6月定例議会を終えて(所見)

 私(おおや 徹)が市会議員になって初めての定例議会が、昨日閉会となりました。今回の議会で、疑問に思ったこと、こうあるべきだと思ったことなどの所見を述べたいと思います。

1.議会ルールについて(討論について)

 今回の議会では、議案に対する質疑・討論、各常任委員会での質疑・討論、一般質問などがされましたが、なかなか一般の市民の皆さんには、わかりにくいと思いました。議案に対する質疑とは、純粋な質問であり、意見を述べてはいけないのがルールのようです。意見があれば、討論で述べることになります。今回感じたのは、討論の必要性です。

 例えば、陳情について、その内容が、一般的にみて「その通りだ」と納得できるものに対して、あえて反対する場合、なぜ、あえて反対なのか、その理由を討論で述べる。こういった場合は必要だと思います。しかし、一般的にも賛成な件に対して、あえて討論を行い、賛成の意見を述べる。これは必要ない討論だと感じました。また、こういった討論が多く見受けられました。

2.議会のルールについて(質問形式について)

 今回の議会では、私も含めて21名の議員が一般質問を行いました。一般質問には、一括方式と一問一答方式があります。一括方式は、意見や考え方を述べたあとに一括して、いくつかの質問をし、市側が出された質問全てに、答弁する方式であり、質問が多いと、わかりにくいということから、一問一答方式が導入された経過があります。一問一答とは、質問→答弁、質問→答弁の繰り返しなので、内容も流れも分かりやすいと思います。

 しかし、今回の議会では、市側が、次に予定している質問の答弁をしてしまったり、質問→答弁が原稿化されていて、読み間違えるというお粗末な点もありました。質問と答弁を聞いていて、やはり理解しやすいのは、一問一答方式と思いました。

3.議会のルールについて(質疑通告について)

 藤沢市議会の場合、質疑を行うには、事前に通告する事となっています。通告をし、市側と答弁調整をして、議会に臨むこととなります。「だから、原稿を読み合う、出来レースになるのだ!」という意見もあるかも知れません。しかし、質問を事前に通告するには理由があります。事前通告することにより、質問の主旨やねらいを市側に的確に伝える事が出来るからです。

 しかし、一問一答方式で気になったのは、質問→答弁を仮に10回繰り返すとすると、その全てを原稿化することです。だから、今回のように、行を間違えて次の質問の答弁をしてしまうのです。一問一答の最初の質問、すなわち質問の主旨やねらいを明確に伝え、その主旨を的確に理解した答弁をする。そこまでは答弁調整をして原稿化してもいいと思いますが、それ以降は、原稿なしで、質問→答弁を繰り返した方が、有意義な結果になると思いますし、議員も市側もお互いに述べていることを真剣に聞き、緊張感を持ったやりとりになると感じました。

4.議会のルールについて(質問時間について)

 藤沢市議会の場合、一般質問の時間は、1時間以内となっていて、質問開始とともに、60:00→59:59とカウントダウンが始まります。今回は21人の議員が一般質問しましたが、私が強く感じたことは、「この質問は何が目的なのか?」というものが多かったことです。自分の成果や政党の成果を強調したり、わかりきった質問をしたり、何か、1時間という枠をめいっぱい使うことが目的となっているとも感じました。主旨やねらいを明確に示して、質問を行えば、もう少し簡潔で意義のあるものになると感じました。

5.今議会の特徴点

今回の議会は、東日本大震災の後の定例会ということもあり、防災対策や放射能対策などが重点的に議論されました。今回の議会審議での特徴的なもについて、私の考え方も含めて述べます。

①放射能測定については、多くの陳情が出され、一般質問でも多く取り上げられました。総じて、農水産物や学校給食食材の安全性については、国の基準に沿って、県が測定しており、現在まで基準値以下であり、安全なものが市場に流通している。だから安全です。と言うのが市側の見解です。従って、率先して市民の皆さんの不安を解消しようという姿勢が全く見られませんでした。私は、市民の皆さんに一番近い「公」が市です。その市が測定・公表することにより、市民の皆さんの不安が解消できるのであれば、率先して、いち早く対応するべきと思います。

 また、学校や保育園などの土壌やプールの放射能測定についても同様で、陳情や一般質問の時に、「測定しています」と答弁できるための測定のように思えます。言われたからやる、というのではなく、視点を常に市民の安全、信頼において対応してほしいと感じました。

★放射能測定について、市で高精度の測定器を購入し、測定・公表を行うべきという質問が出されました。市側は、県に測定箇所の増設を要望していく。としましたが、今回の一般質問では、福島第一原発の事故に伴うことしか質問されていません。答弁の中にも、福島から250km以上離れているという言い方もされていました。

★しかし、すぐ近くの横須賀港には原子力空母「ジョージ・ワシントン」があるわけです。原発と構造はなんら変わらず、横須賀港に原発があると言っても言い過ぎとは思いません。従って、福島原発を意識しての測定より、横須賀に対して、平常時に市が測定・公表することが、絶対に必要だと思います。今回の議会の中では取り上げられませんでしたので、次回、何らかの形で、取り上げようと思います。

