2月1日 藤沢市議会改革検討会として、呉市に視察し委員として参加しました。内容の抜粋は次の通りです。
【テーマ】 議会図書室について
1月4日から、新庁舎(本庁舎)での業務がスタートしました。新しく議会図書室が整備され、その機能について検討がされていますが、今回は、図書司書を配置してレファレンス機能が充実している呉市議会を視察したものです。
1. 以前の呉市議会図書室は
議会基本条例で「機能強化に努める」と位置付けたものの、「物置状態」「使えない資料が山積」「密談場所」「乏しい図書購入費(年間2万円)」という状況だった。
2. 「強い議会」を支える図書室に向けて
事務局にプロジェクトチームを設置、鳥取県議会図書室(県立図書館との連携・議会図書室広報紙など)/鳥取県庁内図書室(司書の配置によるレファレンス機能の充実など)/日野市市政図書室(司書の配置によるレファレンス機能の充実など)/鳥羽市議会図書室(公立図書館との連携)/国会図書館・塚田洋氏(大規模自治体の先進的取り組みの紹介など)を視察。
3. 見えてきた議会図書室像
重要なのは図書館の規模ではなく、レファレンス機能!
4. 他の図書館との連携
① 県立図書館が利用している有料データベースを活用したレファレンスサービス
② 広島修道大学図書館との連携(蔵書の5割が議会審議に関連性の高い社会科学分野)
5. 議員への積極的な情報提供
① 議会図書室情報誌「チャージ(新着図書・雑誌目次紹介・各地の先進事例)」の月2回発行
② 一般質問に「使える」特集棚
③ 議員個別メール「イナズマ!」
これは、過去の会議録等から各議員のキーワードを設定し、関連する新聞記事・図書情報をタブレットにメール送信するものです。
6. レファレンスサービスの強化
常駐の司書(週4日勤務の嘱託職員1名)を配置し、議員の一般質問や政策立案のサポートをしている。
7. 司書の能力向上は欠かせない
① 議員・事務局職員に加え、執行部職員へのレファレンス対応をしている。
② 議会の傍聴、過去の会議録の読み込みをしている。
③ 市の総合計画をはじめとした行政計画の読み込みをしている。
8. 取組の成果(議員の知的拠点としての議会図書室になりつつある)
① 毎定例会において、一般質問をした約半数の議員が質問の作成に議会図書室のむレファレンスを活用。
② 司書配置後、32名中30名の議員が議会図書室を利用。
9. 所感
今回の視察では、週4日配置されている司書の方のスキルが非常に高いと感じました。議会事務局からも課題として、その司書の方が、他から引き抜きにあうのではと心配されていました。週4日の嘱託の人件費は約200万円とのことで、質疑で、正規職員化の考えを聞きましたが、人事からできないと言われているとのことでした。藤沢市で同様な取組がされていたとしたら、行っている仕事の質からして、正規職員として採用するべきと私なら主張するところです。
藤沢市議会図書室がスタートするのですが、当面は、総合市民図書館司書によるレファレンスサービスについて、どのような連携が図れるのかを検討していくことが現実的だと感じました。
以上、報告とします。