2016.12.9 総務常任委員会

 12月9日 9:30より、藤沢市議会総務常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

議案第48号と49号と報告(1)を一括して議題とし、質疑を行いました。

議案第48号 藤沢市事務分掌条例の一部改正について

 平成29年度の組織改正に伴い、部の名称、所掌事務の変更など、所要の改正をするものです。

 この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

議案第49号 藤沢市一般職員の給与に関する条例の一部改正について

 平成29年度の組織改正に伴い、職務の級ごとに定める基準となる職務について、所要の改正を行うものです。

 この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

報告(1)平成29年度組織改正の概要(最終案)について

 9月議会で報告がされた、平成29年度組織改正の概要(案)について、修正した最終案が報告されたものです。概略は次の通りです。 

1. 組織改正の基本的視点

(1)2025年問題への対応

 藤沢型地域包括ケアシステムの実現に向けて、部・室・課を再編して各課所管事務の整理を行う。

(2)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への対応

 大会終了後も文化・芸術等の面で歴史的な遺産として未来へ継承していくための組織再編を行う。

(3)防災体制の迅速化と安全で安心な暮らしの実現

 市民が安全で安心に暮らせるまちづくりを推進するため、部を新設して各課所管事務の整理を行う。

(4)行財政運営のイノベーション

 組織不拡大を基本として、人口規模に応じた効率的な組織を実現し、健全財政を維持するため、小規模課の統合など、部・室・課を再編して、各課所管事務の整理を行う。

(5)専門性の高い職員の人材育成

 技術職などの専門性の高い職員が、ノウハウの蓄積や資質の維持・向上を図るため、部・課を再編して各課所管事務の整理を行う。

(6)組織名と業務内容の明確化

 市民に分かりやすく、各部課の業務内容が判別しやすいよう、部・室・課を再編して各課所管事務の整理を行う。

2. 組織改正の主な内容

(1)議会事務局/変更なし

(2)総務部

 ① 行政総務課/法務課と統合し、法務担当を新設し、法務課は廃止する。

 ② 行財政改革推進室(新設)/行政総務課の行革担当を室相当に位置付けることで、行革を推進していくことを内外に示す。また、行政総務課が所管している内部統制制度総括業務及び法務課が所管している法令遵守総括業務を移管して、公正な職務の推進を図る。

 ③ 防災危機管理室/防災政策課と危機管理課に分割・再編し、新設する防災安全部に移管する。

(3)企画政策部

 ① 人権平和課(人権男女共同参画課を改称)/平和国際課を分割し、平和・都市親善業務を移管する。

 ② 平和国際課/業務を分割し、人権平和課と防災安全部危機管理課に統合する。

 ③ 資産管理課/計画建築部建設総務課に統合する。

 ④ 東京オリンピック・パラリンピック開催準備室/生涯学習部に室を移管する。

(4)財務部

 ① 税制課(新設)/税制業務、証明交付窓口業務を移管して課に位置付け、部の総務機能を担う。

(5)防災安全部(新設)

