に参加し、認知症本人の話を伺う機会として「本人ミーティング」を開催しています。しかし、市の事業だけでは解決できるものではありません。
 認知症本人やその家族が、地域で安心して日常生活を送るためには、市民をはじめ地域団体、医療・介護・福祉の関係機関、民間企業などとともに、行政を含めた多様な主体が、互いに手を取り合い、地域の実情に合った取組を進めていく必要があります。

 「(仮称)藤沢おれんじプラン」は、「認知症になっても住み慣れた地域で安心して日常生活を送れるまち」に向け、「ALLふじさわ」として、みんなが取組む一体感を創り出すことを目的として作成するものです。今回は、その素案が報告されたものです。

 策定にあたってのコンセプトは、【本人の声を重視した視点】【地域での活動の見える化】【みんなで取組める目標の設定】【支えあいの地域づくりにつなげる視点】です。具体的な素案の内容は割愛します。

山口委員

 認知予防をプランに入れるのはいかがか?⇒予防については、正しく認知症を理解した上で、予防が成り立つと考えている。MCIの点で予防を記載している。

 オレンジパートナーの今後の考えは?⇒現在、市で30人程度登録あり、認知症カフェや子ども向け認知症サポーター養成講座での寸劇、絵本の読み聞かせなどしてもらっている。今後も認知症カフェへの参画を予定している。

 50~60代の若年性認知症が多くなっている。対策が必要だが?⇒保健予防課で対応している。計画では一元化して進めている。本人の声も聞いており、施策への反映については様々な課と連携して取り組んでいく。

 認知症予備軍が適切な医療を受けられることが必要だが?⇒医療機関に2年ごとに認知症の受け入れ、若年性認知症の受け入れ調査をして、検査状況などを調査している。どこにかかればいいか紹介している。

永井委員

 自治会・町内会に認知症の理解を深めてもらうことが必要だが?⇒本人や家族が、認知症になる可能性が高いことを我がことと捉えることが重要。認知症サポーター養成講座を自治会でも開催している。今後も積極的に開催していく。認知症ケアパスについても、自治会町内会へも配布することを検討していく。

味村委員

 本人、家族の集う場づくりに苦労している。支え手への支援は?⇒認知症カフェの方と交流している。課題について意見交換し、ボランティアが足りないという課題聞いている。オレンジサポーター養成講座受講者へ、支え手がいないという情報提供をして運営補助につなかった例もある。

武藤委員

 軽度~最重度認知症の状態の把握は難しいと思うが、どうやって把握しているのか?⇒国の方から、高齢者の15%、MCIの13%と割合が示されている。正確な人数は把握は難しい。介護保険の認定状況などで把握していく。

 認知症を改善できる人いると思うが、改善の成果を示すことで希望となると思うが?⇒MCIからの改善、重度化防止が他の方へ伝えることは重要。認知症予防の観点で、何かしら示す方法を検討していく。

 オール藤沢の取組について、地域で麻雀クラブもある。認知症の改善、予防効果ある。広げる取り組みの考えは?⇒認知症予防は、サークルなど楽しく続けられることが重要。楽しみ、趣味の場づくりも考えながら進めていく必要あると考える。

報告(2) 「ふじさわ自殺対策計画」の素案について

 国は「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現をめざし、地域レベルの実践的な取組を中心とした自殺対策への転換を図ることを目的に、平成28年4月に「自殺対策基本法」を改正し、都道府県、市町村ごとに自殺対策計画の策定を義務付け、自殺対策の更なる推進を図ることとなりました。このことを踏まえて、今回、「ふじさわ自殺対策計画」素案が報告されたものです。内容の抜粋は次の通りです。

1. 計画期間

 計画期間は、2019年度~2023年度の5年間とし、中間年の2021年度に中間見直しを行います。

2. 計画の数値目標

 自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数) 2016年12.9⇒2023年11.0以下

3. 基本理念

 「誰も自殺に追い込まれることのない藤沢市」

4. 施策体系

【基本施策】

(1)地域におけるネットワークの強化

 ① 自殺対策協議会の実施(保健予防課)

 ② 自殺対策推進会議の設置(保健予防課)

 ③ 自殺対策庁内会議の実施(保健予防課)

(2)自殺対策を支える人材の育成

 ① ゲートキーパー養成講座の実施(保健予防課)

(3)市民への周知啓発

 ① 精神保健福祉公開講座(障がい福祉課・保健予防課・藤沢病院)

 ② メンタルチェックシステム「こころの体温計」(保健予防課)

 ③ うつ病当事者・家族支援事業(保健予防課)

 ④ 自殺対策講演会(保健予防課)

 ⑤ 自殺予防週間街頭啓発(保健予防課)

 ⑥ 健康づくりサポーター等養成講座(健康増進課)

 ⑦ 健康への普及啓発(健康増進課)

 ⑧ 生活習慣病予防講演会(健康増進課)

