2021.9.21 本会議(6日目)~一般質問

 9月21日 10:00より、藤沢市議会9月定例会(6日目)が開催され、引き続き一般質問が行われました。

※一般質問は、質問者と市側で答弁調整をしているため、質問・答弁のメモをとるのが難しいことから、これまでは、質問の抜粋のみを掲載していました。しかし、議長・副議長は議事運営をする立場なので、質問の要旨、答弁の原稿が手元にあることから、そこから抜粋・要約して掲載します。関心のある質疑については、インターネット中継録画、議事録等をご覧ください。

通告10番 山口議員

1. 東京2020オリンピック競技大会について

(1)オリンピック開催地として

 東京2020大会が9/5に閉幕となったが、本市は、セーリング競技の江の島開催が決定してから、これまでの間、どのような取組をし、どのような役割を担ってきたのか?⇒2015年にオリンピックのセーリング会場に決定した後、支援委員会において、市民参加型の大会実現とレガシーの創出を柱とする支援方針を掲げた。本市では、気運の醸成、セーリング競技の普及啓発、シティキャストの運営、3カ国の事前キャンプの受入れなどに取組んできた。大会が1年延期となり、直前に無観客が決定したこともあり、活動の中止や大幅な見直しを余儀なくされた。感染症対策にあたっては、安全安心の大会となるよう、医療や救急、危機管理等の面において、県や関係各課と連携して、必要な取組を進めてきた。本市としては、地元関係団体と連携した大会気運の醸成や、おもてなしを図るなど、地元自治体として役割を果たしたと認識している。

 セーリング競技の普及啓発や大会の盛り上げ、関係者へのおもてなしなど、どのように取組み、その成果は?⇒競技放映を予定していたライブサイトを中止としたことから、それに代わる取り組みとして、インターネットでのライブ映像にあわせて、ツイッターでオリンピアンとトップセーラーがレース状況を解説、発信する企画を県と協働で実施した。1日平均15万回アクセスがあり、多くの方にセーリング競技の魅力を知っていただけたと思う。また、選手や関係者へのおもてなしは、競技会場内に市立小学生が育てたアサガオを配置、地元の皆さんによる「東京五輪音頭・江の島ヨット音頭」で歓迎した。

 無観客となり、シティキャストとしてメインとなる案内の活動が無くなった。このような中で、シティキャストの皆さんは、どのように大会に関わったのか?⇒案内活動に代わる取組として、参加者を県内在住者に限定したうえで、競技会場入りする選手を横断幕と手旗で歓迎する活動や、大会に関するメッセージ動画や写真を配信していただくなどの活動を実施した。

 エジプト、エルサルバドル、ポルトガルの3カ国の事前キャンプの受入れをした。コロナにより様々な制約がある中、選手団へのおもてなしや、市民との交流などは、どう取組んだのか?⇒選手団の行動が制限される中、映像により日本文化を紹介しながら江の島観光を楽しんでもらうバーチャルツアーを実施したほか、本市ゆかりの記念品などを贈った。特にポルトガル選手団の受入れの際には、本市ゆかりのパラリンピアンや、藤沢市障がい者スポーツ連絡協議会、善行地区社協などの皆さんに練習の様子を見ていただいたほか、夏休みの子どもの居場所事業「サマースクール」に参加していた児童に観覧席からの応援や選手村へ出発するバスの見送りをした。また、善行地区にある児童養護施設の子どもたちからの応援メッセージ動画の放映、JAさがみの協力で藤沢産果物の提供などをした。

 セーリング競技の開催にあたり、交通規制が行われたが、地元への説明や通行時の配慮などの対応状況は?⇒規制にあたっては、組織委員会より、住民や事業者への説明会の開催、「通行確認証」の発行など、住民生活に支障が生じないよう、最大限配慮する中で行われた。

 無観客になったが、競技会場の江の島への影響は?⇒直接的効果は当初見込んでいたような効果は得ることは困難だったが、オリンピックのセーリング競技の開催を通じて「藤沢・江の島」の名が、広く国内外に発信されるなど、間接的な効果は非常に大きかったと捉えている。