 ① 防災政策課/防災計画等の企画・調整業務、開発業務課で所管している急傾斜地防災対策業務の一部を移管し、課に位置付け、部の総務機能も担う。

 ② 危機管理課/災害対策本部に関する業務、防災訓練などの災害対応業務、避難行動要支援者対策業務、航空機騒音対策業務を含む基地対策業務を移管して課に位置付ける。

 ③ 防犯交通安全課(移管)/市民自治部から課を移管する。

(6)市民自治部/防犯交通安全課を防災安全部に移管する。

(7)生涯学習部/東京オリンピック・パラリンピック開催準備室を企画政策部から移管する。

(8)福祉健康部/福祉部と保健医療部を統合し改称。

 ① 福祉健康総務課/福祉総務課と保健医療総務課の一部を統合し改称。

 ② 高齢者支援課/業務を分割し、新設する福祉医療給付課と地域包括ケアシステム推進室に統合する。

 ③ 福祉医療給付課(新設)/医療費等の各種給付業務、藤沢聖苑及び大庭台墓園墓所管理事務所の管理業務を移管して課に位置付ける。

 ④ 地域包括ケアシステム推進室(新設)/地域包括ケア推進業務、福祉総合相談支援業務、高齢者支援課の給付業務以外の業務を移管し、室に位置付ける。

 ⑤ 地域保健課/地域保健課と衛生検査課を統合し、衛生検査課を廃止する。

 ⑥ 健康増進課/健康寿命日本一に向けた施策を強化するため、保健所に位置付ける。

(9)子ども青少年部/子育て企画課に子どもの貧困対策の窓口を新たに位置付ける。

(10)環境部/変更なし

(11)経済部/観光課にシティプロモーションに関する業務を移管し、観光振興の視点での取組みを推進する。

(12)計画建築部

 ① 建設総務課/資産管理課と統合し、資産管理課は廃止する。

 ② 住宅政策課(住宅課から改称)/団地再生関連業務や空き家対策業務を含め、総合的な住宅政策を所管する。

(13)都市整備部

 ① 公園課/道路河川部道路維持課に街路樹管理業務を移管する。

(14)道路河川部

 ① 道路河川総務課(土木計画課を改称)

 ② 河川水路課(新設)/治水対策業務、下水道整備課・土木維持課から河川水路関係業務を移管し、河川に関する業務を一元化する。

 ③ 道路維持課(土木維持課から改称)/新設される下水道管理課に管渠関係業務を移管、公園課から街路樹管理業務を移管し、道路維持業務に特化する。

(15)下水道部/新設

 ① 下水道総務課(下水道業務課から改称)/下水道経理業務、下水道計画業務を移管し、部の総務機能を担う。また、企業会計の総合調整を行う。

 ② 下水道管路課(下水道整備課から改称)/管渠関係業務を移管する。

(16)市民病院

 ① 診療部内視鏡室/新しい東館増築部分供用開始に伴い、診療各科から内視鏡室の管理業務を移管し、組織として独立させる。

 ② 医療技術部臨床工学室/新しい東館増築部分供用開始に伴い、医療安全対策室から医療機器の保守管理及び適正使用に関する業務を移管し、組織として独立させる。

 ③ 医療支援部創傷治癒室/地域医療連携室から創傷等に関する相談、予防及び治療に関する業務を移管し、組織として独立させる。

(17)オンブズマン事務局/変更なし

(18)会計管理者/変更なし

(19)消防局/簡素で効率的な組織とするため、予防室と警防室を廃止する。

(20)教育部

 ① 教育総務課/学校教育企画課を分割し、学校ICT推進業務、八ヶ岳野外体験教室管理業務を移管する。

 ② 学校教育企画課/業務を分割し、教育総務課と教育指導課に統合する。

 ③ 教育指導課/学校教育企画課を分割し、教育文化センター管理業務を移管する。
 
(21)監査事務局/変更なし

(22)選挙管理委員会/変更なし

(23)農業委員会事務局/変更なし

土屋委員

 内部統制制度と法令遵守の業務をなぜ行革推進室で行うのか?⇒法務課と行政総務課で法令遵守とが分かれていた。行革の中で、業務プロセスを検証していく。業務の見える化、業務分析をしていく中で、リスクを見つけ出していくため。

 行革推進室で徹底していけるのか?⇒行革のプロセスの中で、リスク抽出できる。その中で進めていく。

 避難行動要支援者について、危機管理課となる。福祉の視点は引き継がれるのか?⇒当然引き継がれる。名簿の作成・提供など、仕組みづくりを福祉総務課でしてきた。提供率の向上、要支援者の認知度の向上がされた。自主防災組織の総合的な取組とするために危機管理課へ移管し地域防災力を強化していくため。

