2016.2.24 川崎市「子ども夢パーク・フリースペースえん」視察

 2月24日 10:30より、川崎市高津区にある「子ども夢パーク」と「フリースペースえん」という子どもの居場所を視察してきました。

 川崎市子ども夢パークの「西野博之」所長から、居場所における様々な活動内容や居場所の必要性などについて詳しく説明を受けました。

 神奈川県内の公立中学校の生徒30人に1人かせ引きこもりで、全国で70万人のひきこもりが存在している。小学生の暴力は増え、低年齢化しており、特に生徒間の暴力が増え、より弱い子どもを攻撃する傾向が出ている。小学校でのいじめも、全国で12万3千件と増加し、内小学1年生のいじめは4年前より、5.8倍となっており急増している。この夢パークの利用者を見ても、子どものストレスが顕著で、モノを壊す、暴言を吐くなどが多く見受けられ、新しい自転車でも、自分のものでなければ大事にしない。

 また、小中高生の自殺と把握されている者だけでも、年間329人(2015.6内閣府)が自殺し、15歳~39歳の死因の第1位は自殺と、世界でも例がない国となっている。河川敷での中学1年生の事件を見ても、居場所がなかった。

 今の子どもは自己肯定感が低く、自分に自信のない子どもが日本の特徴といえる。子どものストレスの増大には、貧困や過干渉など様々だが、子どもたちは安心して生きていない。そのような中で、居場所が必要であり、この夢パークが設置された。9時から21時までの居場所で、ケガと弁当は自分持ちとしている。ケガをすることで危険の判断ができるわけで、あれもこれもやってはいけないとなれば、子どもは自分を否定してしまう。保護者にも、この理念を説明して、ケガをしたら保護者が迎えに来て病院に連れていく自己責任をとっている。

 夢パークの3本柱は次の3つ。

(1) 子どもの活動拠点

 夢パークは、子どもが自由に安心して集い、自主的および自発的に活動する拠点です。子どもが夢パークの運営等に意見を表明し、参画するために、夢パーク子ども運営委員会の各部会が開かれています。そして、川崎市長が市政について、子どもの意見を求めるために開催している「川崎市子ども会議」の事務室があり、さまざまな活動を展開しています。

(2) プレーパーク

 冒険遊び場(プレーパーク)は、土や水、火や木材などの自然の素材や道具や工具を使い、子どもたちの遊び心によって自由につくりかえられる遊び場です。ここでは、子どもたちの「やってみたい!」という気持ちを大切にしています。遊び場を制限するような禁止事項をできる限りつくらないことで、子どもたちが自分で決めたり、危険を判断したりできるようにしています。

(3) フリースペースえん

 主に学校の中に居場所を見いだせない子どもや若者たちが、学校の外で多様に育ち・学ぶ場です。毎日お昼ご飯をつくって食べるなど暮らしをベースにしています。一日の過ごし方は、それぞれの子どもが自分のペースに合わせて、自分でプログラムを考えて活動しています。子どもたちの希望に応じて、各種講座があります。

 ※西野所長は言いました。困難を抱えている子どもたちには、それを相談できる場所が必要と行政は考えるが、子どもたちは、自らのストレスを相談窓口になど相談しない。みんなで料理をしながら、工作をしながら、遊びをしながら、その、「しながら」の中で、ストレスの一面をのぞかせる。そのところを、いかに大人が気づくことができるか!そこが一番必要なことだと。川崎の中学1年生の事件は、たまたまSNSでその内容が拡散し、大きな反響があったたげで、このようなケースは沢山あると。子どもの居場所をつくり、子どもたちが自己を肯定できるように、SOSに気づき、寄り添い、安心して生きられる環境をつくることが、いかに必要かということを考えさせられる視察となりました。

 最後に、川崎市が子ども権利条例を策定するときに、子ども委員会から、次のようなメッセージがあったそうです。

 まず、おとなが幸せにいてください。おとなが幸せでないのに、子どもだけ幸せになれません。おとなが幸せでないと、虐待とか体罰がおきます。条例に、子どもは愛情を持って育まれるとありますが、まず、家庭や学校、地域の中で、おとなが幸せでいて欲しいのです。子どもは、そういう中で安心して生きることができます。

 このメッセージに尽きると思います。  以上、報告とします。

   


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

アーカイブ