 大会を終えて、シティキャストなど市民参加の取組で得た実績や経験を、今後、どう活かしていくのか?⇒本大会に関連する様々なボランティア、イベントに大変多くの皆さんが関心を寄せ、参画していただいたこと、更に、コロナ禍であっても、何ができることはないかと立ち上がっていただいたこと、これらは、藤沢市の未来に向けて、大変心強いことと受け止めている。また、シティキャスト後のボランティア活動について、現在、来月1日の運用開始に向けて、ボランティア情報を集約したウェブサイト「チームFUJISAWA2020」の準備を進めている。今後は、こうした仕組みを活用しながら、ボランティアをはじめとする様々な地域活動へとつなげていく。

2. 観光施策について

(1)海水浴場について

 今夏の海水浴場について、昨年、一昨年と比較してどうだったのか?⇒8/15に休場するまでの間、市内3海水浴場の合計で56万9,000人だった。令和元年度が155万1,000人、令和2年度が25万6,000人だったが、1日平均では、前年度の3倍、前々年度の1/2程度となった。

 ビッグデータを活用した属性の傾向は?⇒ビッグデータの分析によると、来場者の60%以上が県内居住者、20%程度が東京都からとなっており、県内居住者のうち25%が市内居住者。また、年齢層は20-40代がそれぞれ20%程度、50代以上も35%程度の利用があり、幅広い年齢層が来ている。

 今年は、片瀬西浜・鵠沼海水浴場でブルーフラッグを取得しているが、その他、海水浴場でもSDG’sにつながる取組もあったと思う。どのような取組がされたのか?⇒片瀬東浜では、海水浴場組合による清掃美化活動のほか、NPOが運営するビーチクリーンを取り入れた子ども向けレクリエーションゾーンの設置や、釘を使用しない建物の普及啓発として、ライフセーバー警備救護所が設置・提供されている。他の海水浴場でも同様の取組がされている。

 海水浴場の開設主体について、多くの海水浴場では自治体が開設者となっているが、本市は海水浴場組合が開設者となっている。理由は?⇒本市の海水浴場は、明治19年開設以来、130年を超える歴史がある。昭和初期には、片瀬東浜に海水浴場組合が設立され、「神奈川県海水浴場等に関する条例」が施行された昭和34年頃には、各海水浴場組合が開設者となっていたと聞いている。海水浴場組合が長年培った知見や経験を活かして、その運営にあたり、現在に至っている。

 今夏、本市の海水浴場は県内で最後に閉場することになった。なぜ閉鎖に時間を要したのか?⇒各海水浴場組合においては、海の家の数が多く、従業員の雇用調整など、閉鎖に伴う課題整理をする必要があったことから、組合内での合意形成に一定の時間を要したと聞いている。

 市が開設者だったら円滑に閉鎖できたのか?⇒行政が開設者となった場合、速やかな閉鎖が可能となる一方、海水浴場の開設条件などについては、各組合や海の家との調整を十分に行う必要があると考える。

 来夏に向けて、どう取組んでいくのか?⇒今後の海水浴場運営において、県ガイドラインや本市海水浴場ルールの見直しを含めて、県や市と組合それぞれの役割分担を明確にするなど、課題の解決に向けて取組んでいく。

 コロナ禍での海水浴場運営について、先々に向けて課題に対する対策など、グランドデザインすべきだが?⇒来夏に向けては、各組合をはじめ海に関わるすべての方々が今夏の経験を糧として課題を十分認識し、必要な改善を行うとともに、地域住民の皆さんの意見を聞きながら、誰もが安心して楽しんでいただける海水浴場となるよう、市としての役割を果たしていく。

通告11番 東木議員

1. 「マルチパートナーシップ」について

(1)「高齢者の通いの場」の廃止と行政のむ在り方について

 「マルチパートナーシップ」について、職員全体にその理念、意識を徹底するための取組は?⇒職員には、庁議をはじめとする様々な会議や職員研修で、機会あるごとにその理念の共有を図っている。

 「高齢者の通いの場」の見直しにあたって、各団体の実施内容、利用者の声、地域からの評価、費用対効果、リスク評価をどう進めてきたのか?⇒利用者にとっての生きがいの場となっていると認識している。補助金の見直しにあたっては、各団体との話し合いで市の考え方を説明するとともに、各団体の今後に向けての意見を聞いてきたなかで、「地域の縁側」に移行していくこととなった。

 閉鎖による利用者のその後のフォロー状況は?⇒閉鎖による利用者への対応については、個別にフォローが必要であると団体が考える利用者については、団体から市や地域包括支援センターにつないでいる。