(4)生きることの促進要因への支援

【自殺未遂者への支援】

 ① 自殺未遂者緊急介入支援事業(保健予防課)

 ② 自殺未遂者・家族個別支援事業(保健予防課)

【遺された人への支援】

 ① 自死遺族支援事業(保健予防課)

【相談できる場の設置】

 ① 福祉総合相談支援センター・北部福祉総合相談室の運営(地域包括ケアシステム推進室)

 ② 民生委員児童委員活動(福祉健康総務課)

 ③ ふじさわ安心ダイヤル24(地域保健課)

 ④ 障がい者相談支援事業(障がい福祉課)

 ⑤ 障がい者虐待防止センターの運営(障がい福祉課)

(5)生きづらさを抱えた子ども・若者への支援

 ① スクールカウンセラーの派遣(教育指導課(学校教育相談センター))

 ② いじめ相談ホットライン(教育指導課)

 ③ 学習支援事業(地域包括ケアシステム推進室、生活援護課)

 ④ 子ども・若者育成支援事業(若者サポート事業)「ユースワークふじさわ」の実施(青少年課(産業労働課))

 ⑤ こんにちは赤ちゃん事業~ハローベビィ訪問~(子ども健康課)

 ⑥ 育児相談(随時相談)(子ども健康課)

 ⑦ 児童虐待防止対策事業(子ども家庭課)

 ⑧ 子どもの発達相談(子ども家庭課)

 ⑨ 障がい児の福祉サービス利用の相談(子ども家庭課)

 ⑩ 保育園における保育の実施(保育課)

 ⑪ 育児相談(保育課)

 ⑫ 児童生徒のSOSの出し方に関する教育(保健予防課・教育指導課)

 ⑬ 就労準備支援事業(地域包括ケアシステム推進室・生活援護課) 

【重点施策】

(1)高齢者に対する支援

 ① いきいきサポートセンター(地域包括支援センター)の運営(地域包括ケアシステム推進室)

 ② 家族介護者への支援(地域包括ケアシステム推進室)

 ③ 高齢者虐待の防止(地域包括ケアシステム推進室)

 ④ 介護保険制度の運営(介護保険課)

 ⑤ 生涯学習講座「高齢者のこころの健康」の実施(保健予防課)

(2)生活困窮者に対する支援

 ① 生活保護(生活援護課)

 ② 地域生活支援窓口「バックアップふじさわ」「バックアップふじさわ社協」(地域包括ケアシステム推進室)

 ③ コミュニティソーシャルワーカー(CSW)(地域包括ケアシステム推進室)

 ④ 家計相談支援事業(地域包括ケアシステム推進室)

 ⑤ 就労準備支援事業(再掲)(地域包括ケアシステム推進室・生活援護課)

 ⑥ 学習支援事業(再掲)(地域包括ケアシステム推進室・生活援護課)

 ⑦ 生活困窮者等のための共助の基盤づくり事業(地域包括ケアシステム推進室)

 ⑧ 多重債務相談(市民相談情報課)

(3)働く人への支援

 ① 一般労働相談の実施(産業労働課)

 ② 街頭労働相談会の実施(産業労働課)

 ③ 「勤労ふじさわ」の発行(産業労働課)

 ④ 労働問題懇話会の開催(産業労働課)

 ⑤ ワーク・ライフ・バランス推進会議(産業労働課)

 ⑥ 若年者就労支援事業「ユースワークふじさわ」の実施(再掲)(産業労働課(青少年課))

5. 今後のスケジュール

(1)平成31年1月 第2回藤沢市自殺対策協議会

(2)平成31年2月 2月定例会の厚生環境常任委員会に最終報告

(3)平成31年3月 「ふじさわ自殺対策計画」策定

山口委員

 自殺死亡率の目標が11.0%以下となっているが、ある程度の自殺を容認しているように思われてしまう。目標を0とすべきだが?⇒国の大綱でも最終的には0となっているが、すぐに0にすることはできないので、中間の見直しの中で0をめざしていきたい。

味村委員

 自殺の地域別データの公開を市として求めていくべきだが?⇒プライバシー、遺族の心情などを鑑み非公開となっている。国・県の自殺対策センターから情報を得て施策に反映している。

武藤委員

 高齢者の自殺割合あるが、同居人あるなしで割合違う。どう対応しているのか?⇒高齢者は1人より、同居人ある方が自殺多い。高齢者対策の中で、他の相談にしながるようにしていきたい。

 同居人ある中での自殺数、同居人なしの中での自殺数を比較する必要あるが?⇒指摘の通り。今後の研究としたい。

西委員

 子ども、若者の自殺は友人への影響も大きい。そこは0にしていくべきだが?⇒SOSをキャッチする仕組みづくりに取り組んでいく。

 学校の担任への自殺対策の理解はどうなっているのか?⇒子どもたちには多くの悩み事がある。担任に限らず、他の教員、スクールカウンセラーなどの大人がキャッチすることが重要。アンテナを広げていく。

 以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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