9月7日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
陳情30第9号 いわゆるごみ屋敷対策条例の制定に向けて市当局に対して働きかけを求める陳情
この陳情は、昨今社会問題化している、いわゆるごみ屋敷対策のための条例を早期に制定する様に、市当局への働きかけを求めるものです。
山口委員
今回のごみ屋敷の住人から相談はあったのか?⇒10ほど前から親子関係の相談を受けている。
ごみの撤去はいつ頃したのか?⇒2年ほど前に数回に分けて片付けた。
市としてどう関わってきたのか?⇒はじめは高齢者の部署に親子関係の相談があり、介護、ごみを集めてきてしまう人の障がいについて、関係機関で本人たちに寄りそった支援をしてきた。
陳情者は、市に足りないものがあると思っているのでは?⇒市として家族と関わり、理解を得るには長い時間がかかる。近隣の方々は耐え難かったと思う。強制的にやめさせられないのかと思っていると考える。
条例は必要だと思うか?⇒これまで市としては、支援という形で取り組んできた。条例化している他市でも、行政代執行は多くない。十分な精査ができていない。
条例が無くてもできるのか?⇒行政代執行は条例がないとできない。その経費を当事者に求めるには条例が必要。
神村委員
市内のごみ屋敷の状況は?⇒顕在化しているのは7件。
ごみ撤去の状況は?⇒年間3件程度。
福祉的支援の考えは?⇒地域からの孤立が多い。心身、家庭の課題を抱えているケースが多い。
条例化について、横須賀市で行政代執行されたが、それは最後の手段。条例化による効果と課題は?⇒県内で条例化しているのは、横浜市、横須賀市、鎌倉市の2市。横浜では、当事者への説明を通して、自ら排出したなど効果ある。撤去しても再びため込んでしまう。地域での孤立化を解消しなければ根本的な解決にはならない。
条例化を目指す場合、どういう手続きとなるか?⇒条例を必要とする社会的背景を明らかにして検討する必要がある。市内部で協議して委員会を設置、専門家などとの意見交換した上で、条例案を市議会に上程するという流れ。
味村委員
ごみ屋敷の対策は、当事者への福祉的支援が中心となるべきだが?⇒背景に高齢、身体機能の低下、精神疾患などが多い。排出を支援する人がいない、地域での孤立ある。生活全体への福祉的支援が重要と考える。
福祉的支援が中心の条例なら良い。先行自治体の状況をみながら、慎重に進めるべきだが?⇒市としては、ごみ撤去が目的ではなく、生活課題の解消が重要と考える。近隣への不快、不安の影響も把握しているが、時間がかかりすぎる面がある。福祉的支援と近隣への影響の両面から検討する必要ある。バランスを含めて慎重に対応していく。
武藤委員
10年前から相談にのっていて、2年前にごみを撤去したとのことだが、その後の状況は?⇒現在は誰も住んでいない。
一度ごみを撤去してもまた同じようになると聞くが?⇒一般的には、当事者が抱える課題があり、また、同じようになるケースある。
ごみに限らず、庭木とかで近隣に迷惑をかけているケースもあると思うが?⇒市民から連絡が入ると、現場で調べて、空き家なら住宅政策課から地権者へ連絡、更地なら所有者に手紙を出し撤去のお願いをしている。
住んでいる場合は、この条例に入るのか?⇒人が住んでいて草木が繁茂している場合は、コミュニティソーシャルワーカーを通じて福祉部に入ることとなる。条例の中には、草木を含めているところある。合わせて、検討することは可能と考える。
住宅マスタープランの中でごみ屋敷の部分ある。福祉部、環境部との関りは?⇒策定委員会の中に環境部も入っている。事案が発生すれば、環境部と住宅政策課が連携して速やかに調査することとなる。
※この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
※議会でこれまで一切議論がされていない「ごみ屋敷」問題について、1つの陳情が主旨了承となったことにより、条例化に向けた検討が庁内でされる結果となりました。私は、ごみ屋敷の実態、その背景、市民からの苦情の状況、市の取組状況、条例化している他市の取組状況などを十分把握・議論したうえでなければ、この陳情に対する判断はできないと思うのですが。。
