2017.6.9 厚生環境常任委員会

 6月9日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

陳情29第4号 子宮頸がん予防ワクチンの定期接種の中止と検診体制の刷新、接種者全数健康調査を国に対して強く求める意見書提出についての陳情

 この陳情は、次の事項を求めるものです。

(1)子宮頸がん予防ワクチンの安全性や接種後症状の機序、治療体制の確立がされるまで定期接種を中止とし、子宮頸がん予防効果の高い検診体制の刷新をすることを望む意見書を国に対して提出してください。

(2)子宮頸がん予防ワクチン接種者の全数調査を行い国民が安心してワクチンのできる情報と環境を整えることを望む意見書を国に提出してください。

【意見陳述者へ質問】

清水委員

 国のデータ調査の評価は?⇒疫学調査は、自発的に協力した人のみが対象となっている。頭痛が激痛でも、単なる頭痛と片付けられる。細かい調査がされているかは分からない。

 国際的にはワクチン接種となっているが、何を重視しているか?⇒従来通りの検診に効果がある。検診を受けやすい環境づくり、女医にして受けやすくするなど。海外でも同様の被害者団体はあり、日本だけの問題ではない。

【市側へ質問】

味村委員

 子宮頸がん予防ワクチン接種の公費負担、健康被害救済制度は、他の予防接種と同じなのか?⇒他の予防接種と同水準。

 本市での接種後副反応者への対応状況は?⇒平成26年度のアンケートでは、痛みが継続していて、住所氏名の分かる12人に対して、国の情報を提供している。

 今後、新たに副反応者が出た場合は?⇒医療機関から独立行政法人経由で厚労省に報告される。

 子宮頸がん予防ワクチンが子宮頸がん検診の代わりになるのか?⇒感染予防ワクチンであり、がん検診は早期発見のためで、受診啓発をしている。

 子宮頸がん検診の受診率向上が必要だが?⇒重要な課題。対象者への受診券の送付、20歳への無料クーポン券送付している。

清水委員

 子宮頸がん検診の受診状況は?⇒平成25年度16,217人/26年度16,362人/27年度17,309人。

阿部委員

 本市の子宮頸がん予防ワクチンの対象者数と接種者数は?⇒平成26年度、対象者数9,682人で36人接種/27年度、対象者数9,805人で35人接種/28年度、対象者数9,930人で33人接種。

 事実上、任意接種となっているとの認識か?⇒医療機関で、効果・副反応を説明したうえでの接種となっている。

 接種者は、理解したうえで、希望して接種しているのか?⇒そう理解している。

 定期接種と任意接種の違いは?⇒定期接種は法に基づく自治事務で全額市の負担で委託した医療機関で説明・報告の義務がある。健康被害は救済制度の対象となる。任意接種は、本人希望で国は関わらない。救済制度は、薬の方の救済制度となる。

 任意接種の自己負担は?⇒委託の単価が1回あたり、17,679円なので、3回の接種で53,037円。任意の場合は自己負担となる。

 健康被害について、任意接種の人の入院などの保障は?⇒定期接種の方が給付費が高いと認識している。

栗原委員

 3回接種するとのことだが、3回の接種が必要なのか?⇒その通り。

 定期接種を中止した場合、接種をした人は自己負担となるのか?⇒その通り。

原委員

 市として、ワクチンの効果・副反応を周知しているのか?⇒定期接種をポスターで知らせたうえで、ただ今、積極的勧奨をしていないと周知している。

 医療機関での説明に委ねているということか?⇒個別相談は市の窓口でも受けているが、医療機関の窓口での適切な指導をお願いしている。

 県内他自治体で、定期接種を止めているところはあるか?⇒ない。

 他の予防接種での副反応の発生状況と子宮頸がん予防ワクチンとの割合との比較は?⇒子宮頸がん予防ワクチンは0.01%/肺炎球菌ワクチンは0.004%/水痘・帯状疱疹は0.001%/はしか・風疹は0.0006%。

