2013.6.11 厚生環境常任委員会

 6月11日 9:30より、厚生環境常任委員会かせ開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

 

議案第13号 藤沢市新型インフルエンザ等対策本部条例の制定については、新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行され、新型インフルエンザ等対策本部に関して、必要な事項を条例で定めることになったため、新たに本市の条例として定めるものです。

柳沢委員

 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて、対策本部を設置する条例となっている。特別措置法そのものに問題あると指摘されている。人権の制限について、法の中でどうされているのか?→特別措置法第45条で、都道府県知事が感染の拡大を防止するため、不要不急の外出、体育館、映画館などの使用を制限できる。

 緊急事態宣言をするのは、どのような場合か?→通常のインフルエンザと比較して、重症例多く、感染が多い場合。

 人権の制限について、法成立時の付帯決議の内容は?→被害想定をいたずらに過大させない事、私権の制限を必要最小限とすること、放送事業者が実施する実施するインフルエンザ対策については、言論の自由が確保されることなど。

 特別措置法は過大な被害想定でつくられていると指摘されているが?→有識者会議の中で議論。2009年の流行を踏まえて決まったと聞いている。

 人権の問題で、日本弁護士連合会が声明を出したが内容は?→検疫のための病院・宿泊施設の強制使用、多数が利用する施設の使用制限等について、根拠が曖昧。制限期間が長すぎる。放送事業者の報道の自由が制限されることなどについて、反対声明を出した。

 対策本部を設置したとき、本部長が人権制限をする可能性がある。県や国とも関係もあるが、どのような形で市の本部が判断して進めていくのか?→制限の措置の権限を持っているのは県。県の判断、他市の状況を見て、進めていく。

栗原委員

 この特別措置法の対象市町村は?→特別措置法34条で、政令市、中核市、保健所政令市に関わらず、全ての市町村で設置することとなっている。

 この議案は、反対1(柳沢委員)、賛成7(柳沢委員以外の委員)で、可決すべきものと決定しました。

 

報告(1) 武田薬品工業(株)湘南研究所遺伝子組換え微生物廃液漏出事故後の対応結果について

 この報告は、2011年(平成23年)11月30日に発生した、漏出事故について、外部専門機関による監査が実施され、指摘事項に対する対応が終わり、4月10日に、その報告書が武田薬品工業(株)から本市に提出されたため、その内容について報告されたものです。なお、参考人として、武田薬品工業(株)医薬研究本部から2名が、出席し、報告書の内容について説明がされました。報告書の内容の抜粋は次の通りです。

1.経過

2011年12月 漏水事故当該施設工事完了

2012年2月  類似施設対策工事完了

2012年3月  外部専門機関による研究所全体のアセスメント開始

2012年10月 外部専門機関による報告書を受領

2013年3月  外部専門機関の指摘事項等対応完了

2013年6月11日 厚生環境常任委員会で説明

2.アセスメントの対象について

 アセスメントは、事故のあった遺伝子組換え実験施設だけでなく、研究所全体の施設・活動を対象として実施。

3.外部専門機関からの指摘事項と対策内容

(1)指摘事項 No.1

 災害時の緊急事態の対応における、連絡体制、対応の仕組みの見直しが望ましい。

【具体的な対策】

 ・発生した事象の種類に応じて、通報者が通報先の選択をしていたが、通報先を一本化し、作業従事者に周知した。

 ・地震避難訓練、火災避難訓練、夜間通報訓練、実験材料誤廃棄訓練等、各種非常事態を想定して、訓練を実施した。継続的反復的に実施を予定。

 

(2)指摘事項 No.2

 滅菌システム機器制御のための各装置の信頼性の向上。

【具体的な対策】

 重要設備機器の温度計、圧力計、レベルセンサー等を追加設置し、二重化を行い、それぞれを定期的に維持管理していく体制を構築した。

 

(3)指摘事項 No.3

 誤操作の可能性がある滅菌設備の保守管理用手動バルブの固定化。

【具体的な対策】

 誤操作で影響の大きい手動バルブ類のハンドルを取り外したり、チェーンで固定化することで、誤操作の影響を排除した。

 

(4)指摘事項 No.4

 研究所全体の緊急シャワーの設備環境を見直し、誤排水リスクの低下が望まれる。

【具体的な対策】

 重要度の高い施設については、独立型緊急シャワーを設置しているが、一般の流しには、ゴム栓を設置して、常時閉で利用することで、緊急シャワー利用時も誤廃棄に至らない環境に変更した。