陳情30第10号 2019(平成31)年度における重度障害者医療費助成制度継続についての陳情
この陳情は、平成31年度予算策定に際し、重度障害者医療費助成制度について、前年度に引き続き継続されるよう市への働きかけを求めるものです。
※この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
陳情30第11号 2019(平成31)年度における障害児者・透析者を含む移動困難者に対する通院支援についての陳情
この陳情は、平成31年度予算策定に際し、障害児者・透析者を含む移動困難者の通院に対する理解と、福祉助成施策の継続的な支援を求めるものです。
※この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
陳情30第12号 後期高齢者医療の窓口負担2倍化に反対する意見朱提出を求める陳情
この陳情は、国に対して、後期高齢者の医療費窓口負担1割を2倍化することに反対する意見書の提出を求めるものです。
※この陳情は、味村委員が賛同しましたが、採決の結果、主旨不了承となりました。
報告(1)県立藤沢高等学校跡地における「(仮称)交流センター」について
県立藤沢高等学校跡地において、民間事業者による特定開発事業が進められていますが、その中で、「(仮称)交流センター」や「公益施設」の整備が行われています。この施設は、開発区域内の居住者だけでなく、広く市民の方々が集い、これまでの教育施設として培われた高等学校の歴史やレガシーが継承されるように、敷地内に記念碑や校歌碑等を移設するとともに、国の補助事業(スマートウェルネス拠点整備事業)を活用した地域の拠点となります。この度、事業者から建物寄付の申し出があり、市として譲渡を受けるもので、その概要が報告されたものです。
1. (仮称)交流センターの建物概要
敷地面積 622.51㎡/建築面積 115.93㎡/延床面積 174.15㎡/木造2階建て
2. 国の補助事業(スマートウェルネス拠点整備事業)の概要
高齢者、障がい者、子育て世帯等の居住の安定確保や地域住民の健康の維持・増進とともに、多様な世代の交流促進等を図ることを目的に、住宅団地等に拠点施設を新設・改修する場合、その費用に対して、国が民間事業者等に補助を行います。補助率は1/3で限度額は1,000万円。
3. 今後について
本施設については、建物の寄付を受ける平成31年3月に建物本体の整備完了が見込まれていますが、備品等をはじめいくつかの設備(照明・冷暖房・カーテン等)は、市側で整備する必要があります。
本格的な市民利用の開始時期については、平成32年4月を予定しています。
山口委員
集会所は、このエリアの人しか使えないのか?⇒主にこのエリアの住民が使用する施設。
自治会はつくるのか?⇒新たな自治会として組織されると聞いている。
味村委員
開発エリアの入居状況は?⇒平成30年8月時点で、114区画中36区画が契約済み。その多くは子育て世帯。
交流センターり中に、相談機能も必要では?⇒子育て機能も検討していく。
交流センターの管理運営は?⇒当面はすぐに活用できないので、市で1年間管理していく。
今後も市の直営で運営していくべきだが?⇒検討していく。
報告(2)市民病院健全経営推進計画書の見直しについて
平成28年度に藤沢市民病院健全経営推進計画書を策定し、平成32年度までに経常収支の黒字化を達成することを目指し、具体的な取組を進めています。
推進計画書に基づき経営改善に取組んだ結果、平成29年度決算の経常収支についてては、医業収益の大幅な増加などにより、当初計画の目標値から約8億7,300万円改善し、経常損失は約2億3,100万円まで圧縮することができる見通しとなりました。
今回は、平成29年度決算見込みや推進計画書の点検評価の結果、新たな課題なども踏まえ、収支計画や数値目標の上方修正、並びに具体的な取組の追加などを行ったもので、その内容が報告されたものです。なお、ここでは追加した取組を掲載します。
