2013.10.25 ~これからの防災教育~

 10月25日 15:30より、湘洋中学校体育館において、湘洋中・辻堂小・鵠南小学校合同の防災講演会が開催され、参加しました。講師は、地震学・災害情報・防災教育を専門とする、大木聖子さん(慶応大学環境情報学部准教授)。いつか必ず来る大地震から命を守るために何をしておくべきなのかなどについて講演を受けました。

 地震は自然現象であり、例えば誰もいない砂漠や無人島に起きても、それは自然現象で自然災害にはなりません。そこに人が住んでいるから、災害となるのです。自然現象を災害にしないために何をするかが大切なのです。

 阪神淡路大震災の映像も映されましたが、その大きな揺れは約15秒でした。そして、大地震の時は人は動けないという状況がよく分かりました。ですから、その15秒間に命を落とさないようにすればいいと先生は言います。命を守る3つのポイントは、「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」この3ないの環境をつくれば、地震から命が守れるわけです。

 家の状況を思い浮かべてください。寝ているときに地震が起きたら、家具の下敷きになりませんか?テレビの下敷きになりませんか?食器棚が倒れて食器が割れたりしませんか?そういうことは、簡単に防げるのですが、簡単が故に、また、いつ起こるか分からないがゆえに、後回しになってはいないでしょうか?阪神大震災で亡くなった方の多くは、家具の下敷きや、下敷きになって逃げ遅れて火災に巻き込まれたケースが多かったといいます。

 大木先生は、学校の中で、地震が起きた時、子どもたちがどのように命を守るのか?自分で考え、自らの命を守る、そして、そのことが家族の命を守ることにつながる。このような、実践的防災教育を全国で展開していると言います。強い地震が長く続いたら、必ず津波が来る。だから、高台に避難する。実践的な訓練の繰り返しが大切だと。

 今回の講演を聞いて、本当に大事だと思ったのは、とにかく自分で考えること。教育であれば、先生たちが自分で考え、そのきっかけを子どもたちに与える。大木先生も経験を言ってましたが、最初は学校の先生たちも、面倒といって乗り気でなかったが、やるにつれて、どんどん子どもたちが自ら考え、実践していく様子が良くわかり、先生たちも一生懸命に考えるようになったと。

 目的は、自分の命をどう守るか、家族の命をどう守るか、子どもの命をどう守るか。そのためには何をするべきなのか、その手段を考える。そして、学校の役割、行政の役割、議会の役割など、それぞれの立場で行動することが大切なのではと思います。

 私は、大木先生に、神奈川県が示している津波の最大高さ10.7mについて、片瀬、鵠沼、辻堂地区では平らな地形のため、津波避難ビルや学校に避難することとなるが、10.7mという数字をどう捉えればよいのか?と質問しました。答えは、高く見積もっても10mとみておけば十分ということでした。

 湘洋中学校の津波対策について、バレー、テニスコート、体育館などを活用して対策ができないか、その基本構想を平成24年度補正予算で予算化されています。その基本構想はまだ議会に示されていませんが、今後の議会の中で、しっかりと大木先生の講演も踏まえて、対応していかなければなりません。また、この講演会終了後、湘洋中学校の津波対策について、抜本的な対策を求める陳情について、署名の協力依頼がされていました。おそらく12月議会に陳情が出されると考えます。私なりに考え、判断をしていきたいと思います。

 以上、報告とします。

 


おおや徹

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