 航空機騒音、基地対策も危機管理課が行う理由は?⇒国民保護計画に関連するため、危機管理課に移管するもの。

 高齢者支援化が分割される。高齢者の相談はどこが受けるのか?⇒新たな地域包括ケアシステム推進室へ引き継がれる。

 相談解決のためのワンストップが必要だが?⇒福祉部、保健医療部、子ども青少年部でワンストップ窓口を検討している。福祉の総合相談支援センターも開設していく。

 下水道部について、経営が前面に出てしまわないか?⇒経営に特化したものではない。

柳田委員

 男女共同参画が格下げに思えるが?⇒課名がなくなっているが、人権男女共同参画担当とし、格下げとは考えていない。

 課がなくなることは、格下げでは?⇒市民に分かりやすく改正した。課名で全て表示すると長い課名となってしまう。

 江の島女性センターが移転され、業務の縮小となったが、市の認識は?⇒県の女性センターは、廃止されると決定された。市としては、業務の縮小ではない。

 市は県の女性センターと連携していくとの事だった。県の女性センターの業務が縮小しているなら、市が取り組むべきだが?⇒市は女性センターとの活用で取り組んできた。県の合同庁舎に入っている。本市の取り組み自体は縮小していない。発展させることを検討する必要あると考える。

佐賀委員

 シティプロモーションが企画から経済部に移管することになっているが?⇒担当を移管して、引き続き業務を行うもの。

 縮小でないかもしれないが、課の名称は大事。前向きさが感じられないが?⇒シティプロモーションは、組織として観光と合わせて発展させていきたい。各事業施策がシティプロモーションとしてどう活動していくべきか、庁内に横断的プロジェクトも位置づけていく。市民の理解をどう得ていくか、名称も重要な視点であり、指摘を踏まえて進めていく。

東木委員

 事務分掌条例について、地域包括ケアシステムを推進には、市民センター・公民館が重要な位置づけとなる。事務分掌条例の中で、市民自治部に地域福祉に関することを入れるべきだが?⇒推進室を設置して進めていくが、庁内で包括ケア業務は45課にまたがっているため、市民自治部だけの問題ではない。規則でどう表現していくか、分室の事も含めて検討していく。

議案第50号 藤沢市一般職員の給与に関する条例等の一部改正について

 国家公務員の給与改定に準じて、本市の一般職員の給与を改定するものです。
 
土屋委員

 初任給について、民間との差は?⇒民間大卒 事務職197,294円/技術職201,932円。国家公務員は、総合職181,200円/一般職176,700円。地域手当を含めても1,500円以上の差がある。

 給与改定の影響額は?⇒2億1,740万円で、給料2,700万円/期末勤勉手当1億5,100万円/初任給調整手当40万円/時間外手当、共済費、社会保険料の事業主負担分3,900万円。

 初任給調整手当の影響額が40万円と少なく感じるが?⇒採用困難職種、医師、助産師へ支給しているもので、国に合わせて引き上げたもの。

 非正規職員の賃金を上げるべきだが?⇒時間給について、最低賃金が930円となった。応募状況も踏まえて引き上げていく。

酒井委員

 平成28年4月1日のラスパイレス指数は?⇒12月下旬に公表される。

 引き上げでラスパイレス指数がどうなるかわからないのに引き上げるのか?⇒これまでも情勢適用の原則で人事院勧告を踏まえて改定している。ラスパイレスは、1つの指標としているもの。

 人事院勧告に沿ってではなく、主体的な考えはないのか?⇒地方公務員の給与は国家公務員に準拠を原則に、他市を参考としながら、本市で判断をしてきたが、平成24年10月からは、独自削減を実施し、給与の総合的見直しについても、国公の率を上回る引き下げを実施してきた。そういった中で、職員のモチベーションの観点からも一定の給与水準を維持していく必要があることから、改定したもの。

 行革で中期財政フレームが示され500億円の財源不足となる。財政見通しの中で賃金カットをする方針はあるのか?⇒現在の状況のままなら545億円の収支の乖離が生ずることから、新たな行革の必要性があるとしたもの。来年度早期に実行プランを策定する中で検討していく。

神村委員

 12月議会に出すのはなぜか?⇒人事院勧告を基に国の給与改定に沿って改定するもの。

 5年間で545億円の財源不足となる中で、年間2億円の増加となる。今後、どうしていくのか?⇒不足を補うために、市民生活に影響がないように歳出の抑制、歳入の確保をしていく必要ある。新たな行革の実行プランをつくる中で、総枠人件費の抑制が大きな課題となる。緊急非常事態となった場合は、職員自ら身を切ることも必要。視野に入れて取り組んでいく。