【追加した取組】
1. 経営の強化
(1)入退院支援の強化
「追加」 入院前から退院支援を行った場合の評価としての入院時支援加算の届出を行う。(平成30年度検討・31年度完了)
2. 医療機能の充実
(1)紹介患者確保に向け、逆紹介などの地域連携を強化する
「追加」 地域の医療機関と協力し、個別の医療機関のチラシを作成し、情報提供するなど、逆紹介の推進に努める。(平成30年度~実施)
(2)がん患者の受入れ促進
「追加」 専門的ながん医療を提供できる体制の広報やがん支援の早期介入に向けた体制をつくる。(平成30年度~検討)
(3)手術件数の確保及び手術室稼働率の維持、向上
「追加」 入院手術の外来実施に向け検討を行うとともに、手術室運営体制の充実を図る。(平成30年度~検討)
(4)「追加」 手術支援ロボット導入
「追加」 質の高い手術の実施に向け、支援ロボットの導入を図る。(平成30年度~検討、32年度完了)
(5)分娩受入れ件数のの確保
「追加」 産科医療のの充実に向け、LDR室(陣痛分娩室)の設置を行う。(平成29年度検討、30年度実施、31年度完了)
(6)「追加」 (仮称)入退院支援センターの開設
「追加」 患者・家族が安心して退院後の療養生活に移行できるように、入院決定時から退院を見据えた患者支援を実現するため、支援センターを開設する。(平成30年度検討、31年度実施)
3. 患者サービス及び運営面での取組
(1)患者サービスの向上
「削除」 藤沢駅からの市民病院循環バスの導入について協議を進める。
(2)外国人対応
「追加」 オリンピックに向けて、外国語による医療提供体制の整備を図る。(平成30年度検討、31年度~実施)
(3)「追加」 外来診療体制の見直しによる患者利便性の向上
「追加」 診療待ち時間や予約の手続き方法等について見直すとともに、予約業務のセンター化を行う。(平成30年度検討、31年度~実施)
永井委員
患者サービスでのボランティアの状況は?⇒外来患者への車イス対応、図書コーナー、ピアノ演奏などを無償で対応してもらっている。ボランティアの駐車料金は減額料金としている。
武藤委員
患者満足度の目標をなぜ80%としているのか?⇒100%が望ましいが、現状79%なのを踏まえて、80%とした。毎年度見直しをするので、その中で検討していく。
藤沢駅からの循環バス導入をなぜ削除するのか?⇒バス事業者と協議してきた。7つのバス路線が入っており、新たに循環バスを導入するとバス路線が縮小となるとのこと。経由の縮小を回避するために削除した。
計画年度の平成32年度までに実現困難ということだが、長期的に見れば、取り組みに入れておくべきだが?⇒現行計画では困難。
今後のバス路線の考えは?⇒市民から本数を増やす要望ある。バス事業者側へ伝えていく。
味村委員
新患を増やしていく必要あると思うが?⇒急性期終了後、地域医療機関に逆紹介し、地域医療機関からは市民病院に紹介してもらう。地域医療機関との連携が必要と考える。
診療報酬が改定されたが、病院経営への影響は?⇒全体でマイナス改定されたが、DPCが最上位の評価されたため、年間で1~2億円の増額になると想定している。
来年10月の消費増税での影響は?⇒10%となった場合、病院の負担額は、平成31年度は6か月分で8,000万円、32年度は1億6,000万円。
入退院支援センターの検討状況は?⇒平成31年度の実施に向けて取組んでいる。入院時の業務フローの整理をしており、今後、シミュレーションしていく。
病院敷地内のバス停のベンチについて、雨天時に濡れて座れないとの声があるが?⇒バスロケーションシステムをエントランスの中に設置したので、直前までホールで待機できる。
西委員
小児救急車搬送患者数が減少とする理由は?⇒救命救急センターは3次医療なので、当初は軽症患者で計画していたが、重症・重篤に特化したため。
不採算医療に対する考えは?⇒救急、小児救急24Hには経費が掛かるが、公立病院としての役割を果たしていく中で、地域医療機関との連携を図っている。
※以上、報告とします。