2013.8.26 議員全員協議会(総合計画に代わる新たな指針)

 8月26日、議案説明会終了後、議員全員協議会が開催され、総合計画に代わる(仮称)新たな市政運営の総合的な指針について、指針策定の進捗状況が報告されました。内容の抜粋は次の通りです。

【(仮称)新たな市政運営の総合的な指針(二次案)】

1.期間

 指針の期間は、平成26年度~28年度の3年間とする。次の指針は、平成28年度中に見直しを行い、平成29年度~32年度とし、以降、4年ごとに見直し、改定する。

2.長期的視点な視点

(1)人口動態

 藤沢市の人口は、推計によると、2020年から2024年頃までにピークを迎え、その後、ゆるやかに減少に転じる。人口ピーク時の65歳以上の人口は約25%、0~14歳の人口は約10%で、ピーク時以降も少子化、高齢化が進むことが予想される。世帯数は、高齢化、単身世帯化が進むことにより、増加すると想定される。そうい中で、今後も、都市の活力を維持する観点から、総合的かつ有効的な施策を進め、出来る限り人口を維持していくことが必要となる。

(2)財政状況

 藤沢市の財政状況は、国が定める健全化判断基準においては、十分な健全性を保っている。歳入は、市税収入の大幅増は見込めず、2020年までは、横ばいで推移すると推測される。歳出は、生活保護費をはじめとする扶助費が、ここ10年で約168億円増加しており、少子高齢化に対応する社会保障関係費も含めて、今後も増加することが予測される。そういう中で、今後も、健全な財政を維持しながら、歳出総額に占める経常経費の割合に注視しながら、政策的に投入できる経費を確保していく必要がある。

(3)土地利用

 藤沢市では、「藤沢駅周辺」「辻堂駅周辺」「湘南台駅周辺」「健康と文化の森」「片瀬・江の島」「(仮称)村岡新駅周辺」の6つを都市拠点と位置付け、鉄道と道路により、拠点間の連結と藤沢市の骨格となる東西、南北方向の交通軸を形成し、「海」「河川」「谷戸」「斜面緑地」「農地」等の自然空間を資源として機能させながら、土地利用を進めてきた。今後も、都市的土地利用と自然的土地利用のバランスを保ちながら、環境負荷の低減や移動の円滑化、ユニバーサルデザイン、景観等に配慮したまちづくりを進める必要がある。

(4)自然環境・歴史・文化・人材

 藤沢市は、美しい湘南海岸に面し、気候温暖な住みやすい都市。中世には、遊行寺の門前町として、江戸時代には、東海道五十三次の6番目の宿場町として賑わいを見せ、浮世絵にも多く描かれた江の島は、風光明媚な景勝地として栄え、明治、大正時代には、鵠沼が別荘地となり、多くの文人、財界人を集めるなど、歴史と文化の薫る都市でもある。現在も、多彩な人材(財)が藤沢市に関わっており、温かさ、やさしさ、熱意をもった市民力が藤沢市を支えている。

(5)都市としての性格

 藤沢市は、首都圏に位置し、交通の利便性等を背景に、住宅と都市、商・工業都市、農・水産業都市の性格をあわせ持つ、多彩で多様な都市。工業では、研究開発型施設の誘致、商業では、大型ショッピングモールの開業、農業では、地産地消の推進等、活力ある都市の顔を見せている。また、海水浴客を含めて、年間観光客数は、1,500万人を超える観光都市である。更に4つの大学がある学園都市としての性格もあり、バランスのとれた都市機能を有する湘南の中心的都市として発展を続けている。

(6)市民自治

 藤沢市では、30年以上にわたって、「市民集会」→「くらし・まちづくり会議」→「地域経営会議」、そして、「藤沢市郷土づくり推進会議」へと市民の市政参画、市民自治の取組が進められ、地域では様々な活動が展開されている。また、ボランティア、NPO等の活動も盛んで、歴史的な街なみや景観の保全や形成、地域の特色ある子育て支援、生涯学習の拠点づくり、地産地消の推進等が展開されている。

(7)めざす都市像 【郷土愛あふれる藤沢 ~松風に人の和うるわし 湘南の元気都市~】

 市民一人ひとりが藤沢市を郷土として心から愛し、生き生きと暮らすことができる都市をめざす。松風と藤の香りにつつまれた都市、歴史と文化の薫る都市、商業の栄える都市、安全で暮らしやすい都市など、こうした藤沢市の魅力ある都市の姿を大切にしながら理想の市政を進め、あらゆる元気をつくり出す都市を築く。