 この陳情は、主旨了承が、佐賀委員・浜元委員・清水委員・味村委員・原委員、主旨不了承が、栗原委員・堺委員・阿部委員で、主旨了承となりました。

報告(1)平成29年度国民健康保険料の料率について

 この報告は、平成29年度の国民健康保険料の料率を改定したので報告がされたものです。

(1)医療分

 ① 所得割 平成29年度 旧ただし書所得の5.51%/平成28年度 旧ただし書所得の6.27% =0.76%の減

 ② 均等割 平成29年度 24,360円/平成28年度 27,720円 =3,360円の減

 ③ 平等割 平成29年度 17,640円/平成28年度 23,520円 =5,880円の減

 ④ 賦課限度額 平成29年度 540,000円/平成28年度 540,000円 =増減なし

(2)後期高齢者支援金分

 ① 所得割 平成29年度 旧ただし書所得の2.22%/平成28年度 旧ただし書所得の1.46% =0.76%の増

 ② 均等割 平成29年度 10,200円/平成28年度 7,800円 =2,400円の増

 ③ 平等割 平成29年度 7,560円/平成28年度 5,760円 =1,800円の増

 ④ 賦課限度額 平成29年度 190,000円/平成28年度 190,000円 =増減なし

(3)介護分

 ① 所得割 平成29年度 旧ただし書所得の2.10%/平成28年度 旧ただし書所得の2.10% =増減なし

 ② 均等割 平成29年度 11,760円/平成28年度 12,000円 =240円の減

 ③ 平等割 平成29年度 6,000円/平成28年度 6,960円 =960円の減

 ④ 賦課限度額 平成29年度 160,000円/平成28年度 160,000円 =増減なし

(4)一人当たり保険料(平均値)

 平成29年度 106,084円/平成28年度 110,510円 =4,426円の減(4.01%の減)

味村委員

 市内の国保加入状況は?⇒平成28年度末で、全体58,345世帯、給与所得18,592人31.9%/営業所得6,177人10.6%/農業所得145人0.2%/その他年金等22,169人38%。所得なし17,839世帯30.6%/100万円未満12,627世帯21.6%/100-300万円19,460世帯33.4%/300-500万円4,909世帯8.4%/500万円超3,510世帯6.0%。平均所得は933,065円/人、約150万円/世帯。

 滞納世帯、減免世帯の状況は?⇒滞納世帯は、平成26年度20,018世帯/27年度20,446世帯/28年度18,517世帯。法令減免は、26年度24,534世帯/27年度24,867世帯/28年度25,339世帯。条例減免は26年度966世帯/27年度946世帯/28年度957世帯。

 一般会計からの法定外繰入金の状況は?⇒平成29年度予算で、13億3,000万円。県内19市比較では、28年度決算見込みで、本市では14,105円/人で19市中16位。19市の平均は、19,934円/人。

 県平均まで繰入金を引き上げるべき。国保料を1人1万円引き下げるべきだが?⇒繰越金、繰入金により、約4,400円引き下げる。引き続き、国保料の抑制に努めていく。

佐賀委員

 今回、医療費総額がなぜ減額したのか?⇒高齢化・医療の高度化により、毎年5%上昇していたが、今回は1.6%の上昇となった。また。被保険者が5%減少したため。

 その理由は?⇒平成28年度の薬価改定と28年10月からの社会保障の適用が拡大されたため。

報告(2)藤沢型地域包括ケアシステムの推進について

 藤沢型地域包括ケアシステムの推進について、平成29年度の取り組みなどが報告されたものです。

1. 総合事業の推進

(1)重点的な取組

 ① 多機関協働による在宅支援の支援

 ② 本人の目標達成に向けた自立支援

 ③ 地域住民が中心となって展開される介護分野や認知症予防への支援

(2)総合事業における訪問型サービスAの取組

 訪問型サービスAの指定事業所は、平成29年5/1現在27事業所で、3月末までの利用者は7人、サービス提供回数は77回です。
 また、本サービスの担い手となるヘルパー養成については、平成28年度は研修会を3回実施し、68人が修了しました。29年度は4回に増やし、人材の養成に努めます。

(3)総合事業における通所型・訪問型サービスBの推進

 今後、平成28年度にサービスの提供に関する意向確認をした団体や、すでに地域で通いの場や訪問支援等の運営をしている団体等に対して、通所型は平成29年10月、訪問型は平成30年1月のモデル試行に向けて調整をしていく予定です。

2. 藤沢型地域包括ケアシステムの短期目標に向けたロードマップ(平成32年までにめざす目標)