 閉鎖した関係者が活躍いただけるようにすべきだが?⇒今回の見直しにおいて、閉鎖を選択された団体には、これまでの経験やスキルを活用いただき、今後も活躍いただけるよう、より丁寧に相談させていただくことで信頼の回復に努めていく。

 見直しにあたっての手続のプロセスが見えないし、団体の言い分と違う。これだけ大きな方向転換なので議会や各団体に報告すべきだが?⇒今回、見直しに向けて事業者へ周知をしてきたが、説明の仕方に配慮が欠けていたこと、適切な資料の用意がなく、丁寧に伝えることができていなかった。今後、当該関係者の疑問点、今後の福祉サービスのあり方を整理し、丁寧な説明をしていく。

 特に本来守られるべき後期高齢者を犠牲にしたまま、事業を廃止することについて、同様の事例が起こらないよう、ガイドラインなどの再発防止が必要だが?⇒事業の見直し・廃止にかかるプロセス等のルールについては、組織内で方向性を確認し、場合によって、市民アンケート、意見交換、説明会を開催するなど、丁寧な説明や対応を図る必要がある。最終的または、ある程度目途がついた段階で文書による意思決定をする必要がある。このような手順の徹底を図っていく。

 今回、約20年間という長期間にわたり、高齢者・地域づくりに献身的に尽くしてくださった方々に深い不信感を与えてしまった。魂のこもったマルチパートナーシップの再構築を徹底してほしいが?⇒今回の見直しについて、プロセスに反省すべき点があり、団体の方々に不快な思いをさせてしまったことにお詫びする。改めて、市民、市民活動団体、各種法人等の多様な主体が、目的や意識等を共有し、その輪を広げ、マルチパートナーシップのもとに多様化する地域課題の解決につなげる仕組みを推進させていく。 

(2)デジタルを活用した若者との交流について

 高齢者を対象としたデジタルデバイド対策事業を4月から開始したが、その仕組みや取組、実績、反響は?⇒デジタルに不慣れな方を対象としたスマホ活用講座を実施している。8月末時点で延べ104人が受講した。参加者からは「分かりやすかった」「気軽に質問できた」など、前向きな評価を数多くいただいており、同時に「忘れてしまうので、繰り返し講座を受けたい」など、講座開催の継続を望む声もある。

 まだ、トライアルの段階であり、また、コロナ禍で人が集まることが難しいが、ニーズという点では拡充が必要と考える。今後の方向性は?⇒今後も継続的に公民館講座などを実施するとともに、携帯電話ショップやIT技術に精通したNPOなどによるスマホやマイナポータルの使い方の講習会や個別説明会について、開催の支援や広報による事業周知を積極的にしていく。また、大学生や若い世代がボランティアで取組んでいる事例もあるので、こうした取組とあわせ、デジタルに不慣れな方が身近な場所で、身近な人から学ぶことのできる環境を整備できるようデジタルデバイド対策を充実させていく。

 市内には4つの大学があり、地域側から声を掛けてきっかけを創る、そのチャンスだと思う。まずは、アプローチをしてみては?⇒指摘の取組については、従来は本市に毎日通学するはずだった大学生が、それができない中でスマホ講座をきっかけとして地域との交流が生まれることになれば、学生と地域の双方にメリットがある。まずは、大学に対し、現在の学生の状況や地域との交流ニーズを聞いた上で、関係部門と共有するなど、DXの柱であるコミュニティ、パートナーシップ、テクノロジーの取組を一つひとつ着実に進めていく。 

(3)新たな地域共生社会モデルについて

 この5年間、「藤沢型地域包括ケアシステム」として市が主役で進めてきたが、13地区が主役の地域づくりとすべきだが?⇒本年度は、各地区の協議体で新型コロナウイルス感染症の影響もあることから、会議形式にこだわらず、地域活動の中心となる方々に、活動状況や課題などのヒアリングを行い、地域ニーズをふまえた今後の協議体の進め方について検討しているところ。今後も、市側の押しつけとならないよう、地域の主体性を引き出し、世代や分野を超えて協働する「住民が主体」となる地域づくりを推進していく。

 地域づくりにあたり、今後の継続性、人材の確保、世代交代がスムーズに行われているかなど、ズームを活用して聞き取るべきだが?⇒各団体へのヒアリングについては、コロナ禍にあたり、可能であれば「WEB会議サービス」を活用するなど、地域ごとの意見を聞きながら準備を進めていく。

