2012.7.6 関東甲・自治体議員連合総会/学習会

 7月6日 13:30より、平塚において、私の出身組織の自治労組織内議員による、総会と学習会が開催され、出席しました。総会で、この1年間の活動報告と来年度の方針を確認し、学習会にうつりました。

 学習会は、石巻市議会議員の「千葉 眞良」氏から、「東日本大震災・石巻市の被災状況及び現状と課題」をテーマに、話を聞きました。概要は次の通りです。

1.3/11ビデオ

 まず、千葉市議の家から300mの建物の屋上から撮ったビデオが放映されました。海から、道路を伝って宅地の方に押し寄せる津波。最初はひざぐらいの高さで押し寄せたと思っていたら、みるみるうちに濁流のように水かさを増し、どんどん車や家を飲み込んでいきました。ビデオからは、屋上の人の声が聞こえましたが、「やばい、やばい」という繰り返し。改めて、震える映像でした。

2.震災と震災後の状況

 石巻市は、人口約16万2千人で、そのうち死者は3,100人、不明者は494人で計3,594人。千葉市議は、約250世帯の町内会の副会長をしていて、40人が亡くなったとのこと。「家族を自分のせいで死なせたという話をされた方に、そんなことないよと、声を掛けた。」と言いながら、涙ぐんでいた。被災後は、ガレキの上を歩いて生活していたので、釘を踏んで破傷風となる人も多かったそうだ。市の総務部長も、家族を亡くし廊下で泣いていたという。市民の前では泣けないから。

 震災直後は、食料がなく、千葉市議も1日、チョコレート1個やクッキー1枚で過ごしたそうだ。関東からの食糧が届かず、北陸からおにぎりが届いたが、道路の確保が出来ていなかったので、おにぎりは期限切れ。しかし、期限切れなど気にしなくなっていたそうだ。更に、通常では、泥棒と言われるが、津波で散乱している缶詰や真空パックの食糧、被災したコンビニなどから勝手に食料を持ってくる状況だったという。市議としての思いは、市民を飢え死にさせないことが一番で一生懸命に食料を調達したという。こんな時代に。自衛隊が入り、ようやく食料が配布できるようになったという。

 市の職員は、目の前の対応で精いっぱい。どこからか来て、第2市役所でもやってほしいと思ったそうだ。住民票や罹災証明など、事務手続きなど、手が回らない。★そのために、自治労という組織があると、私は思います。3/11のような被災があったとき、自治労チームを被災地に派遣し、震災対応以外の市役所機能を設置して、行政としての役割を果たす。今回の震災を踏まえ、自治労組織として、準備をするべきと考えます。

3.仮設住宅の状況

 石巻市では、家屋の全壊が22,357棟、一部損壊が20,364棟と計53,742棟。全体の72.6%が被災した。仮設住宅は、当初2年間という期間だったが、3年間に延長されたという。逆に、仮設住宅は、2年間しか住めないつくりとも言う。台所やお風呂は狭く、仕切りも仮設のためプライバシーを守れない状況だそうで、限界がある。仮設住宅は7,297戸、民間賃貸が6,568戸で、まだ足りていない。

4.漁港及び市場

 石巻市は漁業のまちである。漁港は県管理10港、市管理34港、計44港で、すべてが被災した。応急修繕で2船がつけるようになっているらしいが、本格的な改修はこれから、現在、市管理の2港の発注がされているそうだ。

 また、市場についても全壊したが、昨年の11月から仮に業務再開。平成25~26年度で新市場施設の建設を予定しているとのこと。

5.水産加工団地

 水産加工企業は、震災前に84社あり、再開したのは30社である。再開するにも2/4が国補助、1/4が県補助、残り1/4は融資を受けての再開となる。しかし、震災前の借財処理をどうしていくか。6割が復活すればと思っているという。

6.農業について

 水田の作付けは徐々に始まっているが、北上川の堤防が決壊したままで、その地域はまだまだ先となる。農家の方たちの再生に対する気力がない状態でもあるという。

7.災害ガレキについて

 災害ガレキは、約300トンで、今後に解体する家屋を含めれば616トンと推計され、石巻市で処理できる量の100年分に当たる。5基の焼却施設整備を予定しており、1基は試験運転中。ガレキ処理の広域化について、放射能汚染など、色々意見出ているが、石巻市民は、1年4か月、ガレキを枕に生活をしている。ガレキが本当に悪いものだったら、別に良いと思っている。他人に迷惑を掛けたくないと。石巻の空間線量は0.06マイクロシー゙ルト/時。

 現在、街中にガレキはなくなったが、集積所は満杯の状態。なので、これから壊す家屋を壊せない状況にあり、次の工程に入れないでいる。だから、広域での処理ができないかと思う。私は、現地を見ないでものを言わないでほしいと言いたい。そして、1~2年ではどうにもならない、5~10年かかると思う。石巻の事を忘れないで支援をしてほしい。現在も市役所は機能不全で、外からの視察を受け入れていないが、私は日程が合えば、案内をしていく。との事でした。

8.課題

 家屋が全壊しても、防災集団移転地域でなく、住める地域の住民は困っている。生活再建支援金300万円の支援しかなく、住宅を建てるための支援制度がないため、5割の人は他に住みたいと思っている。隣の女川町のように原発関連で財政の良い自治体は独自の支援が出来るが、石巻では厳しい。財政力の差によるのではなく、国に支援措置を要望していく必要があると言う。

★感想

 実際に、津波を経験し、食糧配布も後回しになった市議からの経験談は、意義あるものでした。話を聞きながら、眼を閉じれば、現地の状況が本当に想像できるようでした。放射能問題が藤沢市議会でも多く審議がされていますが、審議内容を被災地で生活している人々に聞かせられるのか?そして実際、藤沢市が被災したときに、議員として何をするべきなのか?色々と考えさせられた話でした。この話を無駄にしてはいけないと思いました。

 今回の関東甲総会を平塚で開催したのは、ちょうど七夕まつりだったからです。私も、近くに住みながら、なかなか見に行く機会がなく、関東各地から参加した議員とともに、久々に七夕まつりを観ることが出来ました。やはり、被災地の復興を願う飾りが多くありました。写真は、被災地の状況を語る千葉石巻市議と七夕祭り。

 

 

 

 

 

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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