2014.9.3 藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会

 9月3日 13:10より、藤沢市議会 藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会が開催され、傍聴しました。今委員会では、現在進めている藤沢市役所の新庁舎建設について、進捗状況が報告されたものです。内容の抜粋は次の通りです。

 

1.基本設計の見直しの概要

(1) 敷地面積 10,902㎡ → 見直しなし

(2) 延床面積 37,600㎡ → 35,225㎡

(3) 建築面積 4,200㎡ → 4,697㎡ ※雨除けの庇などの分

(4) 階数 地上11階、地下1階 → 地上10階、地下1階

(5) 高さ 51.4m → 47m

(6) 駐車台数(地下) 38台 → 48台

(7) 駐輪台数 105台 → 見直しなし

2.総事業費概算の経過

(1) 基本設計(2月) 188億円 45.4万円/㎡ → 11階を10階、アトリウムの外部化などで ▲9億3千万円 → 178億7千万円 45.8万円/㎡

(2) 178億7千万円 45.8万円/㎡ → 7月 最新物価で再計算により +18億5千万円 → 197億2千万円 50.5万円/㎡

(3) 197億2千万円 50.5万円/㎡ → 建具の見直し、建築・電気・設備の事業費精査などにより ▲10億2千万円 → 187億円 47.6万円/㎡

3.資金計画

 今議会の補正予算において、16億円を庁舎整備基金に追加積立を行う予定。これにより、基金残高は62億円となるが、今後も財政状況を見ながら、基金への更なる積み立てに努めていく。

 総事業費187億円の内訳は、国庫補助金1億円+起債(借金)124億円+庁舎整備基金62億円=187億円

 ※起債とは、借入(借金)でありますが、藤沢市にお金がないから、という訳ではありません。新しい庁舎を建設するに当たり、借入をせず、単年度で支出すれば、一時的に大きな財政負担になるため、あえて借入れて、単年度の財政負担を軽くするものです。また、単年度で支出するということは、その年に藤沢市に住んでいる市民や企業が市庁舎建設の建設費を負担することになりますが、市庁舎は、向こう50年~60年、市民が利用するものであり、借入れることで、将来の市民や企業も公平に建設費を負担するようにするものでもあります。この手法は、公共施設の整備にはよく使われるもので、財政が厳しい、お金がないから借入れる(借金する)というものではありませんので、ご理解をお願いします。

 ただし、借入れが多くなれば、将来的に返済する額も多くなり、市の財政を圧迫してしまいます。そうならないように実質公債費率や将来負担比率などの財政健全化指標を毎年チェックし、健全な財政を維持できることを確認しなければなりません。そして、現在の藤沢市の財政は健全な財政と言えます。

 私は、今回の見直しで、建設費を圧縮するために11階建てから10階建てに1フロア下げましたが、本当にその見直しが良かったか疑問です。その見直しで、現新館の空きスペースは1,000㎡しかなくなったからです。11階を10階にしたからといって、1割建設費が削減されるわけではありません。将来、あの時の見直しがなければ。。。とならないようにしなければなりません。50年に1度の建て替えなのですから、延べ床面積は42万都市にふさわしい面積で、一方で贅沢な仕様としないこと、初期コストが高くてもトータルコストが安いシステムの導入など工夫し、将来コストを含めて最善の事業とするべきです。

4.現新館の活用について

 建設3部及び各行政委員会事務局の執務室を配置したうえで、市として必要となる機能について検討を進めている。建物については、新庁舎建設後に全面改修工事を行うことで長寿命化を図り、今後も長期的に庁舎として活用できる計画とする。

5.見直し後の各階の配置計画について(主なもの)

  屋上  ホバリングスペース               

 10階  電気室/空調機械室/他            

  9階  議会関係                      

  8階  建設総務課/環境保全課/農業水産課/観光課/産業労働課/生涯学習総務課/スポーツ推進課/郷土歴史課/他                          

  7階  職員課/行政総務課/防犯交通安全課/市民自治推進課/防災危機管理室/文書統計課/災対策本部室/他                              

  6階  市長室/副市長室/秘書課/庁議室/企画政策課/平和国際課/人権男女共同参画課/広報課/記者室/他                              

  5階  検査指導課/管財課/契約課/会議室/市民利用会議室/他                                                              

  4階  資産税課/市民相談情報課/納税課/市民税課/財政課/他                                                              

  3階  子ども青少年育成課/保育課/子ども家庭課/学校教育相談センター/子育て給付課/教育総務課/学務保健課/学校給食課/教育指導課/学校施設課/他

  2階  生活援護課/介護保険課/福祉総務課/障がい福祉課/保健医療総務課/高齢者支援課/福祉保健総合相談室/会計課/他                    

  1階  市民窓口センター/保険年金課/ラウンジ/コンビニ/キッズコーナー(一時預かり所)/他                                             

  地下  公用車駐車場/防災倉庫/印刷室/イベント広場/他                                                                   

6.今後のスケジュール

(1) 実施設計 ~平成27年6月  

(2) 新庁舎本体・人工地盤・外構・新設歩道橋工事 平成27年9月~平成29年12月(工期27か月)

