放射性物質を含む下水汚泥焼却灰等の保管について

 放射性物質を含む下水汚泥焼却灰の希釈施設設置について、神奈川新聞やNHKなどで報道され、市民や議会報告会での質問が多く寄せられたことを踏まえて、議員に対して、説明がされました。

1.国の考え方

 政府が示した考え方は、「セメント各社におかれては、水道事業者、下水道管理者等と協力し、脱水汚泥等の放射能濃度の管理や希釈度合いをコントロールし、セメントを利用して製造される生コンクリート等が安定的にクリアランスレベル以下とすることにより、今後とも脱水汚泥等を安定的に受け入れるようお願いしたい。」※クリアランスレベルとは、100ベクレル/kg。

2.藤沢市の汚泥焼却灰の放射性物質濃度の推移

 藤沢市辻堂浄化センターでの測定結果の推移は、平成23年5月時点では、セシウム134と137の合算値が5,000ベクレル/kgを超えた事もあったが、増減を繰り返しながら、最近では、400ベクレル程度になっている。

3.藤沢市の考え方

 毎日溜まる、汚泥焼却場を辻堂浄化センター及び、大清水浄化センターで保管している状況について、議会に報告。平成24年2月議会や9月議会においても、保管する一方で、希釈してセメント業者等に搬出できないか研究・検討をしていると答弁し、市議会としても、そういう方向で検討が進んでいると理解。

4.搬出のための自主基準

 国が示す製品としてのクリアランスレベルは、100ベクレル/kg。しかし、藤沢市としては、より安全な基準として、搬出時において、目標を50ベクレル/kgとし、更に再資源化された製品において、不検出とした。

★この自主基準は、議会には説明はなく、報道で知ることとなる。

5.希釈施設の概要

 辻堂浄化センターの汚泥処理棟を整備。平成25年8月着工、平成26年1月完成予定で施設整備及び、土砂などを混合する機会をリースする予定。

★この内容についても、報道で知ることとなる。

6.報道の影響

 4月3日に神奈川新聞、13日に毎日新聞が報道。更に、15日にはNHKで報道がされる。この一連の報道により、予定していた再資源化事業者から受入を遠慮したいとの申し入れがあり、現在のところ、処分の見通しが立っていない。

7.今後について

 今後は、保管場所の限界、受け入れ先の開拓、産業廃棄物としての処理など、今のところ解決できない課題が山積している状況で、見通しが立たない。

※私は、報道の仕方、市民団体の抗議などにより、放射能問題については、大きく左右される課題だと思います。国が示した安全基準も、もはや、その信頼を失っている状況といえます。この汚泥焼却灰の放射線物質濃度をどのくらいにすれば、セメント化してコンクリート製品になったときに本当に安全なのか。これは、実際にコンクリート製品にして、測定し、数値が出るのか出ないのか。出た場合、その数値は安全といえるのか。いずれにしても、報道機関や団体の方々が納得できる状況にならない限り解決できない課題だと思います。そして、藤沢市は自主基準を設けて対応しようとしたわけですが、全国の自治体で本当に、国基準で搬出していないのかが大きな疑問です。搬出しなければ、どこの自治体もその保管が大きな課題となっているはずです。もし、搬出をしているとすれば、藤沢市の報道よりはるかに問題があると思います。調べるすべがないので真実は分かりませんが。。。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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