佐賀委員

 人事院勧告は尊重するが各自治体の判断となる。県内状況を踏まえて、尊重していくのか?⇒県内他市では、三浦市は、平成21年度に緊急財政宣言を出している中でも人勧に沿って引き上げている。県内他市も同様の対応をしている。

 平成24年10月から独自カットを、その前も行革してきた。550億の試算の中で、今回の影響額は2億円。これまで人件費を抑制してきたが、元に戻ってしまうのでは?⇒平成24年10月からの独自カット、総合的見直しでも更に引き下げており、抑制されている。

松下委員

 定数条例を改正して、定数を増やすとしている。550億円の試算に定数増は含まれているのか?⇒含まれている。

 定数条例の改正を2月議会に出てくるが、来年度定数は何人でどのくらい人件費が上がるのか?⇒今後、行政需要の増加、年金と雇用の接続が影響してくる。再任用職員がフルタイムとなってくるため、定数が増加する。人数、コストは現在精査中。

 この議案は、酒井委員のみ反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

議案第51号 藤沢市市税条例等の一部改正について

 地方税法の一部が改正されたことに伴い、固定資産税等の課税標準の特例割合を追加し、及び、軽自動車税の税率の特例を延長するものです。

土屋委員

 審査請求がしにくくなることはあるか?⇒利便性を図るもので、ない。

 軽自動車の特例が1年延びる。平成28年の経過措置の適用実績は?⇒平成28年4月1日で、2,362台で影響額は841万4,400円。

 経過措置の適用について、25%、50%、75%軽減の状況は?⇒25%軽減が自家用乗用車1,178台、営業用貨物車30台、自家用貨物車244台。50%軽減が、自家用乗用車910台で、75%軽減はない。

 この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

議案第52号 藤沢市手数料条例の一部改正について

 狂犬病予防等に係る事務の手数料について、その受益と負担の適正化を図り、社会的公平性を確保するため、その額を改定するものです。

佐賀委員

 抑留された犬の返還状況は?⇒平成25年度32頭/26年度22頭/27年度27頭。

 抑留された犬の返還率は?⇒平成25年度48頭中32頭で67%/26年度32頭中22頭で69%/27年度38頭中27頭71%。

 犬猫の引き取り状況は?⇒飼い主が病気などでやむを得ず引き取った犬猫は、平成25年度31頭/26年度8頭/27年度18頭。

 影響額の見込みは?⇒使用管理料、手数料、引き取り手数料の合計で、125,960円。

土屋委員

 なぜ、このタイミングでの改正なのか?県は平成27年4月に改正した。改定後に捨て犬が増加するかを確認したところ、そのようなことはなかった。他市も手数料を改定したため、本市でも改定するもの。

 過去3年間の実績は?⇒抑留の飼育管理は平成25年度85頭/26年度55頭/27年度53頭。返還は平成25年度32頭/26年度22頭/27年度27頭。引き取りは、平成25年度31頭/26年度8頭/27年度18頭。

 返還は7割程度で、3割は引き取りに来ていない。その部分は、市が負担しているのか?⇒県の動物保護センターに委託している。

 ならば、手数料の引き上げは必要ないのでは?⇒県・横浜市など関係自治体との金額の乖離を解消するもの。

 引き取りせず、放置につながるのでは?⇒県の改正後の状況を見てきたが、そのような状況はなかった。 

 この議案は、土屋委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

請願28第2号 婚外子差別撤廃についての請願

 次の2点について、国に対して戸籍法の改正を求める意見書の提出を求めるものです。

(1)戸籍法第49条第2項第1号を削除し、出生届における、嫡出子、嫡出子でない子の別の記載欄を廃止すること。

(2)戸籍法第13条4号及び5号を改正し、戸籍の実父母との続柄及び、養親との続柄を廃止すること。なお、続柄廃止に伴い性別を明らかにする必要がある場合は、性別欄を設けること。