 

(5)指摘事項 No.5

 露出排水管保護対策の見直し。

【具体的な対策】

 重要な露出配管部分に注意喚起サインを設置するとともに、地上階の侵入車路に高さ制限サインを増設し、物理的破損の可能性を低減した。

 

(6)指摘事項 No.6

 設備・機器(配管等を含む)のメンテナンス手順・手法の見直し。

【具体的な対策】

 重要な配管類の経年変化を監視する手法を決定し、その作業手順書を作成する。特に、接続部分や目視のできない部分に配慮した方法を選択する。

 

(7)指摘事項 No.7

 さらに人的ミスを減らすための手順書と教育訓練の見直し。

【具体的な対策】

 流しの排水口をゴム栓で常時閉で運用することで、実験排水の廃棄手順を改訂し、確認手順を三重化した。

 

(8)指摘事項 No.8

 実験エリアで、研究者が着用している防護具(ガウン)の緊急時における取り扱い方法の確立。

【具体的な対策】

 緊急時の実験従事者の防護具類の取り扱いについて、作業手順を決め、定期的に脱着訓練を実施することで、安全性を確保した。

 

(9)指摘事項 No.9

 実験エリアの流しに掲示した誤排水を防ぐための注意喚起の掲示の見直し。

【具体的な対策】

 必要な箇所に、確実に目に入る場所に掲示するように例示し、徹底を図った。

 

(10)指摘事項 No.10

 排出時に連続測定している環境項目の測定機器類の点検手法の強化。

【具体的な対策】

 定期メンテナンス以外に、全有機炭素(TOC)測定装置やpHメーター等監視装置の信頼性の担保に必要な、日常の維持管理手順書を作成する。

 

(11)指摘事項 No.11

 海外研究者に対する教育訓練の見直し。

【具体的な対策】

 ・規則、規程類や設備説明書を英文化し、海外からの研究者にも周知徹底した。

 ・必要な情報を現場の作業従業員まで浸透するために、契約社員を含む作業従事者全員を対象とした説明会を、項目ごとに複数回実施した。

 

報告(2) 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の今後の整備方針について

 この報告は、特別養護老人ホームの今後の整備方針について、報告がされたもので、内容の抜粋は次の通りです。

1.これまでの整備

 本市には現在、特別養護老人ホームが12施設あり、定員は950人。入居待機者は、本年4月現在、1,801人となっており、待機者の解消が喫緊の課題となっている。市では、平成24年度から26年度の間に、未整備地区に対し、3施設、定員300人の整備を目標に取組を進めている。

2.整備の取組状況について

(1)湘南台地区における施設整備

 平成24年8月に募集をし、1法人から応募があったが、諸般の事情により中止となった。その後、再募集をしたが、応募がなく、整備未定の状況。

(2)鵠沼地区における施設整備

 第63号緑の広場以外の事業提案を募集したが、応募がなかったため、整備未定の状況。

(3)辻堂地区における施設整備

 Fujisawaサスティナブルスマートタウンまちづくり方針に基づき、誘致を進めており、現在、パナソニック(株)が事業者の募集を行っているところ。

3.今後の整備方針について

 湘南台・鵠沼の募集について、土地確保の課題があることから、13地区への整備方針を転換し、市内全域を対象として整備を

めざすものとする。

山口委員

 4月の待機者数1,801人の算出根拠は?→1,801人は、市内12施設に申し込みをしていて入れていない実数。

 1,801人の介護別の状況は?→要支援・要介護1は、240人/要介護2は、264人/要介護3は、411人/要介護4は、380人/要介護5は、506人。

 県の計画では、65歳以上の1.5%が必要定員数との事だが、県内で満たしているところは?→平成24年4月現在で、横須賀市、横浜市、海老名市、伊勢原市、厚木市。

浜元委員

 土地取得が困難なので、市の未利用地も活用するとの事だが、どのくらいあるのか?→西富の市営住宅跡地約5,000㎡など。

柳沢委員

 平成27年度の必要定員数が1,478人となっているが、実待機者は1,801人いる。おかしいと思うが?→1,801人の中には、要介護度の高い4・5の方約800人、3以下が約1,000人。介護度の低い方は、今すぐ入らなくてもよい方もいて、先を見据えて申し込んでいる状況であるので、介護度の高い方の解消をめざしていく。