(1)地域の相談支援体制づくり

 ① 地域の総合的な相談支援拠点としての市民センター・公民館機能の充実・強化を図ります。

 ② 地域における総合的な連携体制・ネットワークを確立します。

(2)地域活動の支援・担い手の育成等

 ① 地域コミュニティを支える拠点としての市民センター・公民館機能の充実を図ります。

 ② 地域の支え合い活動の支援や担い手の育成を推進するための仕組みの構築及び強化を図ります。

 ③ 公共施設を活用した地域活動や交流の「場」を提供する基盤づくりを進めます。

(3)健康づくり・生きがいづくり

 ① 健康寿命日本一をめざし、健康づくりや介護予防等に自ら取り組めるように支援します。

 ② 誰もが地域社会とつながり、生きがいを持って暮らせるよう、支援を進めます。

(4)在宅生活の支援

 ① 多機関・多職種が分野横断的に連携した在宅生活を支える基盤をつくります。

 ② 専門機関等チーム支援におけるコーディネートを担う人材を育成します。

(5)社会的孤立の防止

 ① 制度のはざまにある人への支援体制を確立します。

 ② 生活困窮世帯やニート・引きこもり、子どもの貧困対策に向けた支援の仕組みをつくります。

 ③ 孤立死・孤独死の防止に向けた地域の見守り体制づくりの充実を図ります。

(6)環境整備等

 ① 空き家の利活用等による住宅支援等の充実を図ります。

 ② 地域の衛生面に配慮した住環境を確保・維持するための仕組みをつくります。

 ③ 地域で移動・外出しやすい環境の整備を進めます。

清水委員

 サービスBの担い手について、個人で参加できるのか?⇒研修会に参加はできるが、サービスBを受けるのは団体を考えている。

 ボランティアポイントについて、サービスBのポイント制との関係は?⇒ポイント制度の仕組みづくりが必要であり、検討していく。

 ロードマップ3の健康づくりについて、健康診断、がん検診の位置づけは?⇒健康寿命日本一をめざす中で、他部門と連携して検討している。

 ロードマップ4の在宅生活の支援について、認知症の徘徊など地域の理解が必要。オレンジサポーターの取り組みが重要だが?⇒講座の実施や、サポーター同士の情報交換する場を設け、活動しやすい支援をしていく。

阿部委員

 ロードマップ4の在宅生活の支援について、多職種連携の研修会をしている。他市からの視察の状況は?⇒長岡、福岡、都城市議会からの視察、自治体からも視察はある。

 医療ケアの必要な、障がい児、看取りの研修会の状況は?⇒障がい児の医療ケアは子ども健康課が主体に専門職研修し91人が参加した。看取りは、在宅医療支援センターがで研修会を4回開催して、うち2回は看取りの研修会をした。市民向けの研修会には109人が参加した。

 1年ごとのロードマップが必要では?⇒専門部会の課題ごとに整理して、スケジュール感をもって進めていく。

味村委員

 本市の奨学金を受けた場合、大学進学は生活保護で認められていない。国へ制度の見直しを要望すべきだが?⇒国の制度、予算、補助も含めて意見していく。

 サービスAについて、基準が緩和され質の低下が危惧されている。現行相当のサービスをしていくべきだが?⇒訪問型サービスAは経度が対象で人員基準が緩和されている。支援内容は身体介護はせず、買い物などの支援となるが苦情はない。現行サービスも継続していく。

 サービスBについて、サービスの担い手が過重負担とならないようにしていくべきだが?⇒今後、モデル事業に向けて、関係団体と調整していく。

原委員

 サービスDの移動支援の考えは?⇒市全体の課題と考える必要ある。関係課を集めて検討していく。

 これまでは都市計画部門が中心となっていた。今後の見通しは?⇒すぐに解決はできない。善行、六会でやっており、福祉サイドではスマイルバスがある。課題を再認識するために分科会を開催しながら進めていく。

 日々の生活の中で助け合いが出来れば、災害時の助け合いを自治会・町内会と一緒に展開出来ると思うが?⇒藤沢型地域包括ケアシステムをどう災害時に活かしていくか、要支援名簿を作成し自治会・町内会が取り組んでくれている。防災部門も検討委員会に参画し、市の施策がまとまるように、藤沢型地域包括ケアシステムが中心となり進めていく。

堺委員

 地域の意見を聞く取り組み状況は?⇒平成28年度から、13地区の郷土づくり推進会議で説明、意見交換をし課題共有してきた。

 保健師を含め、地域へ出向く取り組みの考えは?⇒平成29年度の組織改正で、保健師、福祉職でチームをつくり、アウトリーチしている。また、小地域ケア会議にも参加している。

 以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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