 各地域の2040年という長期的な視点が見えない。子どもや若者向けの啓発などの具体的な議論状況は?⇒各地区で子どもが地域イベントのスタッフになったり、クリーンキャンペーンへ参加したり、また、高校生や大学生がスマートフォンの利用サポートや地域のごみ拾いに参加したりなど、若い世代が地域活動に参加するきっかけづくりが行われている。

 鈴木市政の「多様な主体との連携、マルチパートナーシップ」について、改めて市長の見解は?⇒私は、市長就任以来、「人の和」を大切に、市域全体に広がるよう、マルチパートナーシップによるまちづくりを推進してきた。しかし、コロナ禍により、地域社会では、子どもや高齢者の貧困、低所得者の若者の増加、8050問題などの生活格差が表面化し、重層的に取組むべきと捉えている。2040年を見据える中、「誰一人取り残さないまち」をめざし、多様なマルチパートナーシップのもと、協働する支えあいの地域共生社会の構築を進めていく。

2. 「魅力あふれるふじさわづくり」について

(1)藤沢駅周辺のトータルデザインについて

 エリアマネジメント導入後の広場活用の現状と見えてきた課題は?⇒ワーキングチームを立ち上げて、サンパール広場やサンパレット広場での活用アイデアについて、SDG’sやスポーツ、パフォーマンスやフード系など様々なジャンルについて検討している。見えてきた課題は、各種イベントを実施する際に道交法や食品衛生法など関係法令の手続が必要となり、調整に時間を要するなど、許可条件とイベント運営内容との整合が課題。

 現在再整備している東西地下通路は、イベント等に対応した工夫や整備がされているのか?⇒「藤沢市東西地下通路リニューアル計画」の中で、西側をイベント等に対応した広場空間と位置づけ、格子天井にすることで空間を広げ、憩いの場としてのベンチ設置とともに、フリーWiFi設備や映像と動作が連動するインタラクティブシステムを導入していく。更に、ポップアップ店舗などのイベントに対応したパーテーション設備やイベント資機材を保管する倉庫機能、電源設備も配置する。

 地下通路がエリアマネジメントの対象になるなら、サンパール広場、サンパレット広場、地下通路3つを合わせた活用を検討していくべきだが?⇒東西地下通路リニューアル後は、広場条例に追加しエリアマネジメントの対象とする予定。今後は、地下通路を含めた3つの広場それぞれの特性に合わせたイベント企画や、回遊性、ストーリー性を持たせる魅力的なイベントの企画について、「藤沢駅周辺地区エリアマネジメント」と連携して検討していく。

 統一したコンセプト、ロゴデザインなど3つの個性が活かされるよう、サンパール広場、サンパレット広場、地下通路の回遊性が必要。トータルプランとプロモーションの視点は?⇒提案の統一したコンセプト、ロゴデザインなども有効な手法と考える。現在、「藤沢駅周辺地区エリアマネジメント」では、広場のデザイン方針等を検討するブランド委員会を立ち上げ、トータルデザインやプロモーションなどについて、ブランディングの検討をしている。

 「駅」はまちの「顔」「玄関口」、その印象はとても重要で、シティプロモーションの視点は欠かせない。駅に降り立った時、デッキに立った時に、「ようこそ藤沢へ」というメッセージや藤沢の魅力が伝わってくるべき。駅の整備と一体的に、駅を活かしたシティプロモーションについて、市の考えは?⇒シティプロモーションを考える上で、駅は重要な存在であり、都市のランドマーク、入口であるとともに、人々が行きかい、出会う場として、また最近では駅でショッピングを楽しむ人を「エキシューマー」と呼ばれている。また、まちと駅が結びつくIT技術などを活用した情報提供など人が動くきっかけの場としての期待も高まっている。一方、地域情報を集めるインプット機能が比較的弱いという課題もある。こうしたことを踏まえ、駅の整備と一体的なシティプロモーションについては、これからのまちづくりの核となるSDG’sやDXをはじめとする政策の優位性といった藤沢の魅力を集め、発信する仕掛けとして取組んでいく。

 藤沢駅、駅周辺のデザインについて、司令塔的な存在が必要だと思う。ソフト面でのデザイナーの活用の考えは?⇒「藤沢駅周辺地区エリアマネジメント」が司令塔的な役割を担うべきと考える。今後、エリアを拡大する中で、藤沢駅周辺の再整備やエリアマネジメントによるイベント時には、デザイナーに意見を聞くなどの検討をしていく。

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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