 この請願の紹介議員は、脇議員・加藤議員・味村議員・原田議員・竹村議員です。

酒井委員

 紹介議員に質問。嫡出子でない子は正常でない子、続柄が差別とのことだが、企業の就職差別について、記載がなくなっても事実が分かったら差別となるのでは?⇒(答弁 脇議員)言っていることが理解できない。子どもが生まれた環境に、子どもには責任はない。

柳田委員

 紹介議員に質問。1995年の判決は合憲、2013年の判決は違憲となった。社会通念的な理由、国際的な取り組みなども理由であったと思うが?⇒(脇議員)子どもの視点から見たら、差別されるべきものではないと社会通念が広がってきた。

 国連から、日本国に勧告が出されているが?⇒勧告が繰り返されている。日本はおかしい国ということ。

 この請願は、酒井委員のみ反対しましたが、採択すべきものと決定しました。

請願28第3号 「駆け付け警護の任務を付与された自衛隊の南スーダンからの即時撤退を求める意見書」の提出を求める請願

 戦闘行為を伴う駆け付け警護の任務によって命を落とす危険性のある自衛隊のの南スーダンへの派遣を止め、直ちに撤退することを求める意見書を政府に対して提出することを求めるものです。

 この請願の紹介議員は、柳沢議員・永井議員です。

 この請願は、柳田委員・土屋委員・酒井委員が賛成しましたが、採決の結果、不採択とすべきものと決定しました。

陳情28第29号 「自衛隊の南スーダンからの即時撤退、及び非軍事の人道支援、民生支援を強化することを政府に求める意見書」の提出を求める陳情

 「南スーダンの現地情勢に鑑み、PKO参加5原則は成立していないとの認識に立ち、現地に派遣されている自衛隊部隊を即時、全員帰国させること。非軍事の人道支援、民生支援を強化すること。」について、政府へ意見書の提出を求めるものです。

 この陳情は、柳田委員・土屋委員が賛成しましたが、採決の結果、主旨不了承となりました。

陳情28第30号 「閣議決定の撤回と自衛隊の南スーダンからの撤退を国に求める意見書」の提出についての陳情

 国に対して、11月15日に行われた閣議決定の撤回と、南スーダンからの自衛隊の撤退を求める意見書の提出を求めるものです。

 この陳情は、柳田委員、土屋委員、酒井委員が賛成しましたが、採決の結果、主旨不了承となりました。

報告(2)職員の不祥事事案の現在の状況及び再発防止に向けた取組について

 職員の不祥事案件の現在の状況と、再発防止に向けた取組状況が報告されたものです。内容の抜粋は次の通りです。

1. 生活援護課職員による生活保護費の不正支出について

(1)一次扶助費の不正支出

 元職員による一次扶助費の不正支出については、5月26日に本人より全額弁済(5,105,800円)されていますが、7月22日に神奈川県警察本部において告訴状が受理され、現在、藤沢警察署により、ID・パスワードを使用された職員、経理担当職員等への聞き取りが行われるなど、捜査が進められています。

(2)施術費(鍼灸・按摩・マッサージ等)の不正支出

 施術費の不正支出については、内部調査を継続し、10月24日に藤沢警察署に被害届(被疑者不詳)を提出しました。不正支出の内容は、前回の当委員会で、19件(10ケース)1,572,500円と報告しましたが、その後の内部調査で、さらに1件(1ケース)79,000円の不正支出を確認しましたので、被害額の総計は、20件(11ケース)1,651,500円として届出をしました。
 現在、藤沢警察署により、関係職員の指紋採取や事情聴取が行われており、引き続き施術事業所・名義利用された受給者等への調査が予定されるなど、原因者の特定に向けて捜査が進められています。

2. 学校給食課職員による給食費の私的流用について

(1)損害賠償金の支払い及び元職員への求償

 9月28日に食材費が未払いとなっていた食材納入業者に、損害賠償金として64,702,873円を支払い、また、当該損害賠償金を10月7日に元職員に対し、10月31日までに支払うよう内容証明郵便で請求しました。
 請求した金額は、現在も支払われておりませんが、支払期日当日に元職員から、支払意思のある旨が記載された回答書が内容証明郵便で届きました。