(3) 現新館改修工事 平成30年6月~平成31年3月

(4) 朝日町駐車場整備工事 平成30年6月~平成31年3月

諏訪間委員

 庁舎建設について、入札が不調になるケースがある。直近の状況は?→福島県相馬市では4階建て、延べ床面積9,440㎡で、入札2回目で落札された。富山県射水市では6階建て、延べ床面積10,450㎡で、平成25年度に入札を3回したが不調に終わり、平成26年6月議会で事業費を増して、4回目の入札で落札された。

 それぞれの落札金額と㎡単価は?→相馬市42億520万円 44.5万円/㎡、射水市58億6千万円 48万円/㎡。

 本市新庁舎の執務スペースについて、市長室も含めて妥当なのか?→職員1人当たりの執務スペースは、藤沢市で28㎡/平塚市30㎡/茅ケ崎市29㎡/町田市32㎡/甲府市34㎡で、平均30.6㎡。市長室は藤沢市82㎡/平塚市など5市の平均は82.1㎡で、職員、市長室ともに妥当と考える。

 建設費は、市内に還元すべき。地元業者への発注の考えは?→大手ゼネコンが考えられるが、地元経済の活性化の観点から、市内業者へできる限り発注できるよう検討している。分離・分割発注、元請け業者に対して、市内業者からの調達を要請するなど検討していく。

 市内経済の活性化を踏まえた発注方法の考えは?→JV施工の場合は、大手ゼネコンと市内業者となる。市内業者に配慮した発注方法を検討していく。

市川委員

 事業費が増しているが、事業費についての考えは?→資材と人件費は、上昇の可能性あるが、実施設計の中で様々精査して、事業費を圧縮して発注していきたい。

 具体的に、どの部分を圧縮できるのか?→実施設計の中で、見積徴収するなど、経費の縮減に努めていきたい。

 見直しをして、総事業費187億円となったが、今後、事業費が増しても進めていくという考えか?→庁舎の分散で、市民の利便性が低下している。物価上昇も想定されるが、庁舎機能を確保する中で、事業費の縮減を図りながら進めていきたい。

 現新館の活用の考えは?→階数を減らしたことで、行政委員会の配置を見直している。築31年が経過しており、長寿命化のための改修をしていく。

 5階の市民利用会議室について、大小8つの会議室があるが、そうした理由は?→現新館の7階に会議室があった。利用団体は様々で、大・小の団体があるので、利用団体に配慮した配置とした。

脇委員

 事業所内保育施設の考えは?→1階にキッズコーナーを配置、市民優先に考えるが、職員の利用も含めて考えている。

 事業所内保育施設について、庁内で検討してきた結果としてこういう配置になったのか?→検討委員会で検討したが、新庁舎計画では計画されていない。

 職員の子どもの一時預かりもするのか?→来庁者のみ。

 現新館の空きスペースは、どのようになるのか?→残りは1階フロア、約1,000㎡。今後、優先順位をつけて検討していく。

 食堂の考え方は?→駅前の立地で、飲食店もあるので、1階にコンビニを配置する予定。

柳沢委員

 地下階について、駐車場48台になったが、内訳は?→車いす用2台以外は公用車用。

 バスの発着について、国道467号線を左折で出ていくようになる。本当に必要なのか?→借り上げの大型バスがあるが、年間400件利用のうち、本庁発着が200件あるため、発着所を設置したもの。

 職員用と市民用のエレベーターがあるが?→職員と来庁者との動線を分けることと、セキュリティの関係から、それぞれのエレベーターを配置したもの。

 現新館の職員の1人当たり面積はどうなるのか?→新庁舎並みにしていきたい。

 現新館の改修費の想定は?→今年度に基本計画をつくっていく。その後に概算をだしていく。

 オリンピック後に建設してはとの声もある。分散している庁舎コストも含めて検討したのか?市民への説明はどうしていくのか?→8つのビルを借りており、賃料4億円+光熱費1億円=5億円/年かかっている。7年後に建設を延期すれば35億円かかる。10/10号の広報で説明していく。

 市民ワークショップを開催してきたが、どう反映したのか?また、反映の状況がメンバーに伝わっているのか?→5回実施した。1~4回はテーマ型で、実施するごとに反映した部分を示してきた。5回目はとりまとめで、すべての意見を反映できないが、今回の見直しに反映されている。メンバーへは報告書を送付している。

 反映されなかった点を説明すべきだが?→報告書の中で、意見に対する考えを示している。

有賀委員

 防災センターとの関係について、位置づけは?→危機管理室は新庁舎へ。IT推進課、消防本部も含めて、あり方を検討していく。

 市民利用会議室について、利用時間が夜間になると思うが?→夜間、土・日の利用があるので、その運用を検討していく。

東木委員

 現新館の活用について、社会福祉協議会を入れて、福祉部と連携すべきだが?→従前は市役所の敷地内に配置されていたので、配置できるように検討していく。

大野委員

 周知を10/10号の広報でするとのことだが、具体的内容は?→これまで、2回特集をくんできた。10/10号は、折込式で、機能や図面を示していく。

 市民から理解される内容とすべきだが?→事業費が大幅に増加したとの認識になっている。十分理解を得られるよう、財源、背景なども含めて工夫していきたい。

 以上、報告とします。

 

 

 

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

アーカイブ