 土地の確保ができないとの事だが、その他、補助金体系、小規模施設など、工夫できないのか?→補助金は、建設補助を社会福祉法人へ、1床あたり350万円、県から255万円助成。県は、開設準備金も支払っている。小規模については、29人以下の地域密着型老人ホームで市内に2か所ある。サテライト型で市民のみが利用できる。第5次介護保険事業計画でも、3施設の計画を予定している。

 

報告(3) 平成25年度国民健康保険料の料率について

 この報告は、平成25年度の国民健康保険料の料率を改定したので報告がされたものです。なお、政令改正により、平成25年度から、所得割算定方式から、旧ただし書き方式に変更になりました。旧ただし書き所得とは、総所得金額等から、基礎控除の33万円を控除した額です。このこと等により、1人あたり保険料は、平成24年度、100,251円→平成25年度、103,469円となります。

柳沢委員

 3,218円、保険料が上がる。年金受給者で300万円、65歳以上で夫婦2人だと、保険料はどうなるのか?→184,920円から204,380円となる。

 所得の高い人でどのくらい上がるのか?→共働きで、夫の年収600万円、妻の年収300万円で中学生、高校生の4人世帯で、691,560円から723,140円となる。

 激変緩和措置が3年間あるが、先ほどの年金受給者のケースではどうなるか?→平成25年度は204,380円、26年度は、206,880円、27年度は、209,890円、28年度は、212,910円。同条件で。

 年金が下がっているのに、保険料が上がる。6/17には、新保険料の通知がされる。問合せ殺到すると思うが?→算定方式が変更となるので、コールセンターを設置して、問い合わせに対応していく。

 応益割と応能割の割合が50:50となっている。条例改正して、応益分を下げ、応能分をあげれば、低所得者の値上げを抑えられる。見解は?→標準割合が示されており、50:50としている。平成24年度で、応益分を45~55%としている自治体は13市で主流となっている。平準化の観点からも当面、変更は考えていない。

 一般会計からの繰り入れを増やせば、保険料が抑えられるが?→平成25年度予算では、29億6,107万円、24年度当初予算は、28億9,936万円。国民健康保険は、構造的な問題かかえている。一般会計からの繰り入れは、法定繰入分を基本と考えており、市税負担とのバランスの中で、更に繰り入れを増やすのは難しいと考える。

 

報告(4) 平成24年度藤沢市民病院医療事故等の報告について

 藤沢市民病院では、医療の透明性を高め、市民・患者の知る権利に応えるなど、社会的責任を果たすことを目的として、平成17年9月に「藤沢市民病院医療事故公表基準」を策定しました。この基準に基づき、平成24年度の医療事故等について報告がされたものです。

 「インシデント」

 日常医療の場で、間違った医療行為が実施される前に気が付き、患者さんに実施されなかったものなど、結果として、患者さんに大きな影響を与えなかったもの。

 ①レベル0:間違った医療行為が実施される前に気が付き、実施されなかった。→103件。

 ②レベル1:患者への実害がなかった→856件。

 ③レベル2:処置や治療は行わなかった→184件。

 ④レベル3a:簡単な処置や治療をを要した→60件。

 「アクシデント(医療事故)」

 患者が本来持っていた疾病や体質などの基礎的条件によるものではなく、医療において、その目的に反して生じた有害な事象。

 ⑤レベル3b:濃厚な処置や治療を要した→15件。

 ⑥レベル4a:永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない→0件。

 ⑦レベル4b:永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う→0件。

 ⑧レベル5:死亡→0件。

柳沢委員

 インシデントの0.1は、増えている。ここが増えることは大事。報告がどう変わってきたのか?→平成22年10月より、アクシデント・インシデント報告を手書きからシステム化に。内容を標準化して、他の病院と比較できるようにした。

 レポートの作成の流れ、増えた要因は?→システム化により増えた。詳細な事例でも報告することで意識が高まった。医師や技師の報告も増えてきた。レベル0以外は、患者・家族に説明している。

 薬剤投与に伴うもの、入院療養生活に関するもの多い。どのようなものか?→薬剤は、投与忘れ、薬品の間違え、過小投与など、思い込みなど、人的要因。入院療養生活は、1人で出歩いて、つまずくなど。

柳田委員

 救命救急センターは県内で限られた施設。指導的な立場で注意喚起すべきだが?→医療安全管理者同士の意見交換を行っている。

 以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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