(2)回答を受けての今後の対応

 損害賠償金を全額回収するための手段として請求の訴えを提起するため、今定例会に議案を上程しています。議会での承認をいただいた後、訴状を作成し、12月から翌年1月までを目途に、横浜地方裁判所に提出する予定です。裁判により財産調査を行い、必要に応じて、管轄地方裁判所に強制執行を申立て、財産の差し押さえを行うなどの方策を用いて、債権の全額回収に努めていきます。

3. 不祥事の再発防止に向けた組織基盤の再構築

(1)一連の不祥事に係る全庁での情報共有

 ※割愛

(2)副市長による全管理職職員との意見交換

 ※割愛

(3)平成29年度組織改正に伴う公正職務の推進

 法務課が所管している法令遵守総括業務及び、行政総務課が所管している内部統制制度総括業務を、新設する行財政改革推進室に移管します。行財政改革の推進を所管する同室が主体となって、「業務の見える化」や「業務分析」など行財政改革に必要な作業を行うことにより、リスクの所在を見極め、そのリスクに対応する手法の構築をこれまで以上に推進していきます。

4. 不祥事の再発防止に向けた内部統制制度に基づく事務事業の見直し

(1)日常業務に潜在するリスクへの対応

 ① 契約・文書事務の執行管理について

 事務執行は、事務取扱規定や要綱・要領、マニュアルなどで定められた規程類に基づき行うこととしており、適正に行うことを改めて再徹底します。また、悪意による情報漏えいのリスクについて対策を講じます。

 ② 事業の記念品等として購入した物品や金券の在庫管理について

 事業記念品や金券は主に消耗品として購入しており、在庫管理の明確な規程がなく、不正防止の観点から、台帳管理及び在庫管理をすることを基本に、具体的な物品の性質を勘案しながら適正な管理方法を構築します。

 ③ 価格の高い消耗品の在庫管理について

 これまで、購入単価が10万円以下の物品は消耗品として購入しており、在庫管理等の規程はありませんでしたが、不正防止の観点から、台帳管理及び在庫管理すべき物品の基準を整備します。

 ④ 印鑑の管理について

 各種団体の事務局として保管している団体印等については、藤沢市公印規則に準ずることを基本としますが、団体印等の性質などを勘案しながら、適正な管理方法を構築します。

(2)準公金の取り扱いに関する監査の実施

 準公金を取り扱う業務について、監査委員による行政監査を11月から実施しています。

(3)保管金の適正な取り扱いに向けた庁内ルールの確立

 ① 収納事務における保管金

 すでに内部統制制度に基づき、事務執行を見直すことで、収納の際には、複数の職員と納付者本人が納付書類と受領金額の確認を行い、また、窓口開設時間中も定期的に納付書類と現金を確認するなど、過不足を発生させないための体制を構築しています。
 しかし、万が一、余剰金・不足金が発生した場合の処理方法については、今後、実務上の課題を検証し、今年度中に策定する不祥事再発防止策に反映していきます。

 ② 教材費等残金

 公民館で教材費等を集金し、必要経費を差し引いた後の残金については、原則として受講者に返金していますが、返金できないほどの少額の場合は、公民館内で保管している実態が明らかになりました。この現金の取り扱いについても、今年度中に策定する不祥事再発防止策に反映させていきます。

5. 不祥事の再発防止に向けた外部評価による再発防止策の検証

 一連の不祥事に対して講じた対応策が適切であったのか、他に有効な対応策があったのかを検証するために、第三者である外部有識者(弁護士、公認会計士、金融関係職員)に妥当性・有効性について、それぞれの見識を生かした評価を依頼しています。
 評価結果については、不祥事再発防止策に反映させることにより、実効性を高め、組織としての自浄能力の回復に繋げていきます。

