2014.7.2 朝鮮学園を見よう!知ろう!ともに考えよう!

 7月2日 13:00より、横浜にある、神奈川朝鮮中高級学校において、神奈川朝鮮学園に対する補助金の支給継続を求める県民会議主催の「朝鮮学園を見よう!知ろう!ともに考えよう!」に参加しました。

 なぜ参加したかと言いますと、高校授業料の無償化について、朝鮮学校が適用外になったこと、なぜ除外になった理由も承知をしていますが、実態はどうなっているのか?今回の取り組みの内容は、学校側から、「民族教育と朝鮮学園の今」をテーマにした報告/授業見学/中高級学校生徒との交流会となっており、まさに、実態を知るには良い機会と思い参加しました。内容の抜粋は次の通りです。

1.報告「民族教育と朝鮮学園の今」 神奈川朝鮮中高級学校 教務部長

 日本の植民地となっていた朝鮮は、1945年8月15日に植民地から解放される。その後、日本国内に居住する在日朝鮮人が、国語教育として、朝鮮語による民族教育を行う教育施設を全国各地に作った。

 しかし、1948・49年に閉鎖令が出され、朝鮮学校は解散、在日朝鮮人も日本の公私立学校への就学が義務化された。1957年から、在日で、民族教育を行う支援として、教育補助費が朝鮮から送られ、現在の朝鮮学校が確立された。

 1965年に文部省事務次官通達で、朝鮮学校は各種学校と認めないとされたが、その後、各自治体が認めるようになった。特に、熱心に取り組んでいるのが神奈川県。

 生徒の部活動については、各大会への参加が認められていなかったため、交流試合程度に限られ、その練習の成果を生かす場がなかった。生徒たちは何を目標にすればよいのか、モチベーションは高まらない。しかし、1991年、高野連、高体連へ参加、各大会への参加が認められた。1994年には、JRが通学定期の格差を是正。これまで大人の通勤定期だったのが、通学定期の適用となった。

 1998年の日弁連の勧告は、大きな意義があった。学校教育法の1条校であるべき。少なくとも私立学校と同等の助成金を交付すべき。という内容。

 こうした経過を経て、朝鮮学校は、各種学校と位置付けられ、県からの助成金の交付を受けてきた。しかし、拉致問題を背景にした政治情勢から、授業料無償化からの除外、補助金のカットなどが行われた。

2.授業見学

 朝鮮学校では、学校内では日本語の授業を除き、朝鮮語での生活となる。見学した授業は、日本語、英語、社会、数学、朝鮮語、家庭で、本当に生き生きと、元気で楽しそうな授業風景でした。小学4年生の授業では、俳句と短歌を児童が発表。私たちが見学していたせいで緊張していたのか、恥ずかしそうに小さな声で発表していた。でも、子どもたちの素直な思いが反映された、俳句・短歌にみんなで拍手をしました。

3.生徒との意見交換

 2人の高校生の女の子と意見交換をしました。まず、この学校の良さを聞くと、人数が少ないので、みんなと良い関係がつくれる。朝鮮語、日本語、英語と文化を学べることが楽しい。日本人の友達との接点を聞くと、スイミングスクールや塾、近所などで友達ができ楽しくしている。名前を言い、朝鮮という言葉を出すと、顔色が変わるが、自信を持って説明するので、理解してくれる。ただし、少し嫌な思いをすることもあったという。例えば、ファミレスで順番待ちの名前を書くとき、つい通名で書いてしまう。その時は罪悪感もある。との事でした。

 先生にも話を聞きました。今は、将来の夢を持つことが出来る。しかし、このことは、日本が理解をして与えてくれたものではなく、1世・2世などの同胞が権利を勝ち取ったもの。看護師になりたいと思う生徒も、高齢になった同胞の面倒をみたいから。責任感と義務感があり、これからも発展させなければ、という意識がある。日本人の協力も必要で、しっかりとした歴史認識を持たせることが大人の役割である。との事でした。

4.私の所見

 今回の取り組みに参加して、在日朝鮮人の歴史的な背景を理解することが出来ました。1世・2世の頃は、朝鮮に帰ることが前提となっており、朝鮮に帰った後の、将来のために必要な学校の役割であったが、3世・4世は、日本で生活していくことを前提とした学校の役割に変わったとの事で、カリキュラムも学習指導要領に沿った内容としているとの事でした。生徒との交流では、とっても可愛い生徒なのですが、本当にしっかりとした考えを持っていて、同胞社会をとても大切にしていました。

 拉致問題を背景とした、補助金のカットについては、政治問題を子どもたちの教育の場に持ち込んでいいのか?と疑問に思います。他の在日外国人学校との関係も含めて、もっと情報を得なければとも思いました。日本で生まれ、日本で育つ。外国にルーツがあり、そのルーツを大切にする。これは当たり前のことであります。教育内容に課題があると言われていますが、外国にルーツを持つだけで、差別をしているなら、私には理解ができません。

 経済的理由により、朝鮮学校に入れない子どもたちも多くいると聞きました。現在の在学生は184人であり、減少傾向にあるとの事でした。国や県、自治体として、どうしたら教育格差をなくしていけるのかを考えるべきで、政治的理由で子どもたちの教育に格差を与えてはならないと感じました。

 朝鮮学校も老朽化しており、授業の教室では扇風機がまわってました。高台にあるので、風が通り、今日は涼しく感じましたが、真夏は心配です。学校運営の財政状況も厳しいとの事で、皆で学校を守ろう!と1口1,000円募金運動を始めたそうです。スタート時は在日朝鮮人を対象としていましたが、今では幅広く日本人にも募金を募っているとの事でした。なんとか力になれないかと思いました。

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

アーカイブ