2015.11.2 逗子市議会視察(タブレット議会)

 11月2日 10:00より、藤沢市議会改革検討会のICT検討部会にて、全国で最初にタブレットを導入した、逗子市議会に視察を行い、私は、オブザーバー参加しました。

 逗子市議会では、平成24年5月より、タブレット導入の検討を始め、12月議会から実証実験し次年度からの導入方針を決定、平成25年6月議会から正式運用を開始しました。議会側の導入後の10月には、市長以下の部長級幹部職員にタブレット端末が導入されました。視察では、実際に使用しているタブレットを操作し、情報(文書・資料)の共有の仕方などを体験しました。

 タブレット導入の概要は次の通りです。

1. タブレット端末の概要

(1) 機種  iPadAir2  Wi-Fi+Cellularモデル 64GB

 このWi-Fi+ Cellularモデルとは、ワイファイ環境のないところでも、携帯電話やスマホが使える環境があれば、使用できるというものです。

(2) 導入台数  50台(議会20台/執行部30台)

(3) 費用(議会費)  端末使用料 20台分で、約100万円/年  

2. 文書共有システムの概要

(1) クラウド  BackShelf 【東京インタープレイ(株)】

(2) 費用(市長部局予算)  50台分で、約69万円/年間 (15GBまで)

3. コスト削減

 議会事務局のみの紙資料の軽減については、導入前と導入後で次の通り。

 コピー使用枚数は、平成24年度 101,549枚/平成26年度 57,567枚。コピー使用料金は、平成24年度 150,451円/平成26年度 75,864円。その他に、寒川町議会でも同じことを言っていましたが、市側の印刷分やミスや修正に伴う印刷を考慮すれば、削減効果はもっとあるとのことでした。さらに、環境面での効果、タブレットですぐに情報を引き出せるので、市民からの質問などに、具体的な数字も含めて、説明ができるようになったことなど、タブレット導入の効果がみられるとのことでした。

4. その他特徴

(1) 議員の質問力の向上

 曖昧な事項に関して、会議中にタブレットで調べられるので、具体的な数字や資料に基づいた議論が行われるようになったとのことでした。更に、市当局側と答弁のルールを決めたとのことでした。それは、市側の資料に書いてあることを質問した場合には、どの資料のどこに書いてありますという答弁にするものです。その結果、議会の時間も相当短縮されたとのことで、このことは、藤沢市議会としても、ぜひ見習いたいと思いました。

(2) ビューアプリ(SideBooks)

 例えば、予算書などのPDFデータを、ページをめくるような感覚で操作できるもので、実際に予算書のページをめくっているのと同じ感覚で、さらに、予算書にメモを書くように、タブレット上の予算書にもメモが書ける仕組みとなっていました。

(3) タブレット端末の使用範囲

 タブレット端末の議員の使用範囲について、特に制限は設けず、使用する議員の良識に委ね、何かあったら議員の責任としているとのことでした。このことは、タブレット導入に不安がある議員に対して、日常的に使用してもらい、タブレット議会に順応してもらうための措置でもあるとのことでした。

(4) 答弁書・答弁調整

 直接タブレット議会とは、関係はありませんが、例えば、一般質問の場合、藤沢市議会では、質問と答弁を調整・確認して、本番では、その原稿を読みあう形で行われますが、逗子市議会では、当局は議員の質問書を、議員は当局の答弁書を渡されないで行うとのことでした。藤沢市議会のやり方(原稿を読みあう形)に、正直、疑問を持っていましたが、逗子市議会では、答弁は想定質問で対応するとのことで、その時勝負となります。どこまで、その時勝負が良いかは別にしても、原稿を読みあうやり方は、見直しの検討をする必要があると感じました。

 今日の視察も、大変参考になり、寒川町議会が導入している「富士ソフト」と逗子市議会が導入している「東京インタープレイ」のどちらを選択すべきか、私には、今の段階では判断ができません。11月11には、両社から説明(プレゼン)を受ける予定ですので、判断材料としたいと思います。 

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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