6. 今後のスケジュール

(1)平成29年1月上旬 不祥事再発防止策(案)の策定

(2)平成29年1月下旬 不祥事再発防止策(案)に係る外部有識者の評価結果の受領

(3)平成29年2月中旬 下旬 2月議会の総務常任委員会に「不祥事再発防止策(案)」を報告

(4)平成29年3月上旬 不祥事再発防止策の公開

酒井委員

 施術費(鍼灸・按摩・マッサージ等)の不正支出について、その後の1件も現金が見つかったのか?⇒見つかっていない。

 警察への被害届は、一体として扱っているのか?⇒19件は警察にて開封した。その後の1件を足して被害届を出した。

 被害届が10/24に受理となったが、遅いのでは?⇒9月以降、弁護士・警察と協議をした結果。

 被疑者不詳だが、告訴できないのか?⇒告訴に向けて協議してきたが、警察の方から、被害届でも捜査することが確認できたため。

土屋委員

 給食費の件について、元職員からの回答内容は?⇒月々、少額の分割払いを希望するとの記載があった。

 発覚前に、財産を他人名義に移していた場合、その財産は差し押さえ可能か?⇒強制執行できるのは、本人名義のものだけ。

 現時点での回収見込みは?⇒財産の有無の調査もできていない。判決後、調査、債権回収に努めていく。

 行政監査の実施状況は?⇒3月までに結果を出す予定。

 外部評価について、具体的にどう進めていくのか?⇒外部有識者に個別に説明して、意見を聞いている状況。 

報告(3)ふるさと納税制度の活用に係る検討状況について(報告)

 ふるさと納税については、寄付金控除の増大による市税収入の減少があり、何らかの対応を図っていく必要があることから、本市として、藤沢らしいふるさと納税制度の実現に向けて、検討することとしました。その検討状況が報告されたものです。

1. ふるさと納税制度について

 ふるさと納税は、自分の選んだ自治体に寄附をした場合に、寄附金額のうち2,000円を超える部分について、一定の上限はあるものの、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です。
 この制度により、全国の自治体に様々な影響が出ていますが、本市における市税収入の減少額を平成27年度の寄附金受入額と寄附金控除額(平成28年度課税)の差し引きから推計すると、約2億8,000万円となり、大きな影響が出ています。

2. ワーキンググループでの検討結果

(1)基本コンセプト

 ① 返礼品競争とは一線を画す。

 ② シティプロモーションの観点を重視する(藤沢らしい・オンリーワン)

 ③ 返礼品については、シティプロモーションに資するものを前面に押し出すとともに、その場合は、特徴的・印象的なものとなるよう努める。

(2)返礼品の基本的な考え方

 ① 藤沢市に来たくなる、住みたくなるような観光や収穫体験などの権利・体験型の返礼品。

 ② 藤沢市を感じるような特産品型の返礼品。

(3)対象者層

 ① 主な寄附者として想定する対象者の年齢層は30~40代とするが、将来的な動向も踏まえ、多くの層から寄附していただける制度設計に努める。

 ② 地方の方よりも都市部、特に関東近郊の方を対象者層とする。

(4)ふるさと納税制度の諸課題への対応

 ① 藤沢市民からの寄附に対する返礼品は、食品等を中心にして地産地消を図るとともに、郷土愛の醸成につながる体験ができるよう検討を進める。

 ② 多くの自治体が返礼品を設けたふるさと納税を受けている中で、差別化を図る。

 ③ その他、寄附金の使途や返礼品の選定理由について、アピールできるような仕組みを検討する。

(5)運用体制

 ① インターネット上で寄附の申込・返礼品の選択・寄附金の決済までの一連の手続きができる仕組みを構築する。

 ② 年間数千件の規模となることが想定されるため、当面はシステムの構築から寄附金の収納管理、返礼品の発注、配送、問い合わせ対応、返礼品の企画・調達までを一括して委託する方式により実施する。

 ③ 委託事業者の選定方法は、藤沢らしいふるさと納税制度の活用のために、価格だけでなく、本市の考えに合った事業者を選定する必要があることから、公募型プロポーザル方式とする。