(8)基本目標

 都市像の実現に向けた基本的な行政目標として、8つの基本目標を定める。

 ①安全な暮らしを守る

 危機管理を充実させ、地震・津波被害、風水害、都市災害への対策を総合的に取り組むとともに、地域と連携した防犯活動や交通安全運動、情報セキュリティの強化等を一層推進していくことで、市民の生命と財産を守り、不安なく安全な暮らしを実感できる都市をめざす。

 ②文化・スポーツむを盛んにする

 藤沢市の歴史、景観を保存・継承し、市民による芸術文化活動や生涯学習・スポーツ活動等をさらに盛んにすることにより、市民が身近に文化・スポーツを楽しみ、歴史や文化を大切にし、郷土への誇りや愛着を実感できる都市をめざす。

 ③豊かな環境を創る

 藤沢市の自然環境や生活環境を良好に維持・保全するとともに、エネルギーの地産地消や効率的利用を進めることにより、豊かな環境を実感できる都市をめざす。

 ④子どもたちを守り育む

 保育、教育を充実し、地域全体で子どもたちを見守り、支え合い、安心して子育てができる環境をつくることにより、「次代を担う子どもたちを守り育む地域社会」を構築し、子どもたちの「生きる力」を育み、健やかな成長を実感できる都市をめざす。

 ⑤健康で安心な暮らしを支える

 生涯を通じて健康で、安心して暮らし続けられるよう、きめ細かな保健、医療、福祉、介護をさらに充実し、健康を増進することにより、健やかで安心な暮らしが実感できる都市をめざす。

 ⑥地域経済を循環させる

 湘南海岸に加え、北部の豊かな緑や自然環境、恵まれた交通基盤等の資源を活かし、商業、工業、農水産業、観光等、様々な産業が一体となって地域経済を循環させることにより、市民が活力と魅力を実感できる都市をめざす。

 ⑦都市基盤を充実させる

 長寿命化をはじめとする都市基盤施設の整備を進めるとともに、将来にわたって都市の活力を維持するための土地の活用と新たな基盤整備を進めることで、都市としての優位性を高め、都市をさらに成長、発展させ、便利で快適な生活を実感できる都市をめざす。

 ⑧市民自治・地域づくりを進める

 市民の市政参画と市民自治を時代に即した形で発展させ、市民活動と地域づくりをさらに元気にすることで、市民が中心となったまちづくりを実感できる都市をめざす。

3.今後について

 現在、各部より分野別重点課題・重点施策候補を抽出した段階であり、今後、施策の重要度、緊急度などを精査をしていく。重点方針案については、10月以降に予定している市民ワークショップ、郷土づくり推進会議との意見交換等を踏まえて、12月議会にあわせて、議員全員協議会を開催し、説明した上で、決定していく予定。

塚本議員

 財政状況が厳しいといいながら、財政健全化比率では健全だという。財政運営の厳しさと健全性について、どう捉えているのか?→財政健全化比率は財政運営をする上での目安。財政の厳しさは、何か新しいことをやるとコストがかかる。予算編成するうえでは大変厳しい。限られた財源の中で健全な財政運営をしていく。

 二次案で、財政の厳しさが伝わってこない。厳しさを示す必要あると思うが?→内部で議論した。最終案の中で、図表等を含めて、分かりやすく整理していく。

柳沢議員

 市民ワークショップの参加者が少ない。次のワークショップに向けてどうしていくのか?→次回のワークショップは、10/29に長後、11/2に本庁を予定。ワークショップの前に、無作為抽出1,000人程度にアンケートをし、参加を募っていく。大学にも声をかけていく。

 財政状況の長期的な視点の中で、大型プロジェクト、公共施設の建設について、具体的な見通しがどう示されるのか?→3年間の事業費を掲げていく。大型プロジェクトは時間がかかるので、十分な資金計画は難しい。長期的な案件として整理していく。かかるコストをどう示すかは、今後議論していく。

 市民満足度調査を以前おこなったワークショップだけでなく、広くアンケートして、市民が何を望んでいるのか、調査するべきだが?→各自治体で工夫をしている。参考にしながら工夫をしていく。3年間だが、毎年、意識調査をして、次の指針に活かしていきたい。

 国や県の施策に規程されている部分が多くあるが、どういう態度をとっていくのか?→時代の変化に即応できるようにしたい。毎年の見直しの中で、対応していきたい。

有賀議員

 市長任期の中で都市像をつくりあげるためには、スピード感が必要。文化推進拠点などイメージはあるのか?→今後、12月にかけて、重要方針を整理していく。

 以上、報告とします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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