②津波対策については、今後、津波避難誘導マップを作成して、それを基に、各地区でワークショップ形式で、議論した上で、各地区ごとに避難誘導のスタイルを確立するというのが、市側の考えとして示されました。また、第一種住居専用地域や風致地区といった、高い建物が建てられない場所については、建てられるような措置をとっていくとも示されました。

 私は、高い建物の対応については、人任せのように感じました。津波到達まで5~10分といわれています。ワークショップ形式で議論した結果、どうしても5~10分で津波から安全を守れないとしたら、誰が責任をとるのでしょうか?要援護者をどうやって守るのか。空白の地域があった場合、行政の責任において、津波避難タワーなどの施設を設置する必要があると思います。

③防災無線については、市民の皆さんから、聞こえにくいという声が寄せられており、市としては、平成19年に調査した結果を踏まえて、今年度に24基を南部に増設することとしています。しかし、防災無線の設置については課題もあります。議会の質問や答弁では一切触れられませんでしたが、防災無線は必要、しかし、私の家の前は反対、ということが多く、対応する市職員の苦労もあります。私は、気持ちは分からないでもないですが、市民の命を守る手段としての防災無線ですので、市民の皆さんのご理解をいただきたいと思います。

 また、防災ラジオを現在開発中とのことです。これは、防災無線情報をラジオから聞けるものです。電源をオフにしていても、強制的に放送が流れるもので、効果的といえます。屋外にいる人のために防災無線は必要であり、なくすことは出来ませんが、防災ラジオが開発され、家庭での整備が進めば、様々な課題が解消されると思います。

④中学校給食については、陳情理由、一般質問でも、中学校給食の必要性が訴えられましたが、どうも、中学生の食育より、親の理由に過ぎないと感じました。言い方が適切でないかも知れませんが、親が弁当を作る、弁当箱を洗うのが面倒だから中学校給食をやってほしい。というように私には聞こえました。本来の学校給食の目的とは違います。中学校給食を実施する目的と必要性、配膳時間や食べる時間を踏まえた日課表との兼ね合い、給食調理場を設置する場所の実現性、栄養士・調理員の配置など、様々な課題をしっかりと考えた上で、議論するべきと感じました。

6.百条委員会を設置

 藤沢市善行の私有地を不自然な経緯で市土地開発公社が取得した問題で、これまで3度にわたり否決されてきました、百条委員会が全会一致で設置されました。私も、市民の皆さんが、税金の無駄遣いではないか?という疑問に誠意をもって応える義務があると思います。一方で、いつまで、ごたごたしてるのか?それより、あの土地の有効な活用を考えるべきとの意見もいただいています。そういった意見も大切にしながら、対応していきたいと思います。しかし、3度にわたり反対していた議員の皆さんは、一体なんだったのか?と思いました。

※百条委員会とは、地方自治法100条に基づいて設置される特別委員会で、関係者を証人として出頭を求めたり、記録を提出させられる調査権を持つもので、正当な理由なしに拒否することは出来ません。また、虚偽証言を行った場合は、禁固刑を含む罰則が科されます。 従って、今までの議会の中で、食い違った発言や不自然な経緯の解明が期待できます。

7.議員定数削減提案を否決

 自民党、みんなの党の議員の皆さんから、36人の定数を32人に議員定数を削減する提案がされました。私は、議員定数の削減について反対するつもりはありませんが、少なくとも、議員の役割・責任・義務・日常の議員活動のあり方などを、しっかりと議論し、41万市民の意見・要望の受け皿として、いったい何人が必要なのか?ということを議論せずに、ただ単に、選挙公約だからとか、定数削減で生み出した財源を福祉や環境へまわすべき。という抽象的な考えによる、提案には賛成できませんでした。また、本当に削減したいという姿勢が見られなかったのも事実です。本当に削減したいのであれば、各会派に十分な説明や説得をするのが普通です。提案をして、否決されて、「私たちは削減提案したけれど、否決されました。」と実績を残すことが目的のように感じました。

8.それぞれの役割

 今回の議会を経験し、質問の言い方、態度など、少し違うのではないか?と思いました。簡単に言うと、議員は偉いと勘違いしている人がいると感じました。議員は決して偉くなんかありませんし、市会議員と市の職員に上下関係などなく、役割分担なだけです。市の職員の中には、上司・部下といった上下関係はありますが、議員と職員の間には上下関係はないのです。同じように、国会議員・地方議員・国家公務員・地方公務員・民間企業の社員・個人事業主・農家・漁師など、社会の中での役割が違うだけで、上下関係はないはずです。立場が人に勘違いをさせているのかも知れませんが、決して勘違いをしてはいけないと思います。私も、決して勘違いせずに、活動を続けていきたいと思います。

 以上、簡単ではありますが、初めての議会に対する私(おおや徹)の所見といたします。今後も、ホームページでの報告をしていくつもりですが、細かくてわかりにくい。文字が多すぎて読む気がしない。などご意見があると思います。そういった場合には、ぜひメールなどでご意見をお寄せ下さい。

 メールアドレス:ohya.toru@gmail.com   まで。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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