(6)寄附金の使途の明確化

 ① 既存の基金に積み立てることで、使途の明確化を図る。

 ② 既存基金分野外については、一般寄附金として当該年度の事業に充当する。

 ③ 教育・人づくり、子ども・子育てに係る分野などへの使途について、明確化できるよう今後検討する。

(7)返礼品の具体案

 ① 委託事業者及び本市の相互提案により、藤沢らしい返礼品が導入できるよう実現可能性などを含めて検討する。

 ② 導入する際に判明した課題については、委託事業者と協議する中で解決を図る。

3. 歳入歳出予算の見込み

 近隣他市の平成27年度の受入れ状況を踏まえると、本市の受入れ件数は約2,500件と見込まれ、平均寄附額を1件あたり1万円とすると、歳入総額は2,500万円と想定される。また、返礼品の代金を含めた歳出額は、委託料の設定を寄附金額の50%とした場合は約1,250万円となります。

4. 今後の予定

(1)平成29年6月 6月議会の当委員会に進捗状況を報告

(2)平成29年7~8月 インターネット上での寄附金受入れ開始

神村委員

 現状、2.8億円が流出している。藤沢市の経済振興につながるものとすべきだが?⇒特産品は一定の確保が必要。委託事業者と協議して進めていく。地域経済団体と体験型を考えており、観光など滞在型について、経済振興につながるよう検討していく。

佐賀委員

 実際に、特産品など結果的に競争となっている。一線を画すというが、競争となり得る返礼品も検討すべきだが?⇒還元率が高すぎる、資産性が高すぎるものは避ける。地元に根付いているものなど、藤沢市にあったものを検討していく。

 3月~4月に返礼品の募集とあるが、ここから返礼品の募集をしていくのか?⇒公募でアイデアを募集していく。

 3月~4月に募集とのことだが、事前のリサーチを事業者がすべきだが?⇒プロポーザルの審査の中で、アイデアも含めた提案をしていただいて、更に良いものにしていく。

土屋委員

 返礼品でなく、施策の充実、特に子ども・子育ての充実も合わせてしていくべきだが?⇒寄附金の使途について、教育・人づくり、子ども・子育てに係る分野などへの使途について、明確化できるよう今後検討していく。

柳田委員

 都市部から地方へ税が流れる状況ある。近隣、都市部の取り組み状況は?⇒ふるさと納税は、返礼品ランキング、限定品など、ネットショッピング化している。県内では、横浜市が実施していない。三浦市では鮪がメインでプラスとなっている。箱根町では5億円を超えている。他の都市部では減収を防ぐ目的が多い。

東木委員

 やるからには徹底してやるべき。納税したくなる返礼品が必要だが?⇒具体的なアイデアは、これから十分検討していく。市民の意見を参考にして進めていく。

 企業版ふるさと納税も検討すべきだが?⇒東京圏など都心部の不交付団体は、企業の寄附の優遇措置は受けられない。

報告(4)公共料金の見直しについて(中間報告)

 公共料金の見直しについては、6月議会、9月議会の当委員会にて、検討状況の報告がされました。当初予定では、料金改定する公共料金について、12月議会において関係条例の改正案を提案し、平成29年4月1日施行としていました。このため、見直し作業を進めてきましたが、基準料金の算定作業などに予定より時間を要したため、個々の改定額を判断するための検討を引き続き行う必要が生じました。
 そのため、改正案の提出及び施行時期を変更し、今後も継続して検討をしていくとの報告がありました。

土屋委員

 3年ごとに必ず見直すのか?⇒見直しが直ちに値上げになるわけではない。今後も3年ごとに見直していく。

 ※ 以上、報告としますが、今日の委員会は面白かったです。議員間討議をしましたが、レベルの高い討議で、見解の相違で討議が平行線になるのなら良いのですが、そうはなっていませんでした。議員の勉強不足です。また、一般職員の給与改定議案では、賛否が分かれましたが、議員間討議はなされませんでした。本音で言いますと、私が議員間討議に参加したかった。過去の経緯の詳細は全て把握していますので、どんな指摘にも対応できます。人事院勧告のマイナス勧告の経緯、行革でどれだけ人件費の縮減してきたのか、その経緯を知らない議員の指摘に、まったく説得力はありません。今後も、職員が自信とやりがいをもって働き続けられる市役所にしていくために、その役割を果たしていきたいと思います。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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